芦屋市の大型総合歯科医院、芦屋M&S歯科・矯正クリニック

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コラム

インプラントでの骨移植・骨造成について

インプラント手術では、顎の骨にインプラント体を埋め込むので、土台になる骨の量が足りないと手術することができません。そこで、歯周病や外傷のせいで顎の骨が少なくなっている状態では、インプラント治療を行う必須の治療が、顎の骨を追加する骨移植・骨造成となっています。そこで今回は、インプラント治療における骨移植・骨造成について、紹介しましょう。

インプラント治療において

骨移植・骨造成が必要なケース

骨移植・骨造成が必要なくらい、顎の骨が不足し易いケースは以下の場合です。

ケース1:歯周病の進行

歯周病が進行すると、顎の骨が溶けて少なくなってきます。骨を追加治療することで、インプラント手術を受けることができるようになりますが、あまりに歯周病が進行してしまうと困難になるので、日頃から歯周病のケアを行うことが大切です。

ケース2:欠損した歯の放置

歯が抜けた場所を長期間放置していると、廃用萎縮と呼ばれる症状が起こり、骨が少なくなってしまいます。インプラントをご希望の場合は、歯が抜けたあと適切な時期に治療してもらうことをお勧めします。

ケース3:合っていない入れ歯の使用

自分の歯に合わない入れ歯を、長期使っている場合も注意が必要です。顎の骨が痩せたり、薄くなったりして、インプラント体を埋め込むことができなくなってしまいます。特に入れ歯安定剤の乱用は、顎の骨の吸収を引き起こし易いとされています。現在、入れ歯を使用し、将来的にインプラントを検討している方は、大きさがしっかりと合っているかを確認しておくことも大切です。

インプラント時の骨移植のメリット

骨移植・骨造成のメリットは、骨が足りなくてもインプラント手術が受けられることです。インプラント手術では、顎の骨にドリルで穴をあけて、インプラント体を埋め込むので、骨が足りないと、インプラント体を埋め込むことができないからです。

インプラント時の骨移植のデメリット

デメリット1:追加費用が必要

インプラント手術の費用に加えて、骨移植・骨造成治療の追加費用がかかってしまいます。インプラント治療費30~50万円に加えて、5万円位の追加が必要となります。

デメリット2:治療期間が長引く

骨移植・骨造成の治療期間には6~12ヶ月程の期間が必要で、インプラント治療期間の4ヶ月程に加えて、合計1年程の期間がかかります。長期間、治療や通院で時間を確保する必要があり、仕事や生活に合わせて治療を検討する必要があります。

骨移植・骨造成の方法

GBR法(骨再生誘導法)

骨が足りなくなっている部分に人工骨や自家骨を移植する方法です。メンブレンやチタンメッシュという膜を被せて骨を増生するためのスペースを空けて、骨の再生を図ります。施術後、6~9ヶ月程で骨ができます。どのような部位でも応用が可能ですが、比較的侵襲性が高いので、術後に痛みを伴う場合があります。

ソケットリフト

インプラントを入れるために開けた穴に、人工の骨を入れて骨を足す方法で、上顎で骨が不足している場合にのみ用いられます。人工の骨を入れるのと同時にそのままインプラント体を埋め込みます。他の方法より侵襲性が低く、術後の痛みが少ない治療法です。

サイナスリフト

上顎の奥歯にインプラントを埋入する際に、広範囲に骨が不足している場合に用いられます。ソケットリフトと異なり、側面から歯茎を切開し、インプラントを埋める部分に人工の骨や自分の骨を埋め込みます。6~12ヶ月程で骨ができます。
ソケットリフトと比べ侵襲が大きいので腫れや痛みをともないやすいです。

ボーングラフト

ボーングラフトには2種類あり、自分の骨を移植する自家骨移植と、製品化された人工骨を使う人工骨移植です。自分の下顎や骨盤の骨をブロック状に切り取り、骨が足りない部位へ移植します。移植した骨ブロックは、動かないようスクリューで固定され、4~6ヶ月で歯槽骨と同化し、スクリューを取り除いてから、インプラント体が埋め込まれます。治療する顎の骨の位置や状態によって、次の方法があります。

① ベニアグラフト
骨の厚みが不足している場合に用いられ、骨が足りない部分の側面にスクリューで固定します。主に正面から1~4番目の前歯のインプラントで用いられます。

② オンレーグラフト
骨の高さや厚みが不足している場合に用いられ、移植したい部分を覆うようにブロック骨をスクリューで固定します。主に正面から5~7番目の奥歯のインプラントで用いられます。

自家骨と人工骨の種類

自家骨

・腸骨:骨盤を構成する骨のひとつ
・膝蓋骨:大腿骨に繋がる三角形の骨、人間の体の中で最も大きな種子骨。膝の皿とも呼ばれます。
・下顎枝:下顎骨の一部、下顎体の後端から上後方に伸びている部位。
・上顎結節:上顎最後臼歯の奥の少し膨らんでいる部分。

人工骨

・HA(ヒドロキシアパタイト):リン酸カルシウムでできた成分で、歯や骨を構成する移植材。天然歯の約97%がHAで構成され、骨の誘導因子も含まれているので、外科的手術に広く使われています。
・β―TCP(β―リン酸三カルシウム):主成分がリン酸カルシウムで、骨組織と一体化するのが特徴です。インプラント以外でも、骨腫瘍摘出や骨折などの外傷で欠損した骨の補填として使われます。

異種骨

・天然のウシ由来多孔性骨補填剤:多くの大学で研究・臨床実験で有効性が証明されている、骨伝導に優れた移植材で、骨の再生と成長を促し、必要な骨量を確保できます。

いかがでしたか、インプラントに必要な骨量を確保するための各種移植材にも、それぞれメリット、デメリットがあります。口の中の状態や体の状態、治療後の状態、費用などにより、適した移植材が変わってきます。歯科医師としっかり相談の上、決めてください。