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コラム

歯周外科治療とは

歯周外科とは、歯周組織に対して行われる外科治療のことを指します。一般的に行われる歯周基本治療では、歯茎を切開して剝がしたり、歯を支えている歯槽骨に触れるような処置は行わず、歯石やプラークを取り除くことに留まります。しかし、歯周外科治療では、歯槽骨に何らかの処置を行うかどうかは内容によって異なりますが、局所麻酔を行い、歯茎を切開し剥離(骨から剥がす)を必ず行うことになります。今回は、歯周外科治療で行う治療方法についての紹介です。

歯周外科治療が選択される条件

一般的な目安として、歯周基本治療が終了した後でも、歯周ポケットの深さが4㎜以上ある場合や、歯茎が腫れて出血しやすい状態になっているときは、歯周外科治療が選択されることが多くなっています。

歯周外科治療の種類

4つに分けられる治療法の内から、どの治療法が適しているかを選択するのは、歯を支えている歯槽骨の状態、プラークコントロールの状態、歯周ポケットの深さ、出血にし易さ、レントゲン写真などから、総合的に判断されます。

組織付着療法

歯周基本治療では治りきらなかったけれど、比較的症状が軽い場合に用いられ、歯周ポケットを減らして、歯周組織そのものを安定化させるのを目的として行われます。歯周ポケットの中や歯根表面についた歯周病菌や汚れなどを徹底的に取り除いて、歯茎をもう一度歯根にくっつかせる治療法です。組織付着療法には歯周ポケット掻爬術(※1)、新付着手術(※2)、フラップ手術(※3)などの治療があります。 (※1)歯周ポケット掻爬術(SRP):歯周ポケットが4~5㎜の中程度に進行した歯周炎に対して行います。麻酔後、目に見えない歯の根についた歯石や汚れを取り、根の表面をツルツルにして、炎症を起こした歯肉の組織も取り除きます。 (※2)新付着手術(ENAP):歯周ポケット掻爬術の延長にある治療法で、メスを用いて歯周ポケットの内壁を切除し、根面の処置を完全に行い、歯周組織を縫合して歯面との接着を起こします。 (※3)フラップ手術:局所麻酔後、歯茎を切開し、歯根を見えるようにして歯周ポケット内に残った炎症性組織(不良肉芽組織)を除去し、スケーリングやルートプレーニングなどで歯垢や歯石と取り除きます。必要であれば歯槽骨を整形し、歯肉(歯茎)を縫い合わせて、約1週間後に抜糸します。

切除療法

歯周組織の病的部分を取り除き、歯茎の形を整えることで、歯周ポケットを減らします。 歯肉切除術:レーザーや歯肉拗音バーで歯周ポケットを含む歯茎をトリミングします。歯肉増殖症に対して適応されることが多くなっています。 歯肉弁根尖側移動術:付着歯肉が狭い場合、又は歯周ポケットが深く歯肉歯槽粘膜境を超えている場合に、付着歯肉の増加及びポケットの除去を行います。術後は歯根が露出するため知覚過敏や二次う蝕が起きやすいので、プラークコントロールをしっかり行う必要があります。 骨整形術:シャーピー線維が埋入していない非支持骨を削除する手術です。骨削除にはラウンドバーや骨やすりなどが用いられます。 骨切除術:支持骨を除去せず歯槽骨を再形成して、生理学的形態を達成し(骨整形術)、及び又は一部の歯槽骨を除去(骨切除)することで、骨支持を修正します。

歯周組織再生療法

歯周組織を再生させることを目的として行われます。 骨移植術:溶けてしまった骨が再生することによる歯周組織の安定、歯を支える周りの組織回復のために、歯槽骨の欠損部に骨移植剤を充填します。 歯周組織再生誘導法(GTR法):メンブレンという人口膜を溶けた部分に挿入して覆い、歯周組織が再生するためのスペースを確保します。 エムドゲインを利用した再生療法:豚の歯胚組織からできるエムドゲイン・ゲルという薬剤を歯根の表面に塗り、歯が生えるのと同じような環境を作り出して、歯周組織の再生を促します。

歯周形成手術

歯茎の形を整えて、見た目や磨き易さなどを改善させる治療です。プラークコントロールをしっかり行うことで歯周病の進行を抑えます。 小帯切除術:小帯は頬や舌、上下唇にあるヒダのことで、筋組織と結合組織を含み口腔機能の働きに寄与します。小帯の位置異常により、付着歯肉の不足やプラークコントロール不足が生じる場合などに用いる術式です。 歯肉弁根尖側移動術:既述 歯肉弁歯冠側移動術:粘膜弁を歯冠側に引き上げ、縫合します。 歯肉弁側方移動術:1歯又は2歯の比較的限られた歯肉退縮をきたし、周囲組織との色調調和が必要な場合に行われます。隣接歯の歯肉に十分な幅と厚みがあり、隣接歯の歯槽骨に吸収がないことが条件となっています。隣接歯の辺縁歯肉に有茎弁を形成し、側方へ移動して露出歯根表面を被覆します。 遊離歯肉移植術(FGG):歯茎の表層は“上皮”、内側は“結合組織”で構成されています。主に 口蓋部から上皮をまとめて切り取り、歯茎の足りない部分に移植します。技術的には容易な治療法ですが、元々の歯肉の色との違いが出てしまいます。 以上のように歯周病では先ず歯周基本治療による治療が試みられますが、効果が認められない場合には、歯周外科治療が考えられるようになります。

監修者情報

公開日:2023年07月10日

理事長

理事長 松岡 伸輔

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当院は虫歯や歯周病治療などの一般歯科をはじめ、インプラント治療や入れ歯治療など歯科全般に対応します。
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