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コラム
まだ抜かなくて済むかも!根管治療って何?
虫歯予防の方法として、歯磨き以外には「フッ素」がよく知られています。小児の虫歯予防には欠かせないものになってきましたが、最近、個性派俳優Eを使って、高濃度フッ化物配合の薬用歯磨きの大々的宣伝を行っています。今回はフッ素についての正しい知識をご紹介します。
根管治療とは
歯の根の管を根管(こんかん)といい、通常、根管の中には神経がありますが、虫歯が進行して神経まで達すると痛みが強くなり、根管内の神経を取り除く必要が出てきます。そこで、神経を取り去った後、根管内を消毒して薬を詰め、細菌が入り込まないように処置します。これを根管治療といいます。根管治療が必要な症状
虫歯の痛みが強い時
虫歯が進行して神経まで達すると、しみたり強い痛みが出てきます。痛みを取るためには歯に麻酔をかけ、神経を取る必要があります(抜髄)。抜髄後、根管治療として根の中を消毒します。歯が痛い時にやってはいけないこと
痛い歯をいじる
中枢が麻痺して、一時的には痛みを忘れますが、血液の循環が良くなるので、その後強い痛みに襲われてしまいます。アルコールを飲む
中枢が麻痺して、一時的には痛みを忘れますが、血液の循環が良くなるので、その後強い痛みに襲われてしまいます。熱い風呂に入ったり、激しい運動をする
血圧が上昇すると、痛みのある歯の血液の循環が良くなり、血流で神経を圧迫して、痛みが強くなってしまいます。体が温まっても同じように痛みが増します。 神経が死んでいると、噛んだ時に痛みが出る 虫歯が進行して、神経が死んで腐ってしまうと、その細菌が根の先まで達して、噛んだ時に痛みが出ます。歯の根の先に膿が溜まった時
神経が死んで時間が経つと根の先には歯根嚢胞(しこんのうほう)という膿の袋が出来ます。症状が出難いので、レントゲン撮影で見つかることが多いようです。放置して大きくなると、腫れや痛みが出てきます。歯根嚢胞の原因は根の中の細菌ですから、根管治療を行って、根の中を消毒する必要があります。歯の根の先に膿が溜まった時
歯の根の先に膿が溜まって、歯茎に白い膿のできものが出来ます。歯茎が腫れて痛みが出た時
根の先に膿が溜まっていると、疲労などで体の抵抗力が弱っていた時に、膿が急性化し歯茎が腫れて痛みが出ることがあります。根管治療の方法
細菌で汚染された根の中を針金のようなやすり(ファイル)でこすり落として、根の中を消毒し、薬で密閉して細菌の住むところを無くします。少しでも細菌に侵された根が残っていると、そこからまた細菌が増えて、いつまでも痛みが取れなかったり、再発を繰り返すことになります。歯の神経を取り残さない
歯の神経の管は歯によっても、人によってもその数が異なります。歯の神経治療ではこの管を一本でも見逃すと痛みの原因になります。神経の管は前歯と小臼歯で1~2本、大臼歯は1~4本あり、この一本一本を丁寧に消毒します。根の中の形を整える
歯の神経の管は、三角形や楕円形、樋、二股など、丸い形とは限らず、大変複雑な形状をしています。この複雑な根の中を小さな入り口から消毒して、薬が入り易いように形を整える必要があるのです。薬を緊密に入れる
神経がなくなった歯は、管の中に空気が入ると痛みや再感染をし易くなるので、歯の神経の管を消毒後、ガッタパーチャというゴムのような薬を緊密に詰め込んで、細菌の住みかとなる場所をなくすのです。レントゲンで確認
薬を入れた後は、根の先までちゃんと薬が入っているかどうかを、レントゲンで確認します。途中までしか薬が入っていなかったり、空気が入っていると痛みや再感染を起こすことがあるので、もう一度入れ直すことになります。メリット・デメリット
メリット
抜歯をしないで、自分の歯を残せること
根管治療の後は型取りを行って、セラミッククラウンなどの被せ物を装着して、物を噛む機能を修復するので、自分の歯を残すことが出来ます。痛みの感覚がなくなる
炎症が神経まで達していると、脈を打つような痛みや飛び上がるような痛みに襲われますが、抜髄の処置を受けると、痛みは嘘のようになくなります。デメリット
歯が脆くなる
歯髄には神経以外に血管も通っていて、歯に栄養を与えますが、歯の神経を取り除くことで、歯に栄養分が届けられず、枯れ木のようになってしまいます。栄養不足で歯が脆くなり、硬い物を噛んだ時に歯が割れたり、その分、歯の寿命も短くなります。異常を自覚できない
痛みを感じるとは異常を感じ取ることですが、歯の神経を失うと虫歯などの痛みを感じないので、自覚症状を感じることがほとんどなくなります。気が付いた時には、被せ物の中に虫歯が広がっていて、治療が大掛かりになる恐れがあります。治療回数が増えて、治療費がかさばる
根の中をすっかりきれいにする必要があるので、通院回数が増え、治療費がかかります。治療を途中で中断すると、まだ残っていた細菌がまた増殖しだすので、いつまでたっても根管治療が終わらず、その分、時間も費用も増えて行きます。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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