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コラム
虫歯菌を減らす方法
生まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌(ミュータンス菌)がいないのですが、親の唾液を介して感染してしまいます。でも、一度赤ちゃんの歯に住み着いたミュータンス菌の数は減らすことができないと云われています。ここでは、ミュータンス菌をコントロールして虫歯のリスクを減らす方法を紹介します。
虫歯菌とは
ミュータンス菌
虫歯菌の正式名称は、「ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)」といって、大きさ約1μm(マイクロメートル、1/1000㎜)の球状の極小の菌です。口の中にいる口腔連鎖球菌の一種で、つながって増えていきます。虫歯菌と呼ばれる理由
歯の面に強く付着して、歯垢を作り易い:ミュータンス菌は、水に溶けない「グルタン」というネバついた物質を作って、細菌を歯の表面に留めて塊となり、歯垢を形成します。 ・酸を作る能力が高い:ミュータンス菌は周りにある糖を体の中に蓄え、無くなると体の中の糖を分解して酸を作り出すのです。 ・酸性の環境に強い:酸を作ると周りが酸性になって行きますが、ミュータンス菌は酸性の環境に弱まることなく、酸を出し続けます。赤ちゃんにうつるミュータンス菌
元々、生まれたばかりの赤ちゃんにはなかったミュータンス菌が、親から子どもにうつるのは、親の唾液が原因です。同じスプーンを使うなどして、ミュータンス菌が移って行くのです。特にミュータンス菌が生育できる硬い組織の歯が生えてくる、生後1歳半から2歳半頃までの間は、注意が必要になります。ラクトバチルス菌
食後の食べかすなどが歯に付着し、歯磨きをせずに放置しておくと、歯に残った糖分を分解するためにミュータンス菌が働き、酸を分泌するのです。これによって歯のエナメル質が溶けて虫歯になり、ラクトバチルス菌は、そこに定着して虫歯を悪化させます。ただ、ラクトバチラス菌は腸内で体に良い影響をもたらす「善玉菌」に分類されるので、しっかり歯磨きをすることが大切です。乳酸菌シロタ株(L.カゼイYIT9029)
胃酸や胆汁などの酸に強い特徴を持つ乳酸菌です。腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やし、悪玉菌の大腸菌を減少させて有害物質の生成を抑制します。含まれる商品としては、ヤクルトが有名ですね。乳酸菌1073R-1株
ブルガリア菌の一種で、自然免疫の一種であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)を活性化させる働きがあります。風邪にかかるリスクを減らし、インフルエンザを抑制する効果が見られます。ラクトバチルス・ガセリCP2305株
健康な成人から発見されたヒト由来のガセリ菌の一種です。腸に定着して、自律神経をたどって脳に働きかける特徴があり、整腸作用やストレス緩和の効果が期待できます。ラクトバチルス・ガセリOLL2716株
胃酸や胆汁などの酸に強く、胃の粘膜に付着しやすい特徴があります。胃炎や胃がんの原因になる悪玉菌のピロリ菌を抑制します。ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株
ヒト由来の乳酸菌で、免疫バランスを整える働きがあり、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、花粉症などのいろんなアレルギー症状を緩和させます。虫歯菌を減らす方法
お口の中には300~400種類の菌が存在し、歯磨きをよくしても1000~2000億個もの細菌がいるといわれ、これらがバランスをとって生存していますから、虫歯菌を完全に除菌、死滅させることは不可能です。ただ、以下の方法で虫歯菌を増やさない、減らす努力をすることで、虫歯のリスクを減らせます。糖分の入った飲食物を控える
ラクトバチラス菌は糖分が多いと増えます。糖分はアメ、チョコレート、ジュース、アイス以外にも、炭水化物も口の中で分解され糖に変わります。就寝前の歯磨き
寝ている時は唾液量が減って、虫歯菌が活発になるため、虫歯になり易い時間なのです。寝る前に隅々まで丁寧に磨き、デンタルフロスで歯と歯の間の汚れを取り、虫歯菌の増えるのを抑えます。歯磨きは丁寧に
1日3回デンタルフロスや歯間ブラシを使って、毎食後丁寧に歯磨きするのが理想的です。でもせめて、1日1回、歯の隙間や歯茎の境目を丁寧に磨く習慣を身につけましょう。虫歯菌の住む処を作らない
ラクトバチラス菌はツルツルした歯にはくっつきません。歯垢が溜まりザラザラとした歯や銀歯の隙間で、虫歯を拡大させます。丁寧に歯を磨いて、歯垢を除去したり、銀歯からセラミックに替えるなど、虫歯菌の増殖を減らすことが大切です。年2~3回の歯科検診
歯周病や根尖病巣(歯根の先端に膿が溜まる病気)は、自覚症状が出てからでは手遅れになることが多いのです。定期歯科検診で早く気付けば、治療手段の選択幅が広がることになります。歯科医院でクリーニングしてもらう
3DS除菌治療とは、「Dental Drug Delivery System」の略です。専用のマウスピースに虫歯菌を減らす薬を注入して歯に浸透させて、虫歯菌や歯周病菌を除菌することができます。プラーク(歯垢)の定着を抑えることで、虫歯予防につながります。3DS除菌治療
ラクトバチラス菌は糖分が多いと増えます。糖分はアメ、チョコレート、ジュース、アイス以外にも、炭水化物も口の中で分解され糖に変わります。「フッ化第一スズ」配合のジェルを塗る
「フッ化第一スズ」というフッ素(フッ化ナトリウム)が配合されたジェルを使って、ミュータンス菌を減らします。歯磨き後にジェルを塗って30分程、歯に浸透させます。この間、うがいや飲食を避けましょう。キシリトール100%のガムを噛む
キシリトールはミュータンス菌の働きを弱めるので、食後にキシリトールガムやタブレットを噛んで、虫歯の原因を減らせます。また、ガムを噛めば唾液がでるので、口の中の殺菌効果も得られます。ただ、“キシリトール100%”と表示されていても、微量の糖分が含まれているものがあるので、歯科医師会推奨のものをお勧めします。L8020菌ヨーグルトを食べる
一般財団法人日本食品分析センターの調査により、L8020菌には虫歯菌・歯周病菌・カンジダ菌の抑制作用が実証されています。正式名称:ラクトバチルス・ラムノーザスKO3株。監修者情報
公開日:2023年07月10日
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