columns
コラム
健康生活につながる歯の本数
人間の永久歯の本数は28本で、親知らずを加えて32本あります。しかしその歯の本数が減ってくると、食べることができる物の種類が減ってきます。今回は国民健康・栄養調査に基づいて、その実態をご紹介します。
国民健康栄養調査の結果
およそ20本以上の歯があればほとんどの食品を食べることができますが、それを下回ってくるとフランスパンやたくあんなどの、硬い食べ物を食べ難くなります。そして歯が5本以下にまで減少すると、うどんやバナナなどの柔らかい物しか食べられなくなってしまうのです。2013年の国民健康・栄養調査によると、20歳以上で歯が20本以上ある人の91.7%で、なんでも噛んで食べられると回答しています。その一方で1~19本の人は、50.4%に留まっています。食べ物が噛めるということは、おいしく食事を取ることができることの基本であり、それが健康的な生活につながっていきます。健康的な生活を長く続けるためにも、歯の健康を保ち続けることが重要なのです。歯の本数と各種栄養素の摂取量との関係
2019年の国民健康・栄養調査参加者のうちで、栄養素等摂取状況及び歯の本数データに欠損のない、40歳以上の4020名(男性1,867名、女性2,153名)を対象にした結果がでています。それによると、歯の本数が20本以上の人と比較すると、19本以下の人では、タンパク質、ミネラル、ビタミンなどの各種栄養素の摂取量が、また食品別では野菜類、肉類の摂取が少なくなっていました。一方、歯の本数が19本以下の40歳代男性では、炭水化物の摂取量が多くなっています。このように歯の本数が少ないと、エネルギーや各種栄養素が適切に摂取できていないことが示唆されています。歯の本数と味覚の関係
55歳~75歳1,518人を対象にした調査によると、「食事がおいしい」と感じている人は平均20本の歯が残っていました。それに対し、「食事がおいしくない」と感じている人では平均11本の歯しか残っていませんでした。このように、歯が抜けるということは食べられる物が限られるようになるだけでなく、食事自体もおいしく感じなくなるという調査結果がでているのです。たくさんの種類の食べ物から栄養をきちんと取り入れると共に、おいしさを実感するためにも歯はとても大切ですから、しっかりとケアして、健康な歯を保ちましょう。入れ歯なしでも食べれる理由
ごく稀ですが、歯が一本もなく入れ歯もなしで、不自由なく食事を摂れる人がいます。このような人はどうやって咀嚼しているでしょうか。入れ歯なしでの咀嚼
歯が一本もなく入れ歯もなしで、モグモグと口を動かして食事をしている風景を見ると、あたかも食べ物を歯茎で噛んでいるように見えます。しかし実際は、歯がないので噛んでいるのではなく、舌で食べ物を上あごにこすりつけて潰して食べているのです。認知症での危険性
健康な時は不自由がないので、入れ歯の必要はないのですが、認知機能が低下してくると大きな問題が起こります。それは、お口の中に食べ物を詰め込み、飲み込まずにため込んでしまうことがあります。軽いうちは、飲み込みに時間がかかる程度ですが、ひどくなると飲み込む前にどんどんと食べ物を口の中に入れてしまいます。このような場合は、窒息の危険性があるので、食事の時は誰かが見守るか、または、介助する必要があります。食事介助のコツ
スプーンの使い方
スプーンを使って食事介助をする時は、食べ物を乗せたスプーンをいきなり口の中に入れずに、要介護者の下唇にスプーンを一度触れさせましょう。これにより相手は食べ物が口の中に入ってきたことを理解できるのです。そのあと、上唇で食べ物を取り込んでもらうようにして、口の中に運ばれたことを確認してから、ゆっくりと水平にスプーンを引き抜いて一口が完了します。介助者のポジション
右利きの要介護者の場合、介助者は右側から、左利きなら左側から介助するのが基本です。右利きの人が右手で箸やスプーンを使って、右側から食べ物を口に入れて食べるのと同様に、食事介助の場合も要介護者の右側から口に運ぶようにしましょう。もし、逆側から食べ物を口に入れると、咀嚼や嚥下機能に誤作動が起こって、誤嚥する危険性があるので注意してください。 いかがでしたか、8020を達成している人は、達成できなかった人に比べて、食べることだけでなく日常生活の行動も、楽しいと感じている人が多くなっています。いつまでもイキイキした生活が送れるように、歯のケアをしっかり行ってください。監修者情報
公開日:2023年07月10日

芦屋M&S歯科・矯正クリニックのWebサイトにようこそお越しくださいました。
平成15年の開設以来、芦屋市周辺の皆様のお口の健康維持のために日々診療しています。
当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
なかでも得意としているのは矯正歯科です。日本矯正歯科協会に所属する矯正歯科の専門医が小児矯正にも成人矯正にも対応し、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)認定ドクターも在籍しています。
専門的な矯正歯科と一般歯科を並行してご提供して、総合的な口腔ケアをおこなう歯科医院です。
院内は衛生管理の徹底により安心して診療を受けていただけます。そして患者様目線を大切に、家族を診ているような丁寧で痛みをできるだけ抑えた治療をご提供します。
予防にも力を入れ、長い目で見たお口全体の健康維持をサポートしますので、気になることは何でもお気軽にご相談ください。