columns
コラム
口臭の原因と対策
人各々、体に匂いがあるように、お口の中にも匂いがあります。正常な匂いは生理的口臭といいますが、病気やその他の原因で他人に不快な気持ちを抱かせる場合は口臭と称します。今回はそのような口臭の原因とその対策について、ご紹介します。
※印については、以前に述べたブログ#の項目を参照してください。
口臭の原因
口臭の原因(※1)については、主に次の4つが考えられます。口の中に原因がある
口の中(口腔)で一番に考えられる原因が歯周病です。これまでの研究によって、歯周病と口臭の間には高い相関関係があるとされています。歯周病の特徴として歯周ポケットの存在があります。ここでは口腔の細菌にとって格好の住処が提供されます。それら細菌の中でも嫌気性菌は、代謝の過程で硫化水素やメチルメルカプタンと呼ばれる口臭の元を発生させるのです。歯周病が原因
口腔内細菌によって分解され、発生して物質が悪臭を放つ。 ・歯茎からよく出血する。 ・歯茎がよく腫れる。 ・口の中がねばつく。 ・歯がグラつく。 ・歯と歯の間に食べ物がよく挟まる。虫歯の空洞
虫歯でできた空洞に、食べ物が入って腐敗して、悪臭を放つ。 ・穴のあいた歯がある歯磨き不良
歯の磨き方が悪くて、歯垢や食物が残る。 ・歯の表面を舌でさわるとザラつく。 ・義歯やブリッジ、冠などを入れている。 ・舌を磨いていない。唾液が少ない
唾液が少ない口腔乾燥症です。 ・口の中がパサパサしている。全身の病気が原因
タンパク質の壊疽臭
腐った卵のような臭いがする場合 ・呼吸器系:肺ガン、肺腫瘍 ・消化器系:胃ガン、食道気管支瘻 ・耳鼻咽喉系:扁桃腺、咽頭膿瘍、咽頭ガン甘い匂い
カンジタ属の真菌(カビの一種)が原因となって起こります。 ・咽頭、気管支、肺のカンジタ感染アセトン臭
・糖尿病アンモニア臭
・肝硬変、肝臓ガン魚臭
・トリメチルアミン尿症食餌性の口臭が原因
ニンニク、ニラ、ネギ、たくあんなど、匂いの強いものを食べたり、アルコールや喫煙によって一旦体内に取り込まれた匂いの元になる成分が、胃の中で消化され血液を介して全身に循環し、肺を経由して吐き出されます。これはお口をきれいにしても臭うことがあります。生理的口臭が原因
起床時や空腹時に臭うことはあります。また女性の場合、生理時やその前後のホルモンバランスの不調により口臭を感じる時があります。通常、上記の食餌性や生理的な口臭は時間の経過と共に減少してきます。このように生理的口臭には日内変動がみられますが、ゼロになることはありません。生きている限り、毎日食事をして、口の中では様々な代謝が行われるので、無臭でいることはありえないのです。ですから、あまり神経質にならず、他人に不快感を与えるような強い匂いが出ないよう、気をつければよいのです。 問題は病気によって発生する口臭で、口の中、鼻のど、呼吸器系、消化器系の病気などが関連してきます。その中でも口の中の原因が口臭全体の90%以上を占めるといわれますので、口臭が気になったら、一度歯科医院で相談されると良いでしょう。口臭対策
他人の口臭は気になっても、自分の口臭にはあまり気がつかないものです。匂いの強いものを食べた後は、歯だけでなく舌も磨くようにしてください。また、外出先ではマウススプレーやマウスウォッシュを利用することもおススメです。尚、普段から自分の口臭が気になっているようでしたら、お口の手入れ不足や、舌に汚れが付着していることが考えられます。口臭の大きな原因は、歯周病を起こす細菌によります。歯垢を染め出して磨き残しをチェックする、または舌の表面が白色や茶褐色、黒色になっていないかを確認してみてください。丁寧な歯磨きはもちろん、1週間に1回は舌を専用ブラシ(タンクリーナー)などでお手入れすることで、さらに効果的となります。ドライマウス(口腔乾燥症)について
通常、健康な人は1日1~1.5リットルの唾液が分泌されますが、その唾液が不足するドライマウス(※2)が最近増えています。唾液の役割
消化作用
唾液酵素でデンプンをマルトースに分解。溶解作用
味物質を溶解して味覚を促進。洗浄作用
食べ物カスを洗い流す。円滑作用
発音や会話をスムーズにする。抗菌作用
抗菌作用を持つ物質で病原微生物に抵抗。緩衝作用
phを一定に保って細菌の繁殖を抑制。保護作用
歯の表面に被膜を作って虫歯を防ぐ。唾液が不足すると
・常に口の中が乾燥して虫歯や歯周病になり易い ・舌の傷み ・口臭の原因となる ・物がうまく飲み込めない ・口が乾いて話し難いドライマウスの原因
加齢と共に唾液の分泌も少なくなる といわれ、ストレス、薬の副作用、糖尿病や腎不全などの全身疾患、喫煙、シェーグレン症候群(※)などとの複合的な要因も考えられています。ただ、ストレス以外についてはまだ分からない部分も多いようですが、ストレスが続くとリラックス時に比べて、唾液の分泌が約3割減るといわれています。※シェーグレン症候群:自分の体を守るために働く免疫の誤動作により、さまざまな臓器に炎症が起こる膠原病の一つです。ドライアイやドライマウスの症状が多く現れます。
ストレスの影響
緊張すると、リラックス時とは異なる物質が神経から出て、唾液を作る細胞にくっつきます。この物質は唾液を作る細胞の中に水分を取り込む働きが小さいので、唾液は少なくネバついたものになります。一時的なストレスなら問題はありませんが、長く続くと自律神経失調となり、唾液の分泌が抑えられます。 いかがでしたか、現代社会では軟らかいものばかり食べて、よく噛むことをしなくなると、口の周りの筋力が衰えて唾液の分泌が減少する原因にもなります。このようなわけで、お口の健康が重要なカギとなっているのです。監修者情報
公開日:2023年07月10日
芦屋M&S歯科・矯正クリニックのWebサイトにようこそお越しくださいました。
平成15年の開設以来、芦屋市周辺の皆様のお口の健康維持のために日々診療しています。
当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
なかでも得意としているのは矯正歯科です。日本矯正歯科協会に所属する矯正歯科の専門医が小児矯正にも成人矯正にも対応し、インビザライン(マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置)認定ドクターも在籍しています。
専門的な矯正歯科と一般歯科を並行してご提供して、総合的な口腔ケアをおこなう歯科医院です。
院内は衛生管理の徹底により安心して診療を受けていただけます。そして患者様目線を大切に、家族を診ているような丁寧で痛みをできるだけ抑えた治療をご提供します。
予防にも力を入れ、長い目で見たお口全体の健康維持をサポートしますので、気になることは何でもお気軽にご相談ください。