芦屋市の大型総合歯科医院、芦屋M&S歯科・矯正クリニック

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コラム

災害時に大事な「お口のケア」

9月1日は「防災の日」です。地震や水害、その他、災害に会うことが多くなってきたのが昨今の日本です。災害などの非常時の生活では、健康を維持するために身の回りを清潔に保つことがより重要になってきています。災害時にはライフラインが止まって、水が自由に使えないことも予想され、日頃から清潔に保つための方法や必要なケア用品を確認しておくと安心ですね。今回は、その中でも意外と盲点となっている、普段は生活の一部になっていたはずなのに、疎かになりがちなオーラルケアについての話です。

災害関連死のトップは「呼吸器系病気」

2011年の東日本大震災では、肺炎発症者が例年より多い状態が約3ヶ月続いたと報告されています。また2016年の熊本地震では、避難所生活で病気になったり、持病が悪化したことによる「災害関連死」のトップは、肺炎などの「呼吸器系の病気」によるものでした。

誤嚥性肺炎が発症しやすい

年齢が高まり、飲み込む力(嚥下機能)が弱くなると、食べ物や唾液と一緒に口内の細菌が気管に入ることで、「誤嚥性肺炎」を発症し易くなります。非常時でも普段の生活と同じペースでオーラルケアを行うことが大切です。避難所などでは洗面所の数が少ないケースもあるので、いつも以上にオーラルケアを意識する必要があります。

もしもの時のケア方法

ケア用品の準備

・歯ブラシは非常時に備えて、1人1本
・普段使用しているその他のケア用品(歯間ブラシ、デンタルフロス、入れ歯のケアグッズなど)
・少ない水で済む液体ハミガキ
※非常用持ち出し袋に長期間ケア用品を入れておくと、いざという時に使用期限切れということもあるので、年に1回定期的にメンテナンスしてください。

災害時に備える口腔ケア用品

・歯ブラシ、舌ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス
・ノンアルコールタイプの液体ハミガキ(デンタルリンス)
・ノンアルコールタイプの洗口液(マウスウォッシュ)
・口腔ケア用ウェットティッシュ
・口腔用保湿ジェル
・キシリトール入りのシュガーレスガム
・うがい薬
・リップクリーム
・入れ歯(義歯)ケア用品
・マスク、手袋、コップなど

水不足の時のオーラルケア

水が使いづらい場合は、液体ハミガキや口腔用・入れ歯用のウェットシートが便利です。ケア用品がない場合は、きれいなハンカチや柔らかいキッチンペーパーなどで、口内を拭くだけでも、応急処置的ケアとなります。

歯ブラシがない時
ペットボトルのキャップ1~2杯分の水やお茶を口に含みます。歯と歯の間に水やお茶を通すように意識しながら、舌の上や口の中全体に「クチュ、クチュ」と数回繰り返します。

歯ブラシがある時
少量の水、又は、殺菌剤の入ったノンアルコールタイプの洗口剤をコップに入れて、歯ブラシを濡らして歯を磨きます。歯ブラシが汚れたら、ティッシュなどで汚れを拭き取り、これを歯全体磨くまで繰り返します。磨き終わったら、ペットボトルなどの水で口をすすいでください。

入れ歯のお手入れ

入れ歯はできるだけ毎食後、お手入れをしてください。食器洗い用の中性洗剤でも代用できますが、入れ歯洗浄剤を使った後は、水でしっかり洗い流す必要があります。尚、水が不足している場合は、使い捨ておしぼりや食器洗い用スポンジなどで汚れを拭き取り、構造が複雑な部分入れ歯では、専用ブラシや綿棒なども使って清掃してください。なお、歯茎を休めるために、寝る前は基本的に入れ歯を外しますが、長期間外したままにしておくと、入り難くなることがあるので注意してください。

唾液腺マッサージ

唾液の分泌を促す「唾液腺マッサージ」や、咀嚼や嚥下などの食べる機能を高める「お口の体操」なども大切です。お口の中には唾液を分泌する腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺など)があります。ほおや耳の下、顎の下を手で摩ったり、優しく押したりして動かすことで唾液が出やすくなります。但し、痛みや腫れなどがある場合は無理をしないで、かかりつけ医に相談してください。

避難所での清潔・健康ケア

災害時には、多くの人が出入りする避難所では感染症防止対策が大切です。避難所に入る時は、マスクの着用や手洗い、手指の消毒を徹底してください。お手拭きシートなどでしっかり拭くだけでもケアになり、消毒液や消毒ジェルを活用すれば簡単に清潔になれます。
歯みがきをする時は、家族や周囲の人との時間帯をずらし、ソーシャルディスタンスを保つ必要があります。
歯磨き中は口を結んで、前歯の裏を磨く時は口を手で覆って磨けば、飛沫の防止に繋がります。
歯みがきを終えた後は、洗った歯ブラシは水を切って乾燥させて、一人ひとりで管理することが大切です。
避難所では衛生上のリスクが高まるので、身体を清潔に保って健康に留意することが大事です。

いかがでしたか、災害は突然やってきます。災害時の備えや周りの人への細やかなケアは、一人ひとりが意識して行動することから始まります。あなたや大切な人の健康を守るために、日頃から非常時のオーラルケアの準備をしておいてください。