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コラム
口臭の本当の原因と適切な対処法
友人や家族との楽しい会話や仕事場で、自分や人の口臭が気になったことも多いのではないでしょうか。現代社会では、口臭は“スメルハラスメント”ともいわれ、社会問題にもなりつつあります。今回は、口臭の原因とその対処法についてのご紹介です。
簡単、口臭チェックの方法
コップを使って口臭チェック
息を吹きかけたコップに蓋をして、深呼吸の後、コップの中の息を嗅いでみましょう。 起き抜けの口臭が一番強いので、朝起きてすぐチェックするのがポイントです。朝起きて、なるべく口も開けずに、歯磨きやうがいもしない状態でチェックしてください。口臭チェッカー
歯科医院が使うマスクのついた口臭チェッカーで測定します。いきなり歯医者さんに行くのはどうもという方には、携帯チェッカーが大変便利です。飲み会後や朝起きたばかりの時の目安にはなりますね。舌のチェック
舌の周りに白や黄色いのポツポツがついていませんか。この舌苔(ぜったい)が多めの方や黄色っぽくなっている方は要注意です。布やティッシュなどで舌苔を拭き取って嗅いでみてください。臭いが強い場合は口臭の可能性が、また舌が黄色い場合は、歯周病などの何らかの病気が考えられます。デンタルフロスの臭い
デンタルフロスを使った後、付着したプラークの臭いを嗅いで異臭がしたら、それは口臭だといえます。デンタルフロスは口臭予防に欠かせないアイテムですから、歯磨き後は必ず使用しましょう。唾液でチェック
口臭があると、唾液が酸っぱくなったり苦くなったりします。酸っぱい時は歯垢や食べカスが多く残って酸性に、苦く感じる時は口臭の原因物質がお口に充満していると考えられます。手をなめる
先ず、片方の手の甲又は手首を舐めます。次に30秒~1分後に、舐めていない方の手の臭いを嗅ぎます。その後、舐めた方の臭いを嗅いで、臭いを比べてみましょう。唾液で濡れていた手は時間が経って渇くと、手には臭いの物質だけが残ります。もしも、舐めた手が臭う場合は、口の中で発生した臭いの物質が、唾液に交じっていると考えられます。口臭の原因
口の中にいる嫌気性細菌が、唾液や血液、古くなった細胞又は食べカスに含まれるたんぱく質が分解し、臭いの元の硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドと呼ばれる揮発性硫黄化合物(Volatile Sulfur Compounds:VSC)を生み出すことで、口臭が生じるのです。口臭には、VSCを増やす原因によって、生理的口臭と病的口臭に分けられる可能性があります。生理的口臭
- 口の中がパサつく
- 仕事などでストレスを長く感じる
- 舌の表面が白くて、磨いたことが無い
病的口臭
- 歯や詰め物、入れ歯の表面を舌でザラザラと感じる
- 歯茎が腫れたり、血が出たりする
- 歯がグラグラ動く
- 穴が開いた歯や詰め物が取れて放ったままの歯がある
生理的口臭の予防
唾液の抗菌作用で、普段は口臭が抑えられていますが、起床時や空腹時には、唾液の分泌量が減るので、細菌が増殖しVSCが活発に産出されて、口臭が強く感じられるのです。また、舌の表面には食べカスや古くなった細胞が付着した白い苔のような“舌苔”を細菌が分解してVSCを作り出します。生理的口臭なら、以下の予防法で改善が可能です。唾液で予防
唾液の分泌量が減ると、細菌は増殖し口の中が不潔になって口臭が発生し易くなります。口臭の予防には唾液の分泌が大変重要なのです。では、唾液を増やす方法は?唾液腺マッサージ
頬の内側を伸ばすように、両頬を指で上下にこすると、マッサージ効果が実感出来ます。また、舌を左右に動かすことでも唾液腺が刺激されます。よく噛む
軟らかい物ばかりを食べていると、よく噛まないので口の周りの筋力が衰え、唾液の分泌が減少します。噛み応えのある食べ物を一口30回くらいよく噛んで食べてください。口の中を刺激する
歯磨きやうがいは唇や頬などの口腔粘膜を刺激して、唾液の分泌を促します。ガムを噛むことも、唾液腺の活動を活発にするので、有効な方法です。リラックスする
緊張して口が渇くと、自律神経の働きで唾液の分泌が減り、反対にリラックスしていると唾液が出易くなります。緊張しているなと感じたら肩の力を抜き、深呼吸してみましょう。また、水を少し飲んで、口の渇きを潤すことも大事ですよ。舌を磨いて口臭予防
生理的口臭予防には、歯磨きやデンタルフロス以外に“舌みがき”が効果的です。舌の清掃では専用の舌ブラシを使って、舌苔を除きます。舌の表面には多くの舌乳頭という突起があるので、歯ブラシで舌を磨くと、突起がちぎれて出血することがあります。口臭の原因菌は血液中のタンパク質を好むので、ほんの少しの出血でも口臭の原因になる可能性があります。 ※舌ブラシ:舌の表面を傷つけないように開発された柔らかい特殊なナイロン繊維などで出来ています。洗口剤で口臭予防
口腔内の洗浄・消毒の為の洗口剤で、口の中をゆすぎます。殺菌剤など薬効成分に水やアルコール、香料、色素などが配合され、ブラッシングで取り残されたプラーク中の細菌の増殖を抑制し、口臭予防が期待出来ます。病的口臭予防
歯周病治療で口臭予防
歯周ポケットに潜む歯周病の原因菌が、唾液や血液、食べカスなどに含まれるタンパク質などを分解して口臭が発生します。歯周病は殆ど痛みもなく進行するので、家族から口臭を指摘されるようになったら、歯科医院を受診して歯周病の検査・治療を受けてください。虫歯治療で口臭予防
虫歯が進行して、歯に大きな穴が開くと、食べカスが詰まり易くなり、口腔内の細菌が発酵して口臭を放つようになります。マウスウォッシュなどによる消臭は、一時的効果ですから歯科医院で適切な治療を受けてください。抜歯で口臭予防
親知らずの周りは細菌が溜まり易く、口臭の原因になり易い処です。親知らずが横や斜めに生えている方は早めに抜歯することをお勧めします。歯周病・虫歯以外の病気
副鼻腔炎や肝臓病・腎臓病などの全身疾患が原因で、口臭が強くなる場合があります。病気が見つかった場合は先ず、その病気の治療を受けてください。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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