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コラム
掌蹠膿疱症と歯周病の関係について
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に、水ぶくれやうみが溜まる症状に悩まされる病気です。通常は皮膚病として診断されますが、掌蹠膿疱症は歯周病との関連が指摘されています。今回は歯周病治療が他の持病の改善にもつながるということを紹介します。
手のひら、足の裏の症状
特長的な症状は、小さな水ぶくれ(水疱)からできる膿疱です。でき始めはかゆみを伴うことが多く、しばらくすると膿疱が渇いて茶色っぽいかさぶたができて、剥がれ落ちます。周りの皮膚にも炎症がおよんで赤くなり【紅斑(こうはん)】、表面の角層(かくそう)が浮いてカサカサになります【鱗屑(りんせつ)】。角層が積み重なって厚くなると、歩くたびにひび割れて痛みを生じます。膿疱は次々に出る場合と、良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返す場合があります。手のひらや足の裏以外に、すねや肘、膝、頭、おしりなどにカサカサした紅斑がでることがあり、「掌蹠外病変(しょうせきがいびょうへん)」と呼ばれます。
爪の症状
爪に掌蹠膿疱症の症状があらわれると、爪の下に膿疱や凹みができたり、爪の変形や、爪が剝れて浮いてきたり、爪の下が厚くなって盛り上がってきます。
骨や関節の症状(掌蹠膿疱症性骨関節炎)
掌蹠膿疱症の重要な合併症として、骨と骨や、骨と腱がくっ付き合う部分【関節や付着部】や、骨そのものに炎症がおきて激しい痛みを伴う「掌蹠膿疱症性骨関節炎」があります。特徴的部位として、胸骨と鎖骨、胸骨と一番上の肋骨、上下の胸骨の結合部に起きることが多いです。首の付け根から胸に突然激痛が走るので、心筋梗塞や狭心症と間違えられることがあります。また、背骨や腰の骨、手足の骨に炎症が生じることがあり、患者さん自身の判断でただの腰痛と勘違いすることもあります。
歯周炎、扁桃炎、副鼻腔炎、上咽頭炎などの病巣感染が疑われる場合は、その治療が行われます。これらの炎症は自覚症状のないことが多く、通常では治療対象になりませんが、掌蹠膿疱症の症状発現や悪化に関連していると考えられます。例えば、風邪をひくと膿疱ができたり関節が痛くなった経験があるなら、主治医に伝えてください。咽頭・扁桃炎との関与が考えられる場合は扁桃腺の摘出、歯の根元や周囲の歯周炎などが見つかった場合は歯科治療を行えば症状が良くなったり、治ったりする場合があります。
禁煙
喫煙は掌蹠膿疱症の発症、増悪因子と考えられます。歯周炎の悪化因子であることもあり、禁煙することは重要です。禁煙外来などを活用して、禁煙にチャレンジしてみてください。
歯の詰め物の除去
歯の詰め物の金属を除去すると掌蹠膿疱症の症状が良くなることがあります。ただし、それだけで症状が良くなる例は少なく、歯の根っこや周囲に潜む無症状の歯周炎(歯性病巣)の治療を同時に行う場合があります。金属アレルギーの有無を調べる場合は、パッチテストを行って陽性となる金属が使われているかだけでなく、金属を含有する食べ物を摂り過ぎていないかなどを含めて、総合判断されます。 いかがでしたか、皮膚の病気と口腔内の病気では、一見関係がないように思えるかもしれません。しかし、口の中の金属をすべてセラミックやプラスチックに変えることや、歯周病治療を行うことで、掌蹠膿疱症が改善したという報告があります。口腔内の細菌や口内の金属から溶出したイオンが血管を通じて全身へ巡り、何らかの影響を与えている可能性は十分考えられています。お口の中に掌蹠膿疱症を改善するヒントがあるかもしれないので、一度、歯医者さんで検診を受けて、適切な処置を受けてみてください。
掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症の症状
主に手のひらと足の裏に、水疱や膿疱などの病変があらわれます。他では、すねや膝、肘、頭などに症状があらわれることがあります。また、爪の変形や、骨や関節が痛んだりすることもあります。手のひら、足の裏の症状
特長的な症状は、小さな水ぶくれ(水疱)からできる膿疱です。でき始めはかゆみを伴うことが多く、しばらくすると膿疱が渇いて茶色っぽいかさぶたができて、剥がれ落ちます。周りの皮膚にも炎症がおよんで赤くなり【紅斑(こうはん)】、表面の角層(かくそう)が浮いてカサカサになります【鱗屑(りんせつ)】。角層が積み重なって厚くなると、歩くたびにひび割れて痛みを生じます。膿疱は次々に出る場合と、良くなったり悪くなったりを周期的に繰り返す場合があります。手のひらや足の裏以外に、すねや肘、膝、頭、おしりなどにカサカサした紅斑がでることがあり、「掌蹠外病変(しょうせきがいびょうへん)」と呼ばれます。
爪の症状
爪に掌蹠膿疱症の症状があらわれると、爪の下に膿疱や凹みができたり、爪の変形や、爪が剝れて浮いてきたり、爪の下が厚くなって盛り上がってきます。
骨や関節の症状(掌蹠膿疱症性骨関節炎)
掌蹠膿疱症の重要な合併症として、骨と骨や、骨と腱がくっ付き合う部分【関節や付着部】や、骨そのものに炎症がおきて激しい痛みを伴う「掌蹠膿疱症性骨関節炎」があります。特徴的部位として、胸骨と鎖骨、胸骨と一番上の肋骨、上下の胸骨の結合部に起きることが多いです。首の付け根から胸に突然激痛が走るので、心筋梗塞や狭心症と間違えられることがあります。また、背骨や腰の骨、手足の骨に炎症が生じることがあり、患者さん自身の判断でただの腰痛と勘違いすることもあります。
掌蹠膿疱症の原因
掌蹠膿疱症の原因は解明されていない部分も多くありますが、喫煙、症状が感じられない程度の扁桃炎や歯周炎【病巣感染】、頑固な便秘や過敏性腸症候群、金属アレルギーなどが発症に深く関わっている例が多く、ストレスをきっかけとして始まるようです。喫煙
掌蹠膿疱症の患者さんの喫煙率は、約80%と非常に高いのが特徴です。喫煙が発症にどのように関わっているかは不明な点は多いですが、禁煙のみで治ることは稀ですが、症状が軽くなったり、治療効果の向上が見られます。喫煙が「ILー17」などの炎症物質の産生を増加させたり、歯周炎などの他の因子を悪化させたりなど、何らかのかたちで関わっていると考えられています。病巣感染(扁桃炎や歯周炎など)
体のどこかに慢性の炎症がある場合は、これを引き金として体の別の部位に別の病気を引き起こすことがあります(病巣感染)。掌蹠膿疱症は、病巣感染が深く関わる代表的な疾患で、無症状の扁桃炎(病巣扁桃)、歯の根っこや周囲に潜む無症状の歯周炎(歯性病巣)、慢性副鼻腔炎、上咽頭炎など、通常なら治療の必要がないような状態が、掌蹠膿疱症の発症や持続につながることがあると考えられています。金属アレルギー
歯科金属などによる金属アレルギーとの関連も指摘されています。ただ、単に歯科金属の除去だけでは良くならない場合も多く、歯性病巣の治療と同時に行う場合もあります。掌蹠膿疱症の治療法
掌蹠膿疱症の原因は解明されていないことも多くありますが、歯周炎や扁桃炎などの感染症病巣感染がきっかけとなって発症する例がみられます。そのため、皮膚科に限らず、歯科や歯科口腔外科、耳鼻咽喉科の医師と連携して治療することがあります。また、喫煙は注意するべき悪化因子であると考えられ、禁煙することも大切です。悪化因子の除去
病巣感染の治療歯周炎、扁桃炎、副鼻腔炎、上咽頭炎などの病巣感染が疑われる場合は、その治療が行われます。これらの炎症は自覚症状のないことが多く、通常では治療対象になりませんが、掌蹠膿疱症の症状発現や悪化に関連していると考えられます。例えば、風邪をひくと膿疱ができたり関節が痛くなった経験があるなら、主治医に伝えてください。咽頭・扁桃炎との関与が考えられる場合は扁桃腺の摘出、歯の根元や周囲の歯周炎などが見つかった場合は歯科治療を行えば症状が良くなったり、治ったりする場合があります。
禁煙
喫煙は掌蹠膿疱症の発症、増悪因子と考えられます。歯周炎の悪化因子であることもあり、禁煙することは重要です。禁煙外来などを活用して、禁煙にチャレンジしてみてください。
歯の詰め物の除去
歯の詰め物の金属を除去すると掌蹠膿疱症の症状が良くなることがあります。ただし、それだけで症状が良くなる例は少なく、歯の根っこや周囲に潜む無症状の歯周炎(歯性病巣)の治療を同時に行う場合があります。金属アレルギーの有無を調べる場合は、パッチテストを行って陽性となる金属が使われているかだけでなく、金属を含有する食べ物を摂り過ぎていないかなどを含めて、総合判断されます。 いかがでしたか、皮膚の病気と口腔内の病気では、一見関係がないように思えるかもしれません。しかし、口の中の金属をすべてセラミックやプラスチックに変えることや、歯周病治療を行うことで、掌蹠膿疱症が改善したという報告があります。口腔内の細菌や口内の金属から溶出したイオンが血管を通じて全身へ巡り、何らかの影響を与えている可能性は十分考えられています。お口の中に掌蹠膿疱症を改善するヒントがあるかもしれないので、一度、歯医者さんで検診を受けて、適切な処置を受けてみてください。
監修者情報
公開日:2023年07月10日
芦屋M&S歯科・矯正クリニックのWebサイトにようこそお越しくださいました。
平成15年の開設以来、芦屋市周辺の皆様のお口の健康維持のために日々診療しています。
当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
なかでも得意としているのは矯正歯科です。日本矯正歯科協会に所属する矯正歯科の専門医が小児矯正にも成人矯正にも対応し、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)認定ドクターも在籍しています。
専門的な矯正歯科と一般歯科を並行してご提供して、総合的な口腔ケアをおこなう歯科医院です。
院内は衛生管理の徹底により安心して診療を受けていただけます。そして患者様目線を大切に、家族を診ているような丁寧で痛みをできるだけ抑えた治療をご提供します。
予防にも力を入れ、長い目で見たお口全体の健康維持をサポートしますので、気になることは何でもお気軽にご相談ください。