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コラム

歯科で食育

食べ物は「口」を通して「歯」で咀嚼(噛むこと)して、栄養を摂ります。歯が丈夫でなければ、しっかり噛むことができません。食べることは楽しみであり、命を支える上でも大切なことです。今回は、生涯にわたる基本的な営みで、子どもはもちろん大人にとっても重要な「歯に関する食育」についてのお話です。

嚙むことの大切さ

口は健康の入口

口は健康の入口といわれ、お口の中の健康を保つことは、人が健康的に生きていくためにとても大切な心がけといえます。親から「よく噛んで食べなさい」といわれた方も多いでしょうが、「よく噛んで食べる」ことは、思う以上に私たちの健康と密接に繋がっているのです。

噛むことの4つの効果

ものを噛むことの役割は、ただ単に食べ物を細かくして胃に送り込むというだけのものではありません。歯科医の間では以前から、よく噛むことについて以下の4つの効果が認識されています。

4つの効果

・胃腸の働きを助ける:
食べ物をよく噛み砕いて、消化酵素の含まれた唾液と混ぜ合わせて食べることで、胃腸への負担を和らげて働きを活発にし、消化を助ける効果が期待できます。
・歯の病気予防に役立つ:
よく噛むことで唾液の分泌が盛んになります。唾液にはお口の中をきれいにする自浄作用があるので、汚れが溜まって有害な細菌の温床になるのを防ぐことができます。尚、唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素が、有害な細菌と闘うことで、虫歯や歯周病の予防にも繋がります。
・脳の機能を高める:
よく噛むことで脳が刺激され、血行が良くなるので、栄養と酸素が十分に供給されて、脳機能が活発になる効果が期待されます。また、脳が活発に働くことで、集中力や注意力、バランス能力が高く保たれるとされています。これにより転び難くなり、転倒や骨折によって寝たきりになるリスクが軽減され、認知症予防も期待できます。
・肥満防止に役立つ:
しっかり噛んで食べると、食欲抑制のメカニズムが働きます。これによって、食べ過ぎに自然とブレーキがかかり、ダイエット効果による生活習慣病の予防も期待できます。

入れ歯で噛む力は3分の1に

以上の4つの効果に加えて最近注目されているのが、よく噛むことにより「がん予防に役立つのでは」ということです。唾液に含まれる酵素のペルオキシダーゼは、有害な細菌と闘うだけでなく、食べ物の中の発がん物質が作り出す活性酸素を消す作用があると指摘されています。また、よく噛むことで目の周りの筋肉が刺激され、血行が良くなることで視力低下を防ぐことにもつながると考えられています。このように、よく噛むことは私たちの健康に大きく関わっているのです。
よく噛むためには、当然、健康な歯が必要なのですが、虫歯や歯周病などで歯を失って入れ歯にすると、噛む力は3分の1程度にまで低下するといわれています。
健康で丈夫な歯を保つためには、日頃から歯に関心を持って、正しい歯磨きの仕方を身につけ、習慣づけることが大切になっています。また、かかりつけの歯医者さんを定期的に受診して、歯の健康を保つことも大切なのです。

歯を丈夫にする食べ物

口の中は、脱灰と再石灰化をいつも繰り返しています。脱灰は歯が溶けることで、再石灰化は脱灰した歯を唾液が元の健康な状態に戻す現象のことを言います。虫歯は脱灰になった範囲が大きすぎて、再石灰化が追い付かないことで起こります。だから、虫歯を予防するには再石灰化を促進することが大切なのです。歯の原料となる食べ物を積極的に摂ることが、歯の強化に繋がります。

リンが多く含まれる食材

リンを多く含む食べ物を摂ることで、エナメル質を強くすることができます。しかし、加工食品にはリンが多く含まれるため、現代人はリンを摂り過ぎる傾向にあります。リンの摂り過ぎはカルシウムの吸収を妨げますが、カルシウムとリンの摂取量は同じが良いといわれているので、リンの摂取はなるべく加工食品をからではなく、下記の食材から摂りましょう。
・魚類、海藻類、卵黄、乳製品

タンパク質が多く含まれる食材

タンパク質にはカルシウムの吸収を良くする働きがあり、象牙質を作る元として歯の再石灰化を助ける効果があります。
・肉類、魚類、卵、大豆製品、ヨーグルト

間接清掃食品

間接清掃食品とは、口の中をきれいにする食品のことで、唾液が出やすい食べ物のことを言います。梅干しや酢の物、レモンなどを食べることで唾液の分泌が促されます。唾液には再石灰化の他に、虫歯菌が出す酸を抑える効果もあります。

直接清掃食品

直接清掃食品とは、噛む刺激によって唾液が出易くなる、食物繊維が多い食品のことです。ゴボウやニンジン、セロリなど食物繊維がたっぷりの食材をよく噛むことで、唾液が多く循環され歯の表面や粘膜を清掃します。

虫歯になり難いおやつ

市販のおやつを食べるなら、歯にくっつき難く、虫歯になり難いものを選びましょう。

虫歯になる危険度別おやつの選択

・特に低いおやつ:せんべい、クラッカー、スナック菓子、ピーナッツ
砂糖が入らず、カリカリと砕けるので、歯にくっつき難いものです。
・低めのおやつ:バニラアイスクリーム、甘栗、果物、砂糖不使用のビスケット
アイスクリームは砂糖を多く含みますが、口の中ですぐ溶けて、歯にくっつく時間が短いので虫歯にはなり難いです。

いかがでしたか、歯磨きがしっかりできていないと、歯を丈夫にする食べ物を摂っても、その効果が期待できません。お口の状態をよくして歯に良い食べ物を摂ることで、虫歯になり難い強い歯を作ってください。