芦屋の歯医者なら芦屋M&S歯科・矯正クリニック

医療機関で受ける診療には歯科に限らず、医療保険が適用される保険診療と、全額が自己負担となる自費診療があります。歯科では矯正治療やインプラントなど、自費診療の多い診療科目があり、むし歯の診療でも詰め物の素材によっては自費診療になるものがあります。今回は歯科診療における保険適用範囲や自費診療のメリットなどについてご紹介します。 ※印については、以前に述べたブログ＃の項目を参照してください。

歯科診療保険の仕組み

歯科診療で保険適用できるのは、保険で認められた手順・方法・材料を用いた場合と定められています。それ以外の治療を受ける場合は、差額又は全額を自己負担することになっています。

歯科診療における3つのケース

保険診療 健康保険で認められた材料、技術で行う治療 自費診療 全額が自己負担となる治療 保険診療と自費診療の併用 健康保険で認められたものと、その材料との差額を自己負担します。

保険診療と自費診療の相違

治療にかかる費用

保険診療 自治体にもよりますが、6歳～70歳未満での治療費は、基本的に3割負担となっています。使われる材料も比較的安価なため、その分費用が抑えられています。 自費診療 全額自己負担になる場合が多いので、高価な素材を使った治療が行え、保険診療よりも費用が高くなります。

治療に用いる材料

保険診療 一定水準には達していますが、使用する材料が決められています。 自費診療 材料に制限されることがなく、より高い強度なものや審美性を持った材料が使用できます。

治療にかける時間

保険診療 どの歯科医院でも同程度の治療内容が行えますが、治療にかける時間も定められています。また、一度に行える診療行為や一連の治療ステップも決められているので、来院回数が多くなる傾向にあります。 自費診療 時間に制限されないので、医師や患者が納得のいく診療が行えます。

保険診療と自費診療のメリット・デメリット

保険診療

メリット 自費診療より費用が抑えられ、全国どこの歯科医院でも同様の治療が受けられます。 デメリット 保険診療の目的は痛みをとる、ものを噛めるようにするなど、必要最低限度の治療に限定され、材料や治療方法などに制限があります。場合によっては、ベストの治療が受けられないこともあります。尚、すでに発生した症状に対する対処治療が多く、予防的措置が適応されるものは多くありません。

自費診療

メリット 最新の素材や技術による治療が受けられるので、気密性、精密性、見た目にも優れ、長期にわたって使用が可能な被せ物が作られます。精密性が高いので、被せ物の下に菌が入り込みにくく、むし歯ができにくいなどの大きなメリットがあります。 デメリット 保険診療より治療費は高くなり、歯科医院によっても料金が変わります。尚、むし歯治療や矯正治療、インプラント治療などの自費診療では、医療費控除の対象となるケースがあります。ただし、美容目的による歯科治療は対象外となっています。また、前歯、又は総入れ歯の床部分に自費診療の素材を使った場合は、保険診療の素材との差額分のみが自己負担となることがあります。

医療費控除について

患者本人と同一世帯の家族の総治療費が年間で10万円を超えた場合は、税務署へ確定申告をすることで医療費控除が受けられます。

保険適用範囲の治療

むし歯治療

・銀歯やプラスチックの白い詰め物（レジン）、入れ歯、ブリッジ ・上下左右の7番目の歯が4本残っている、食いしばりがないなどの条件を満たしていれば、上下5番目の歯、及び上顎の6番目の歯を保険適用内で白い素材のブリッジが入れられる場合があります。条件を満たしていなければ、銀歯となります。 ・金属アレルギーの方は診断書を提出することで、7番目の歯も保険適用内で白い被せ物が可能となっています。

歯周病治療

・基本的に、歯周病に関する治療は保険診療となります。 ・初期歯周病に対する歯石除去、歯周病の治療経過観察を目的としたクリーニング。 ・歯周病に関する手術、治療後の基本的メンテナンス。 ・ただし、歯周組織再生療法（※２）で特殊な材料を使った場合は、自由診療となります。 ※2－#22歯周組織再生療法について

保険適用されない診療

予防歯科

・予防歯科では、歯についた歯垢や歯石を除去して、むし歯や歯周病の予防を行います。 ・むし歯などの症状がない方へのフッ素塗布、むし歯菌の検査。 ・ただし、2020年4月の診療報酬改定により、初期徴候がある場合の予防的措置には保険が適用されます。

矯正治療

・正常な咀嚼機能を取り戻すことを一番の目的とし、多くは自費診療となっていますが、顎変形症の手術前後など、治療を伴うものには保険が適用される場合もあります。

インプラント

・失われた歯の代わりに人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付けます。人工歯根部分はチタンという人体との親和性が高い金属で造られ、自分の歯と同じように噛むことができます。

一部の詰め物や被せ物

・むし歯治療で前歯又は総入れ歯以外に、保険適用外の材料を使った場合、材料費と技術料は自己負担となります。 ・大きな虫歯や、目立つ場所にある虫歯の場合は、ジルコニアやオールセラミックなどの自費診療を選択する方が増えています。 いかがでしたか、最近は見た目などの問題から、自費診療でジルコニアやオールセラミックを選ぶ方が増えていますが、その分費用はかかります。その治療費用を抑えるためにも、定期的に歯科医院を受診して、予防や早期発見につなげることが大事なのです。