この記事の概要は?
「奥歯が噛み合わない」「片側の奥歯だけで噛んでいる」といった違和感はありませんか?噛み合わせの異常を放置すると、口腔内の問題だけでなく、頭痛や肩こりなど全身の不調につながる可能性も。
でも、そんな噛み合わせの悩み、歯科医に相談することで改善できます。矯正治療や外科的矯正治療、マウスピースの使用など、患者さん一人ひとりに合わせた治療法があります。
そこで今回は、歯科医の視点から、奥歯が当たらない噛み合わせの原因と治療法について詳しく解説します。自分の症状や悩みに合った治療法が見つかるはずです。早めの受診とセルフケアで、健康的で美しい口元を目指しましょう。
通いやすさが自慢の歯医者さん芦屋M&S歯科・矯正クリニック。JR駅前に2つのクリニックを構える芦屋M&S歯科・矯正クリニックなら、お忙しい方も通院ラクラク。日曜日も診療しておりますので、ぜひお気軽にお越しください。WEBまたはお電話でのご予約を、心よりお待ちしております。
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奥歯が当たらない噛み合わせの原因は?
奥歯が当たらない、噛み合わないといった噛み合わせの異常には、様々な原因が考えられます。これらの原因を正しく理解し、適切な治療法を選択することが、噛み合わせの改善につながります。
歯の位置のズレ
歯列の乱れや歯の傾斜は、噛み合わせの不調和を引き起こす主要な原因の一つです。例えば、以下は歯の位置のズレを引き起こす要因となり得ます。
- 乳歯から永久歯への生え変わりの過程で歯の萌出スペースが不足
- 歯の大きさにばらつきがある
- 外傷や歯周病による歯の動揺
- 加齢に伴う歯の移動
歯の位置のズレは早期発見・早期治療が非常に重要です。特に成長期のお子様の場合、顎の成長を適切に誘導し、永久歯の萌出スペースを確保することで、健全な噛み合わせの獲得が可能となります。
大人の場合でも、マウスピースや矯正装置を用いた治療により、歯の位置を徐々に改善していくことができます。
顎関節症
顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の疼痛、雑音、開口障害などを主症状とする疾患の総称です。以下などが原因となり、顎関節や咀嚼筋に負担がかかることで発症すると考えられています。
- 顎関節の構造的な異常
- 過度のストレスによる咀嚼筋の緊張
顎関節症が進行すると、顎の動きが制限され、奥歯が当たらない、噛み合わないといった症状につながることがあります。
顎関節症の治療には、まず患者さん自身が病態を理解し、セルフケアを実践することが大切です。安静や顎関節のストレッチ、マウスピースの使用などにより、顎関節や咀嚼筋の負担を軽減することを目指します。症状が重度な場合には、薬物療法や理学療法、場合によっては外科的治療が必要となることもあります。
歯ぎしり(ブラキシズム)
歯ぎしりは、睡眠中や覚醒時に無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、きしらせたりする習癖のことを指します。過度の咬合力が繰り返し加わることで、歯の磨耗や破折、顎関節症状などを引き起こし、ひいては奥歯の接触不全につながる可能性があります。
また、歯ぎしりによる咬耗が進行すると、咬合高径(上下の歯の間の距離)が低下し、噛み合わせのバランスが崩れることもあります。
歯ぎしりの治療では、まずその原因を特定することが重要です。ストレスや睡眠時無呼吸症候群、不良な咬合状態など、様々な要因が考えられます。
原因に応じて、ストレス管理、睡眠時のマウスピース装着、咬合調整などの対策を講じます。重度の歯の磨耗がある場合には、補綴治療(被せ物など)により咬合高径を回復させることも必要となります。
歯の損傷や欠損
歯の破折、摩耗、欠損などは、咬合力の不均衡を引き起こし、奥歯の接触不全を招く原因となり得ます。例えば、歯の一部が欠けたままになっていると、その歯に加わる咬合力が減少し、反対側の歯に過度の負担がかかることがあります。
また、歯の欠損によって隣りの歯が傾斜したり、対合歯(噛み合う歯)が飛び出すことで、咬合の不調和が生じることもあります。
歯の損傷や欠損に対しては、できるだけ早期に適切な治療を行うことが大切です。軽度の歯の破折であれば、コンポジットレジン修復などで対応可能ですが、大きな欠損がある場合には以下のような治療選択肢があります。
- インレーやクラウンによる補綴治療
- ブリッジ
- 義歯
- インプラント
噛み合わせの不調和
噛み合わせの不調和は、上下の歯の接触関係の異常を指します。以下のような様々な要因によって引き起こされます。
- 先天的な顎の形態や大きさの不一致
- 歯の萌出位置の異常
- 不適切な歯科治療
結果として、特定の歯に過度の咬合力が集中したり、逆に奥歯が全く接触しなくなったりと、咬合のバランスが崩れてしまうのです。
噛み合わせの不調和に対しては、原因に応じた治療が必要となります。歯列矯正により歯の配列を改善したり、咬合調整により歯の高さや接触関係を修正したりすることで、力のバランスが取れた理想的な噛み合わせを目指します。重度の不正咬合がある場合には、外科的矯正治療を要することもあります。
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奥歯が当たらない噛み合わせの影響は?
奥歯が当たらない、噛み合わないといった噛み合わせの異常は、単に咀嚼機能の低下にとどまらず全身への影響も懸念されます。噛み合わせの異常が及ぼす影響を正しく理解し、必要な対策を講じることが重要と言えるでしょう。
口腔内の問題
奥歯が当たらない状態が続くと、以下のような様々な口腔内の問題が生じ得ます。
- 咀嚼機能の低下
- 残存歯への過重負担
- 歯周組織への悪影響
- 顎関節や咀嚼筋の疲労
- 歯の磨耗や破折、動揺
- 歯周病の進行
- 顎関節症状や筋肉痛
これらの問題を放置すれば、口腔内の状態はさらに悪化し、最終的には歯の喪失につながりかねません。
顎や頭痛などの全身への影響
奥歯が当たらない噛み合わせは、頭痛、肩こりのような全身への影響も懸念されています。
さらに、噛み合わせの異常が全身の健康に影響を及ぼす可能性も指摘されています。例えば、咀嚼機能の低下によって食事が十分に摂れなくなり、栄養バランスが崩れることで、全身の健康状態が悪化するリスクがあります。硬いものが噛めない、食べこぼしが多いなど、食事に関する不自由さを感じる方は少なくありません。
また、慢性的なストレスによって引き起こされる歯ぎしりは、睡眠の質を低下させ、日中の疲労感や集中力の低下につながることもあるのです。
奥歯が当たらない噛み合わせの治療法
奥歯が当たらない、噛み合わないといった噛み合わせの異常に対しては、その原因や症状に応じて、様々な治療法が用いられます。適切な治療を行うことで、機能的で安定した噛み合わせを取り戻すことが可能となるのです。
矯正治療
歯列不正や不正咬合が原因で奥歯が当たらない場合、矯正治療が有効な解決策となります。矯正装置を用いて歯の位置を少しずつ動かし、理想的な咬合関係を獲得することを目指します。
成長期のお子様の場合、顎の成長を適切に誘導しながら歯の配列を改善する「成長誘導治療」が行われることがあります。上顎の狭窄や下顎の後退など、顎の大きさや位置に問題がある場合には、拡大床やバイオネーターなどの装置を用いて、顎の成長をコントロールします。
成人の場合は、ブラケット装置(ワイヤー治療)やマウスピース型矯正装置などを用いた歯の移動が中心となります。ワイヤーやブラケットにより歯に力をかけ、ゆっくりと歯を動かしていきます。矯正治療には一定の期間を要しますが、歯並びと咬合の改善により、機能的で審美的な口元を手に入れることができるのです。
噛み合わせを改善するための手術
重度の骨格性不正咬合や顎変形症が原因で奥歯が当たらない場合、外科的矯正治療が必要となることがあります。上下顎骨の位置や形態を外科的に修正し、安定した噛み合わせを獲得することを目指します。
代表的な術式として、下顎骨を前方に移動させる下顎前方移動術や、上顎骨を前方に移動させる上顎前方移動術などがあります。
また、上顎骨を拡大する上顎拡大術や、オトガイ形成術を組み合わせることで、調和のとれた顔貌の獲得も可能となります。手術による骨格の改善と、術前術後の矯正治療を組み合わせることで、機能的で審美的な治療結果が得られるのです。
マウスピースの使用
歯ぎしりや食いしばりが原因で奥歯が当たらない場合、マウスピース(ナイトガード)の使用が有効な対処法の一つとなります。
マウスピースは、特に就寝時の歯ぎしりによる歯の磨耗や顎関節症状の予防に効果的とされています。また、食いしばりによる歯や顎関節への過剰な負担を軽減することもできます。
奥歯の不具合はどのタイミングで歯科医を訪れるべき?
奥歯が当たらない、噛み合わないといった症状に気づいたら、できるだけ早期に歯科医院を受診することが大切です。初期段階で適切な治療を行うことで、症状の悪化を防ぎ、より良好な治療結果を得ることができます。
自覚症状が出たとき
奥歯が当たらない、噛み合わないといった違和感がある場合はもちろん、顎の痛みや違和感、頭痛、耳の痛みなど、顎関節症を疑う症状がある場合には、早めの受診が望まれます。
また、歯ぎしりや食いしばりに気づいた場合も、歯や顎関節の異常につながる可能性があるため、歯科医に相談することをおすすめします。
症状が軽度であっても、日常生活に支障を来すようであれば、我慢せずに歯科医院を訪れましょう。初期段階での治療介入が、症状の重症化を防ぐ鍵となります。また、歯の破折や脱落など、明らかな歯の損傷がある場合は、できるだけ早期の受診が必要です。
定期検診の重要性
自覚症状がなくても、定期的な歯科検診を受けることが大切です。歯科医師による口腔内の診査により、自覚症状のない歯や噛み合わせの異常を早期に発見することができます。
特に、成長期のお子様の場合は、定期的な検診が欠かせません。乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、歯並びや噛み合わせに問題がないかチェックすることで、早期の治療介入が可能となります。
また、成人の場合も、年に1~2回の定期検診を受けることをおすすめします。歯周病や虫歯の早期発見・早期治療はもちろん、噛み合わせの異常や顎関節症の予防にもつながるのです。
まとめ
奥歯が当たらない、噛み合わないといった噛み合わせの異常は、様々な原因で引き起こされ、放置すれば口腔内の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
矯正治療や外科的矯正治療、マウスピースの使用など、患者さん一人ひとりに合わせた治療計画が立てられます。自覚症状があれば早めの受診を心がけ、定期的な歯科検診も欠かさないようにしましょう。
噛み合わせの問題でお悩みの方は、ぜひ芦屋M&S歯科・矯正クリニックに相談してみてください。適切な治療とセルフケアにより、健康的で美しい口元を取り戻すことができるはずです。一人で悩まずに、専門家の力を借りながら、積極的に治療に取り組んでいきましょう。
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よくある質問
奥歯の噛み合わせがおかしいのはどんな症状が現れるのでしょうか?
奥歯の噛み合わせの異常は、以下のような症状で現れることがあります。
- 奥歯が当たらない、噛み合わない
- 片側だけで噛んでいる
- 顎の痛みや違和感
- 頭痛や肩こり
- 耳の痛み
- 食べこぼしが多い
これらの症状が現れたら、早めに歯科医院を受診し診察を受けることをおすすめします。症状が軽度のうちに治療を始めることで、より良い結果が期待できます。
歯並びを矯正すれば、奥歯の噛み合わせの問題は解決しますか?
歯並びの矯正は、噛み合わせの改善に効果的な治療法の一つですが、全ての症例で改善が見込めるわけではありません。噛み合わせの異常の原因は、歯並びの乱れだけでなく、顎の大きさや位置の問題、顎関節症など、様々な要因が関わっています。
歯並びを整えても、顎の大きさや位置に問題がある場合は、安定した噛み合わせを得ることが難しいこともあります。重度の骨格性不正咬合の場合は、外科的矯正治療が必要となることもあるのです。
歯科医が、患者さん一人ひとりの症状や原因を見極め、適切な治療法を提案します。矯正治療の限界と可能性を理解した上で、治療に臨むことが大切だと言えるでしょう。
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