今からつくる未来の歯産価値

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コラム

今からつくる未来の歯産価値

「あの時、やっておけばよかった」と、未来で後悔しないために、今からできることがあります。それは202411月から日本歯科医師会が提唱している、皆さんに歯とお口の健康への興味や関心を高めてもらうための、「未来の歯産価値を、今からつくる。#投歯」プロジェクトの展開です。今回は、正しい口腔ケアを理解し、セルフケアと、歯科によるプロケアの両輪で、口腔環境を見直して、未来生活を充実させましょうというお話です。

投歯(とうし)

「投歯」とは、将来の健康的な生活の実現を見込んで、毎日のセルフケアと併せて、定期的に歯科医院でチェックを受けて、口腔内の健康維持に努めることを意味する、日本歯科医師会が作ったPRのための造語です。研究によると、歯科健診を受診していない人は、受診している人と比較して、医療費や介護費用が高くなることが明らかになっています。早い段階から、口腔の健康維持に関心を持つことは、将来の医療費や介護費用の負担軽減につながっていくのです。

投歯に関する意識調査

日本歯科医師会は2024年、男女1万人を対象に歯や口の健康管理に関する調査を行いました。その結果によると、歯の定期チェックを受けている人の割合は、若い人ほど少なくなっていました。さらに、全国20~69歳の男女1,000人を対象に「投歯に関する意識実態調査」を行ったところ、特に20歳代においては、身体で定期的にメンテナンスを行っているのは、口や歯よりも、男女とも髪を優先し、男性においては「筋力」、女性では「眉毛・まつげ」を優先する意識が高くなっていました。これにより、20歳代の「投歯」に対する意識が低いという実態が明らかになっています。

骨太方針2024

政府が作成した「骨太方針2024」には、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進」が明記されています。日本歯科医師会では、歯科保健医療の一層の普及・推進によって、口腔負債を将来に持ち越さない国民全体の「歯産価値」の向上に努めています。

口腔負債(こうくうふさい)

「口腔負債」とは、口腔環境の悪化やそれを原因として、全身の健康に影響を及ぼし、将来的な医療費の負担増を招きかねない状態を指す、日本歯科医師会がPRのために作った造語です。

歯科健診の有無で医療費に差

香川県歯科医師会は2005年度より医療費適正化を目的として、歯と全身との健康の相関性に関する分析調査を行いました。40~74歳を対象にした特定健診の開始に合わせ、2009年から質問項目に、歯科健診の受診状況を含む歯科関連の質問を設定しました。そして調査結果と保険者のレセプトデータ(診療報酬明細書)を突き合わせ、5年間にわたって分析しました。分析の結果、5年間の医療費を平均すると、歯科健診を年に1回以上受けている人は、1年間で36.2万円でしたが、受けていない人は45.7万円と、9.5万円も多くなっていました。また、最も差が開いた2014年度では、13.5万円の差となっていました。

累積介護費用でも大きな差

東北大学大学院の研究グループは、自立した高齢者8,429人を対象に、過去6ヶ月以内の歯科受診の有無とその後8年間の累積介護費用との関連性を調べました。2024年国際学会誌に公表された結果によると、過去6ヶ月以内に予防目的で歯科受診をした人は、未受診者と比べて、その後8年間の累積介護費用が約11万円少ないとされていました。研究グループでは、「歯科受診することで、口腔の健康が保たれ、要介護状態の発生が先送りされる可能性や、たとえ要介護状態になっても、重症化が抑えられ、介護費用の増加を抑制できる可能性がある」と、されています。

歯産価値(しさんかち)

「歯産価値」とは、口腔環境が健康な状態を財産と捉え、その状態がもたらす、良いもの・こと(や性質)を指す、日本歯科医師会が作ったPRのための造語です。日本歯科医師会では、2017年より8020運動の積極的な推進と、歯科医療への正しい理解促進のために、「いい歯は毎日を元気に」プロジェクトを推進してきました。2014年には、より将来を考え、口腔ケアへの関心を高めてもらうために、「未来の歯産価値を、今からつくる。#投歯」プロジェクトを立ち上げています。 いかがでしたか、定期的に歯科健診を受けることで、口腔の健康状態が良好に保たれ、食事や会話、笑いなどに問題を感じず健康な生活を送り易くなり、要介護状態にもなり難く、進行も遅くなる可能性が高まることで、介護費用の低減につながります。一生使う歯だからこそ、高齢者になってからでなく、全ての年代の人に定期的な歯科健診をおすすめしているのです。

監修者情報

公開日:2023年07月10日

理事長

理事長 松岡 伸輔

芦屋M&S歯科・矯正クリニックのWebサイトにようこそお越しくださいました。
平成15年の開設以来、芦屋市周辺の皆様のお口の健康維持のために日々診療しています。

当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
なかでも得意としているのは矯正歯科です。日本矯正歯科協会に所属する矯正歯科の専門医が小児矯正にも成人矯正にも対応し、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)認定ドクターも在籍しています。
専門的な矯正歯科と一般歯科を並行してご提供して、総合的な口腔ケアをおこなう歯科医院です。
院内は衛生管理の徹底により安心して診療を受けていただけます。そして患者様目線を大切に、家族を診ているような丁寧で痛みをできるだけ抑えた治療をご提供します。
予防にも力を入れ、長い目で見たお口全体の健康維持をサポートしますので、気になることは何でもお気軽にご相談ください。