芦屋M&S歯科・矯正クリニックコラム

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抜歯とその後の注意点

抜歯とその後の注意点
「親知らずを抜く手術で大変だった」という話を聞いたことはありませんか?親知らずの生え方によっては、やや大掛かりな手術になるケースもあります。でも、手術中は麻酔が効いていますから、患者さんにはわからないものです。でも、患者さんにとって大変なのは、麻酔が切れてからの対応です。今回は抜歯とその後、気を付けてほしいことを紹介します。

抜歯

口の中の手術でも最も頻繁に行われている、皆さんご存じの歯を抜く手術です。

状況

大きな虫歯や親知らずの炎症、重い歯周病、歯のひび割れなどに対して行われます。

手術前経過

現在は歯を保存することが最も重要視されているので、どの病院でも簡単には抜歯を行いません。抜歯に至るまでにはいろんな方法で保存を検討します。それでも抜歯しなければならない状況に至ったのは、ある意味、歯の寿命と考えられます。

抜歯手術

普通抜歯:難易度1

特に「抜歯を困難にする理由」がない場合は普通抜歯となります。親知らずなどが斜めに生えていた場合でも、真っ直ぐと同じ処置が可能ならば、普通抜歯として大きな困難なく手術できます。

難抜歯:難易度2

歯根が歯槽骨(しそうこつ:歯を支える骨)に癒着(骨性癒着/アンキローシス)している場合は、骨を削って抜歯(骨開削)します。尚、大臼歯の歯根が2つ以上ある場合は、歯を分割して、問題のある歯根だけを抜歯することもあります(分割抜歯)。「歯根が湾曲している歯」「歯根が肥大している歯」も難抜歯に分類されます。

埋伏歯:難易度3

歯が歯茎や歯槽骨に埋まっているものを「埋伏歯」と呼び、中でも骨と癒着して埋まっている「骨性埋伏歯」は抜歯が著しく困難です。親知らずが横向きに埋まっていると「水平埋伏智歯」と呼ばれ、歯茎を切開し、歯の頭の部分を切除してから抜歯する「水平埋伏智歯抜歯術」が適応されます。

抜歯後の注意点

痛み止め薬

抜歯手術には麻酔を行いますが、その効果は約60分~180分くらいです。その麻酔の持続時間を過ぎると、抜歯を原因とする痛みが生じます。そこで痛み止めが必要となるので、麻酔が切れる前に薬を飲む必要があります。また、もう一つ渡される薬は化膿止めで、抜歯後は細菌が血液中に侵入することもありますから、必ず飲むようにしてください。

麻酔による怪我

麻酔の効果が切れるのは最低1時間後ですが、口内の出血が止まるのは30分後くらいです。だから抜歯後30分くらいで食事をすると、麻酔のせいで口が麻痺しているので、怪我に気が付かないことがあります。

代表的怪我

  • 火傷:麻酔で口内の温度に鈍感になっているため、食べ物の温度がわからない。
  • 頬の肉を噛んでしまう:口内が麻痺しているために、頬の内肉を噛んでも気づかない。

食事の摂り方

ポイント

  • 抜歯後の食事開始のタイミングは、抜歯した場所の血が止まっていること、麻酔の効果が切れた時になります。
  • 抜歯後の傷痕部分に物が当たらないよう、反対側の歯で噛むようにする。
  • なるべく柔らかい物を食べる。
  • 出血や細菌感染の原因になるので、傷痕を指でさわらない。
  • 抜歯後に歯茎を縫い合わさない場合、抜歯跡に血餅と呼ばれる黒いジェル状の物質ができます。食べかすが穴に入った場合は、血餅が飛び出さないように、口は軽くゆすぐ。歯磨きのブラシで触れるのも気をつけること。

おすすめの食事

抜歯後は、麻酔が切れると患部や顎が痛くて、口を大きく開けられなくなります。また硬い物を食べると、抜歯した部分を傷つけるなど色々と問題が生じるので、柔らかい食べ物のほうが無難です。以下におすすめの食事を挙げます。 ・うどん ・おかゆ ・おじや ・雑炊 ・チーズ ・そうめん ・冷奴 ・湯豆腐 ・玉子あんかけ ・玉子豆腐 ・杏仁豆腐 ・ヨーグルト ・プリン ・茶碗蒸し ・ワンタンスープ ※食事の温度は低めに設定の事。

NGな食事

  • 飲酒、辛いもの(※血行が促進され出血しやすくなるから)
  • 喫煙
  • 熱い飲食物(※麻酔のせいで温度感覚がないから火傷をしやすいから)
  • 硬い食べ物(※スナック菓子等)
  • 口を大きく開ける必要のある食べ物
  • ストロー使用の飲食物(※口内の圧力が変化し、抜歯後塞がれるかさぶたが外れる可能性がある)

出血

唾液に血が混ざる程度なら問題ありませんが、多量に出血している場合は清潔なガーゼかティッシュで軽く押さえて、10~30分程圧迫止血します。完全に止める必要はなく、唾液に少し血が混ざる程度で止血を終えて大丈夫です。それでも止まらない場合は、歯医者さんに連絡してください。出血を気にし過ぎて頻繁に血を吐き出したり、うがいをするのは、出血を増やす原因となります。これらが原因で血が不足すると、歯茎を治すために必要な血液が減って、傷の治りが遅くなってしまいます。

腫れ

抜歯後の腫れには個人差があり、腫れが酷いと慌てますが、たいていの場合、少し冷やす程度で腫れは引きます。

冷やすポイント

炎症時の腫れや痛みは血管の拡張が原因です。腫れは患部を冷やすことで症状を抑えられますが、炎症は身体の正常な反応ですから、正しい身体の働きを抑制する結果になり、治癒を遅らすこともあります。そのため、歯医者さんから受け取った痛み止めで対応し、耐えられない場合のみ、冷やすようにしましょう。氷は絶対使わず、水で濡らしたタオルで頬の上をふれる程度に留めましょう。

風呂や運動

身体が温まって血行が良くなると、出血しやすくなるので、抜歯後の運動は避けた方が良く、またお風呂も、ぬるま湯のシャワーを軽く浴びる程度にしてください。

抜歯後の悪影響

顎の感覚麻痺
親知らずが骨の神経に触れていると、生じる場合があります。
しみる
親知らずの手前の歯が虫歯に近い状態だと、しみる場合があるので、通常の虫歯治療を行うことになります。

その後の経過

抜歯がうまくいって歯茎を縫合した場合は1週間ほどで抜糸します。ただ、抜歯跡が完全に塞がるには個人差があり、1~6ヶ月程度となります。
いかがでしたか、親知らずが気になっても、普通抜歯なら難しいものではないので、早めに歯医者さんに相談してみてください。

監修者情報

公開日:2023年07月10日

理事長

理事長 松岡 伸輔

芦屋M&S歯科・矯正クリニックのWebサイトにようこそお越しくださいました。
平成15年の開設以来、芦屋市周辺の皆様のお口の健康維持のために日々診療しています。

当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
なかでも得意としているのは矯正歯科です。日本矯正歯科協会に所属する矯正歯科の専門医が小児矯正にも成人矯正にも対応し、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)認定ドクターも在籍しています。
専門的な矯正歯科と一般歯科を並行してご提供して、総合的な口腔ケアをおこなう歯科医院です。
院内は衛生管理の徹底により安心して診療を受けていただけます。そして患者様目線を大切に、家族を診ているような丁寧で痛みをできるだけ抑えた治療をご提供します。
予防にも力を入れ、長い目で見たお口全体の健康維持をサポートしますので、気になることは何でもお気軽にご相談ください。