この記事の概要は?
歯列矯正は保険が適用になるの?
保険適用となる条件とは?[
医療控除を受けられるって聞いたけど、本当?
ワイヤー矯正、インビザラインなど、多くの歯列矯正は高額で、費用が100万円を超える場合もあります。
自分や子供の歯並びを矯正したくても二の足を踏む方も多いのではないでしょうか。
実は歯列矯正は、条件を満たすと公的な保険を使って矯正が適応になる場合もあります。
さらに自由診療でも、医療費控除を利用することで治療費を抑えることもできます。
そこで、この記事では以下の点について分かりやすく説明します。
- 歯列矯正は保険適用となるかどうか
- 保険が適用されるための条件
- 治療費をなるべく抑える方法
- 保険を使って治療する歯科医院の探し方
インビザラインとワイヤー矯正、費用の比較についてはこちらをご覧ください。
インビザラインを初めてご検討の方に必要な情報をこちらの記事にまとめています。
歯列矯正は保険適用になるのか?
歯列矯正は自由診療なので基本的に保険適用にはならず、治療にかかる全費用を実費で支払うことになります。
歯並びを治す矯正治療は、原則として審美治療(見た目の改善を目的)とみなされるからです。
一方、病気の診断や治療・治癒を目的とした歯列矯正には保険が適用されます。
症例によっては矯正治療に公的な保険が適用される場合もあります。
これから歯列矯正で保険が適用される条件についてご説明します。
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保険で歯列矯正できる3つの条件
保険が適用となる歯列矯正には、以下の3つの条件のどれかを満たすことが必要です。
- 厚生労働大臣が定める先天性の疾患
- 外科手術を伴う顎変形症の手術前後の矯正歯科治療
- 前歯3本以上の永久歯萌出不全に起因する咬合異常
厚生労働大臣が定める先天性の疾患
「厚生労働大臣が定める先天性の疾患」とは、唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)やダウン症候群、顎や口の変形や奇形など先天性の病気を指します。
出典:日本矯正歯科学会HP「厚生労働大臣が定める疾患」
厚生労働大臣が定める疾患は59個あります。(2022年5月時点)
先天性の病気が起因となり歯列や噛み合わせに異常が出る場合に、公的な保険で治療ができます。
保険を利用して歯列矯正する場合には、厚生労働大臣が定めた基準を満たしており、地方の厚生支局長に届出をした以下の指定医療機関で受診をする必要があります。
- 歯科矯正診断料算定の指定医療機関
- 顎口腔機能診断料算定の指定医療機関
保険適用となる医療機関の探し方
公的な保険を使って治療ができる医療機関の探し方をご説明します。
- 「地方厚生局」から8つの地方厚生支局から該当する自分の地域の支局を探します。
- サイト内検索に「施設基準届出受理医療機関名簿」と入力し検索ボタンを押します。
- ページが切り替わったら「保険医療機関・保険薬局の管内指定状況等について」をクリックします。
- 都道府県別に「医科・歯科・薬局」の項目が出てくるので、「歯科」をクリックします。
- 医療機関の一覧表が出てくるので、その中から「矯診」もしくは「顎診」と記載のある医療機関を探してください。
「矯診」とは、「厚生労働大臣が指定した疾患」の方と「前歯3本以上永久歯が生えてこない永久歯萌出不全」の方が対象の指定医療機関を指します。
「顎診」とは、顎変形症の方が手術前後に歯列矯正する治療が対象の指定医療機関のことです。
疾患によって公的な保険を利用できる医療機関が異なるため、注意が必要です。
外科手術を伴う顎変形症の手術前後の矯正歯科治療
外科手術を伴う顎変形症(がくへんけいしょう)の手術前後に矯正歯科治療をする場合も、保険適用となります。
顎変形症とは、顎の形や骨の大きさが原因で噛み合わせや顔のバランスの異常がみられる疾患のことです。
矯正だけで治すのは難しく、顎の骨を削ったり切ったりする外科手術が必要です。
ただし指定医療機関で治療を受ける場合に限り、公的な保険が適用されるので注意が必要です。
指定の医療機関に前もって問い合わせてください。
前歯3本以上の永久歯萌出不全に起因する咬合異常
前歯3本以上の永久歯萌出不全(えいきゅうしほうしゅつふぜん)が原因で噛み合わせの異常が出る場合にも保険が適用されます。
永久歯萌出不全とは自然に生えてくるはずの永久歯が生えない症状で、特に子どもの時期によく見られます。
通常の場合、子どもの歯は6歳ごろから大人の歯へ変わり始め12歳ごろには完全に生え変わります。
永久歯萌出不全の場合には永久歯が生えてきません。
以下の理由が考えられます。
- もともと永久歯が作られていない(先天的な理由)
- 永久歯が歯茎の中に埋伏歯として埋まっている
治療する場合は、歯茎を切開して歯を引っ張り出す外科手術が必要です。
手術と同時に歯列矯正をする場合には、公的な保険が適用されます。
保険適用後の費用目安は?
公的な保険適用されると、基本的には治療で通院するごとに治療費の支払いが必要です。
歯の状態や疾患、年齢などによってかかる費用が一人一人異なります。
治療費の計算方法は、保険診療は3割負担なので、自由診療でかかる総額の3分の1が支払いの目安です。
例えば自由診療で100万円の費用が必要な場合には、30万円ほどになります。
ただし、治療期間や治療回数は一人一人違うため、治療の回数が増えるほど費用も増えていくでしょう。
ちなみに自由診療における矯正は、治療前に提示された費用からあまり変動がありません。
通常は、通院ごとではなく治療前に一括、または分割で支払います。
自由診療の場合は、治療期間の目安も矯正開始前に知ることができるメリットがあります。
特にインビザラインは、3Dシミュレーションで矯正後の歯並びを高精度予測できるので、矯正費用・期間が前もってわかり安心です。
インビザラインの費用相場について、詳しくはこちらをご覧ください。
インビザラインの治療期間について、詳しくはこちらをご覧ください。
医療費控除を利用して歯列矯正の費用を安くする
医療費控除を利用すると歯列矯正の費用を抑えることが可能です。
公的な保険が適用とならない自由診療でも、医療費控除を利用することによりトータルの治療費を軽減できる場合があります。
と言っても、やはり審美目的の歯列矯正は医療費控除の対象にもなりません。
医療費控除を利用できるのは、以下のような機能的な問題を治療する場合です。
- 噛み合わせの悪さで咀嚼に問題が出る
- 歯並びの悪さで発音に問題がある
- 子供の成長過程で必要なものと考えられる
1月1日〜12月31日までの1年間でかかった医療費の実質負担が、10万円(または所得の5%)を超えた場合に医療費控除を申請できます。
最高200万円までが控除の対象となります。
医療費には、歯列矯正治療で支払った費用や、通院の際の交通費も含まれます。
医療費控除について記載した確定申告書の提出が必要となるので、翌年の確定申告期間に、最寄りの税務署へ領収証・レシートなど書類を持っていきましょう。
自分の治療が医療費控除の対象となるかどうか、自己判断せず矯正歯科医院にご相談ください。
まとめ
歯列矯正は基本的には自由診療ですが、特定の条件では保険が適用となります。
自分の症例の場合に条件を満たすかどうか、指定の医療機関を探し歯科医にご相談ください。
自費での診療の場合でも、医療費控除を申請することで費用を抑えることができます。
最近は歯列矯正の中でも、特にインビザラインに人気が集まっています。
インビザラインは、自由診療ですが痛みが少なく快適に、しかも見た目を気にせずに矯正治療ができるからです。
気になる方は、歯列矯正の分野で症例が豊富な矯正歯科に相談をしてください。
保険を使えず、医療費控除の対象にもならない場合でも、インビザラインの矯正費用を抑えるおすすめの方法についてはこちらで詳しく説明しています。
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