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コラム
前歯のプチ矯正について
プチ矯正とは、歯並びや噛み合わせ全体の矯正ではなく、例えば上の歯だけ、下の歯だけ、前歯だけなど、チョッと問題があって治したい部分だけを治す部分矯正をいいます。歯列矯正と聞くと、お金も時間もかかるイメージですが、プチ矯正なら治したい部分だけ・目立つ部分だけの歯並びを良くできます。今回はそのようなプチ矯正(部分矯正)の中でも、最も多い「前歯のプチ矯正」について、ご紹介します。
プチ矯正ができない歯の例
前歯の歯並びだけが気になっている場合でも、前歯だけの治療ではカバーできないケースもあります。矯正することで噛み合わせの悪化が見込まれる場合
プチ矯正を希望する方の歯並びで多いのが、前歯の出っ歯や犬歯だけが飛び出た八重歯です。しかし、歯を後ろに引っ込めるスペースが確保できない場合は、プチ矯正ができない可能性があります。また、前歯を動かすことで奥歯も一緒に動いてしまうことがあります。そうすると、噛み合わせが変わってしまい、矯正前より歯の状態が悪くなることさえあります。このようなことが見込まれる場合は、プチ矯正を行うことは難しくなります。前歯、八重歯のスペース不足が3㎜以上ある場合
プチ矯正ができるかどうかは、前歯や八重歯を後ろに引っ込めるスペースが、どのくらいあるかによります。具体的には3㎜以上の余裕がないと、歯を引っ込めることができません。噛み合わせが深い(過蓋咬合)の場合
奥歯同士を噛み合わせた時に、上の歯が下の歯をほとんど隠すような歯並びを「過蓋咬合」(※1)と呼びます。プチ矯正でも全体矯正でも、矯正後は動かした歯の位置を固定するために、保定装置「リテーナー」を装着する必要があります。ところが過蓋咬合の場合、噛み合わせの問題でリテーナーの装着が困難となっています。そのため、上下ともに矯正を行って、噛み合わせ自体を治す必要があるのです。前歯のプチ矯正
プチ矯正は症例にもよりますが、前歯だけの矯正が行えます。しかし、前歯だけの歯並びの改善を目的としているので、奥歯の噛み合わせの改善や全体の仕上がりには限界があります。プチ矯正を行う前には、そのメリット、デメリットを理解しておくことが大切です。メリット
費用を抑えられる 全顎矯正に比べると、費用を抑えることができます。口の中の状況や治療方法によって異なりますが、通常は30~80万円程度になります。 短期間で調整できる 奥歯と比べると、前歯は根っこが短いので歯を動かし易く、比較的短期間で済みます。全顎矯正では1年半~2年半ほどの期間を要しますが、前歯のプチ矯正なら半年~1年半ほどの短期間で改善できます。 被せ物を必要としない 被せ物を使って前歯の歯並びを改善する、「セラミック矯正」という矯正方法もありますが、自身の歯を大きく削る必要があります。しかし、前歯をプチ矯正で行うと、自身の歯を動かすので、歯本来の機能を失わず、また、被せ物が外れたり、被せ物の内部が虫歯になるといったリスクがありません。デメリット
噛み合わせの改善はできない 歯の一部を動かすだけなので、奥歯の噛み合わせの改善などは見込めません。全顎矯正なら見た目はもちろんのこと、噛み合わせまでを含めた矯正ができます。噛み合わせが改善されれば、歯にかかる力をバランスよく分散させることになり、生涯にわたって自身の歯を残すことにも繋がっていきます。 歯を動かすスペース確保のため歯を削る必要がある 凸凹の歯列を改善するにはスペースの確保が必要となります。そこで場合によっては「IPR(Inter Proximal Reduction)」と呼ばれる、歯と歯の間を少し削る処置が必要となります。IPRで削るのは、歯の一番外側の厚さ2~3㎜のエナメル質部分です。ただし、削る量は最大0.25㎜程度で歯面の再石灰化により、むし歯に対してはより強化されると報告されています。 誰でも受けられる治療方法ではない すきっ歯や前歯が少しだけ重なっている、少しだけ入り組んでいるなどの歯並びなら、プチ矯正で治すことができます。例えば、上の歯だけをプチ矯正しても、それによって下の歯の噛み合わせに問題が出る場合は、全体矯正の方が良いでしょう。前歯のプチ矯正の治療方法
治療方法は、マウスピースとワイヤーによる矯正に大別され、又、ワイヤー矯正では前歯の表側と、裏側に付ける装置とに分かれます。表側に装置を付ける場合
前歯の表側にワイヤーやブラケットを付けて歯を動かします。尚、動かす隙間がない場合は、IPR処置で歯を少しスライスして隙間を作ることになります。裏側に装置を付ける場合
歯の裏側に装置を付けるので、見た感じは矯正していると分かりづらくなっています。矯正治療で傍目を気にされる方には、裏側矯正が勧められます。マウスピース矯正の場合
透明なマウスピースを使用するので、前歯のプチ矯正でも人の目が気になることはありません。マウスピース矯正「インビザライン」では、通常の矯正とは異なり、お口の中を専用機械でスキャンして、矯正していく過程を事前にシミュレーションすることができます。 全体を矯正するマウスピース矯正「インビザライン」以外に、前歯のみのプチ矯正の「インビザラインGO」、プチ矯正と全体矯正の中間位の「インビザラインライト」といったプランがあります。プチ矯正の料金・治療期間
ワイヤー矯正(表側)
料金:22万円~ 治療期間:半年~1年半程度マウスピース矯正(インビザラインGO)
料金:50万円~ 治療期間:4ヶ月~1年程度 いかがでしたか、ずっと気にはなっていたが、全体矯正では・・・と諦めていた方にとって、期間も料金もリーズナブルで歯並びが改善できるプチ矯正は、価値がありませんか? 口元の改善は印象を大きく変えることになります。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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