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コラム
ロイテリ菌の虫歯予防効果
皆さんは、ロイテリ菌をご存じですか? 虫歯の予防や歯周病、口臭の改善に効果があると話題になっています。ここでは、そんなロイテリ菌の効果や効能、副作用などについてご紹介します。
ロイテリ菌とは
ロイテリ菌は、1980年代にアンデス山中のペルー人女性の母乳から発見された、ヒト由来の乳酸菌です。正式にはラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)といいます。ロイテリ菌は母乳だけでなく、口腔内や胃腸などにも存在する善玉菌です。ただ、善玉菌のほとんどは外から摂取するので、生きたまま腸に届かず、体外に排出されて腸内に定着しにくいのが難点でした。それに比べてロイテリ菌は、元々ヒトの体内にいる菌なので、胃酸や胆汁に強く、他の善玉菌に比べても生命力が強く、消化管にも定着し易いのが特徴です。腸に届くと、「ロイテリン」という抗菌物質を出して、歯周病菌やピロリ菌、口臭の原因菌などの悪玉菌を抑制します。ロイテリ菌の効果・効能
90年代から始まったロイテリ菌の効能・効果の研究は、いろんな研究機関で臨床実験が実施され、多くの論文が発表されました。今では、優れた善玉菌を体内に取り入れて病気を予防する「バクテリアテラピー」が採用され、中でも人体に有益なものとしてロイテリ菌が推奨されているのです。虫歯・歯周病の予防
予防歯科の先進国スウェーデンでは、早くからロイテリ菌を用いたバクテリアテラピーを取り入れて、虫歯菌や歯周病菌の増殖予防に役立て、虫歯や歯周病になりにくい口内環境を作っています。ピロリ菌の抑制
ロイテリ菌が作り出す抗菌物質のロイテリンは、ピロリ菌を除菌する働きがあります。胃酸を抑える薬とロイテリ菌の組み合わせ治療の結果、60%の患者のピロリ菌感染を抑制できたと報告されています。ピロリ菌
胃の粘膜にすみつき、長さ4ミクロン(4/1000㎜)の本体が2,3回緩やかに右巻きにねじれて、一端には「べん毛」と呼ばれる細長いしっぽが4~8本ついていて、くるくる回しながら活発に動き回っています。強い胃酸のせいで胃には細菌がいないと、昔は考えられていました。でもピロリ菌がだす「ウレアーゼ」という酵素が、胃の中の尿素を分解してアンモニアを作ります。そのアルカリ性のアンモニアがピロリ菌のまわりの胃酸を中和するので、胃の中でも生息できるのです。ピロリ菌の多くは子どもの頃に感染し、胃に炎症を起こしますが、ほとんどの場合、自覚症状はありません。感染が長く続くと、胃の粘膜全体に広がって慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)になり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎、その一部が胃がんにまで進展することがあります。免疫力の強化
ロイテリ菌は生きたまま腸まで届き、免疫細胞に働きかけて、免疫機能をコントロールします。免疫力を高めれば、病気になりにくい身体を作ることができます。腸内環境を良くします
- 過敏性腸症候群に効果的で、おならの回数が減ります
- 幼児の慢性便秘に対しては、排便回数が増えます
- HIV感染患者の腸管異常に対しては、下痢の期間が短縮します
- 機能性腹痛(FAP)に対しては、腹痛が減ります
ロイテリ菌の副作用
基本的に幼児から老人、妊婦まで、適量の摂取なら、ロイテリ菌は高い安全性が認められています。乳酸菌を摂り過ぎても、便から排出されるだけなので、基本的に摂取しすぎによる害はないとされています。ただ、ロイテリ菌の入ったヨーグルトなどを大量に摂取すると、 お腹がゴロゴロしたり、腹痛や下痢、軟便、また、糖尿病や虫歯になる可能性もあります。また、乳製品に含まれることが多いので、乳製品アレルギーの方は注意が必要です。重症の場合は、アナフィラキシーショックやじんましんなどを発生する可能性があります。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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