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コラム
虫歯・歯周病治療で時間を要するケース
通常、歯の治療というものは回数や時間が多くかかる傾向にあります。まず最初に腫れや痛みなど、不快な症状の原因部分を治します。その後、被せ物や入れ歯を使って、噛む機能や前歯などの見た目を考慮した審美性を再現します。このように2本立ての治療が必要となります。しかし中には、もっと治療期間が長くかかることもあります。今回は、できれば避けたい、治療期間が長くなるケースについて、ご紹介します。
抜歯が必要な場合は治療期間が短い
虫歯が酷くなって溶けていたり、グラグラしているのが気にはなっていたが、歯医者に行けば治療期間が長くかかりそうで、仕事が忙しい今はとても行けないからと、そのままに放っている方は多いようです。しかし、実は治療で改善が難しいほどの末期のむし歯や歯周病の場合は、かえって治療期間は短くて済むのです。それは「抜歯」が治療のメインになるので、歯を修復して再利用する治療法に比べて、早く治療が完了するためです。抜歯治療は最終手段ですから、1回で1本、または数本まとめて抜歯できるケースもあり、治療して治すよりも手間と時間がかかりません。歯の状態が酷過ぎる場合は早期に解決することもできるので、他の歯に影響が出る前に、先ず歯科医院を訪ねて相談してください。治療期間の長びくケース
神経を取った歯の症状再発による再治療
歯の根の病気で多い症状は、歯と少し離れた歯茎にオデキのように、膨らんだり引っ込んだりを繰り返す場合です。臨床経験では、以前に一度歯の神経を取る治療などを行った場合が多いようです。歯の神経というものは根の中で複雑に入り組んでおり、どれだけ消毒と洗浄を行って根管治療を行ったとしても、ある一定の確率で少しずつ炎症を起こしてしまうことがあります。この場合は、治療後数年から数十年もかけてゆっくり炎症が起き、オデキのようになることがあります。治療に際しては、被せ物や詰め物を全て取り除き、歯の内部のごくわずかな汚れた部分を発見するのは非常に困難なので、それをきれいにする再治療の難易度は高まります。尚、初めて歯の神経を抜く治療の方が、治療期間も短く、術後の成功率も高い傾向にあります。歯周病とむし歯が進行した歯
初期の歯周病なら歯石を取り除くだけで、比較的簡単に治癒します。むし歯も同様に初期であれば、小さな詰め物だけで完了します。しかし、ある条件を超えると急速に治療回数が増える傾向にあります。以下がその目安となる状態です。歯ぐきを押すと白い膿が出る歯周病
指で押すと歯の周囲から白い膿が出る状態です。これはすでに歯石が歯周ポケットと呼ばれる溝の奥の方に入り込んでいるケースが多くなっています。特に奥歯は根が3本に枝分かれしていることが多く、その分岐部分にある歯石の除去には時間がかかります。ズキズキ痛むようなむし歯
歯の神経にまでむし歯が達している可能性が高くなります。むし歯の治療においては、歯の神経を治療するかどうかによって、治療回数が大きく変わってきます。更に、むし歯と歯周病の両方共が、このボーダーラインを超えると、それだけ治療が長引くことになります。むし歯や歯周病の本数が多い
治療本数が多ければ多いほど、治療時間と回数は増えていきます。歯は上下合計28本あり、その内、治療の必要な歯が10本ある場合、単純に1本当り5回の治療が必要とすると、50回もの治療回数が必要となってしまいます。これは週1度の治療で、約1年かかる計算になってしまいます。また、歯を残す、保存しようとすればするほど、必要な工程が増え、治療回数や時間が増えてきます。従って、歯の治療で回数や時間を最小限にするには、早期発見・早期治療が大切です。かかりつけ歯科医院で、定期的に検診・チェックを受けることで、大きなトラブルとなる前に治療することができます。むし歯や歯周病が原因で、骨髄炎までに進行した炎症
骨髄炎は、むし歯や歯周病の細菌が骨にまで感染した状態です。通常、むし歯や歯周病の細菌が歯の表面や内部まで増殖すると、骨は溶けるなどして骨への感染が起きないように防御します。これにより歯を抜歯するだけで、それ以上の感染を起こさずに治癒へと向かいます。しかし、ブリッジなどの土台の歯においては、強い炎症が起きていても、抜歯を引き延ばしている状態が多く見受けられます。それを数ヶ月から数年間も我慢し続けた末に、ついに腫れや痛みに耐えきれず受診した結果、抜歯となるケースがあります。このような状態まで放置してしまうと、たとえ歯を抜いたとしてもその周囲の骨が炎症を起こした状態(骨髄炎)となり、抜歯した穴から膿が出続け、いつまでも痛みが改善されません。この場合、抜歯だけでは治らず、感染した部分の骨を外科的に除去する手術を行ったり、細菌を殺すために抗生物質の服用など、完治まで数ヶ月から数年かかることもよくあります。 いかがでしたか、歯が少し変だなと感じた時は、まず歯科医院を受診し、早期発見・早期治療することが第一です。そして、日常的なケアと定期検診を習慣づけることが、結果的に歯科に通う時間を短縮することに繋がるのです。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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