この記事のポイントは?
- インビザラインでガミースマイルを改善できるのは歯の位置が原因で軽度〜中重等度のケース
- 矯正でガミースマイルが悪化する現象は実際に起こりうるので原因と予防法を知ることが重要
- 正確な原因診断が治療成功のカギ。原因は大きく4タイプに分かれ、タイプごとに最適な治療法が異なる
「笑うと歯茎が見えるのが気になって、人前で自然に笑えない」ガミースマイルの悩みを抱えている方は少なくありません。
目立たない矯正として人気のインビザラインで「ガミースマイルも治るのでは?」と期待される方が増えています。結論からお伝えすると、インビザラインで改善できるケースと、インビザラインだけでは難しいケースがあります。
この記事では、インビザライン・プラチナエリートプロバイダーである芦屋M&S歯科・矯正クリニックの知見をもとに、ガミースマイルの原因別の治療効果、費用、そして多くの方が不安に感じている矯正での悪化リスクまで徹底的に解説します。
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芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長の松岡です。 芦屋M&S歯科・矯正クリニックは2003年に兵庫県芦屋市で開院しました。医師全員がインビザライン治療(マウスピース治療)・小児矯正・咬合誘導で秀でています。 インビザライン治療では1年間の症例数実績によって表彰される「プラチナエリートステータス」に公式認定されています。 このブログで、インビザラインを始めとするマウスピース矯正、ワイヤー矯正など歯並びに関するさまざまな疑問にお答えします。もし、このブログで分かりにくい点がありましたら、お気軽にお問合せください。
インビザラインでガミースマイルは治る?

インビザラインは、歯の位置が原因で発生する軽度〜中重等度のガミースマイルに対して改善効果が期待できます。
圧下(歯を骨の中に押し込む動き)や遠心移動(奥歯を後方に動かす動き)によって、歯茎の見える量を減らすことができます。
インビザラインで改善が期待できるガミースマイルの例を以下に挙げます。
軽度〜中重等度の上顎前突(出っ歯)によるガミースマイル
前歯が前方に突出している出っ歯で歯茎が見えやすくなっているケースです。インビザラインで前歯を後方に移動させることで、唇の位置が変わり、歯茎の露出量が減少します。
過蓋咬合(深い噛み合わせ)に伴うガミースマイル
噛み合わせが深く、上の前歯が下方に伸びている過蓋咬合の場合です。インビザラインの圧下機能により、前歯を骨の中に押し込むことで歯茎の見える量を減らします。
3mm以上の圧下が必要な場合でも、TADs(歯科矯正用アンカースクリュー)を固定源として使用可能です。TADsにより、従来はインビザラインでは難しかった大きな圧下が可能になっています。
前歯の挺出(過萌出)が原因の軽度ガミースマイル
上の前歯が通常の位置より下方に伸びている場合、圧下により改善が見込めます。マウスピースの力を利用して前歯を骨の中に押し込む動きです。
歯が上方に移動することで、笑ったときの歯茎の露出量が減少します。
さらに、バイトランプ(マウスピースに組み込まれた突起)、またはHRBアタッチメント(小臼歯に装着する突起)が前歯の圧下力を強化します。
芦屋M&S歯科では、アンカースクリュー、バイトランプ、アタッチメント併用を含む幅広いインビザライン治療に対応しています。
インビザラインだけでは改善が難しいガミースマイルは?

以下のケースは、インビザライン単独での改善は困難であり、他の治療法との併用または他の治療法が第一選択となります。
| 症例タイプ | 主な原因 | インビザラインで改善が困難な理由 | 推奨される主な治療法 |
|---|---|---|---|
| 骨格性ガミースマイル | 上顎骨自体の長さ・突出 | 歯の位置調整だけでは骨格レベルの垂直的長さを解消できない | 外科矯正手術(Le Fort I型骨切り術など) |
| 上唇の過可動・短唇 | 筋肉の動き、唇の形態 | 歯の移動ではなく「軟組織(唇)」の問題であり、歯を動かしても見え方が変わらない | ボトックス注射、上唇粘膜切除術 |
| 歯肉増殖・受動的萌出不全 | 歯肉の被りすぎ | 歯肉そのものの形の問題であり、歯の根を動かす矯正治療の範疇外 | 歯冠長延長術(歯肉切除・歯槽骨整形) |
| 重度のガミースマイル (6mm以上) | 複合的な要因 | インビザラインの圧下(歯を押し込む)限界は通常2〜3mmであり、6mm以上の改善は物理的に不可能なため | 矯正+外科手術、またはアンカースクリュー併用 |
上記のガミースマイル症例は、大きく分けて以下の3タイプの原因に分類されます。タイプによって最適な治療法がまったく異なるため、原因の特定が治療の第一歩です。
骨格性(上顎の垂直的過成長)
上顎の骨が垂直方向に過度に発達した状態で、Vertical Maxillary Excess(VME)と呼ばれます。上顎骨自体が長いため、笑ったときに歯茎が大きく露出します。
骨格に原因があるため、歯の位置を変えるだけの矯正治療では根本的な改善は困難です。
重度の場合はLe Fort I型骨切り術(上顎を外科的に上方移動させる手術)が適応となります。
日本矯正歯科学会(2019年6月5日見解)も、「マウスピース矯正は骨格性要因を含む症例には適さない」としています。
軟組織性
上唇を持ち上げる筋肉(上唇挙筋)の活動が過剰で、笑ったときに上唇が通常以上に持ち上がるケースです。正常な上唇の挙上量は6〜8mmですが、過可動の場合は10mm以上挙上します。
また、上唇自体の長さが短い(通常20〜24mmに対して20mm未満)場合も、安静時から歯茎が見えやすくなります。
このタイプは歯や骨格には問題がないため矯正治療の対象外です。ボトックス注射(上唇挙筋の動きを弱める)や上唇粘膜切除術が適応となります。
矯正でガミースマイルが悪化する4つの原因とは?

矯正治療、特にワイヤー矯正において、治療後にガミースマイルが新たに発生したり、もともとあったガミースマイルが悪化する症例が報告されています。インビザラインでも、治療計画が不適切な場合には同様のリスクがあります。
この現象が起こる理由は、矯正治療が歯を動かす過程で、意図せず歯茎の見え方を変えてしまうことがあるためです。
歯の移動中に起こる挺出
矯正治療では、歯を並べるために意図的に歯を動かしますが、ある歯を圧下する際に隣接する歯が反作用で挺出(下方に伸びる)してしまうことがあります。
前歯が挺出すると、それに伴い歯茎のラインも下がり、ガミースマイルが悪化します。
圧下時に起こる前歯の唇側傾斜
前歯を圧下する際、力のかかり方によって前歯が前方に傾斜してしまうことがあります。前歯が前に倒れると歯茎が前方に押し出され、笑ったときの歯茎の露出量が増加します。
歯並び改善後の相対的な歯肉露出の増加
ガタガタだった歯並びがきれいに揃うと、今まで凹凸で隠れていた歯茎のラインが均一に見えるようになり、結果として「以前より歯茎が目立つ」と感じることがあります。
これは実際に歯茎が大きくなったわけではなく、見え方の変化です。
不適切なゴムかけによるA点の下方移動
ゴムかけ(顎間ゴム)の使い方が不適切な場合、上顎のA点(上顎前歯部の骨の基準点)が下方に引き下げられ、上顎前歯部全体が下がることでガミースマイルが悪化するケースがあります。
矯正によるガミースマイルの悪化を防ぐ2つのポイント

歯列矯正によるガミースマイルの悪化を防ぐ方法は以下が重要です。
アンカースクリューによる確実な固定源の確保
アンカースクリューを使用することで、反作用による意図しない歯の移動を防ぎ、必要な歯だけを正確に動かすことができます。ガミースマイルの改善を目指す矯正治療では、アンカースクリューの使用が強く推奨されます。
セファロ分析に基づく精密な治療計画
治療開始前にセファロ分析(頭部X線規格写真の分析)を行い、ガミースマイルの原因を正確に診断することが不可欠です。骨格性の要因が大きい場合にインビザライン単独で治療を進めると悪化のリスクが高まります。
豊富な症例経験を持つ矯正専門医は、患者さんの原因タイプに応じて最適な治療法を提案できます。
芦屋M&S歯科はインビザライン・プラチナエリートプロバイダーとして豊富な症例実績があり、ガミースマイルの悪化を防ぐ治療計画の立案に自信があります。
インビザラインによるガミースマイル治療の費用相場

インビザラインでガミースマイルを治療する場合の費用は、症状の程度と治療範囲によって異なります。
全体矯正(コンプリヘンシブ)の場合は70〜120万円が一般的な相場です。上下の歯列全体を動かす治療で、ガミースマイルの原因が噛み合わせ全体に関わる場合はこちらが選択されます。
部分矯正(前歯中心)の場合は30〜60万円程度です。ガミースマイルの原因が前歯部に限局しており、奥歯の移動が不要な場合に適応されることがあります。
ただし、部分矯正で対応できるケースは限られます。
追加費用の目安
TADs(アンカースクリュー)は1本あたり1.5〜2.5万円、毎回の調整料は3,000〜5,000円が相場です。リテーナー(保定装置)は矯正費用に含まれている医院と、別途1〜3万円程度かかる医院があります。
芦屋M&S歯科では、リテーナーの費用も含まれており(作りかえの場合は別途)、調整料もかかりません。費用のご相談やデンタルローンのご案内も行っています。お気軽にご相談ください。
まとめ
ガミースマイルの原因は骨格性、歯性、歯肉性、軟組織性の4タイプがあり、インビザラインが有効なのは主に「歯性」の軽度〜中重等度のケースです。
矯正で逆に悪化するリスクは実在しますが、治療計画の精度と矯正専門医の経験で悪化リスクを防げます。
芦屋M&S歯科・矯正クリニックは、インビザライン・プラチナエリートプロバイダーとしてガミースマイルを含む幅広い矯正治療に対応しています。
ガミースマイルにお悩みの方は、まず当院の矯正相談にお越しください。セファロ分析を含む精密検査で、あなたのガミースマイルの原因を正確に診断し、最適な治療プランをご提案します。
よくある質問
インビザラインでガミースマイルは治りますか?
歯の位置が原因の軽度〜中重等度のガミースマイルであれば、インビザラインで改善が見込めます。具体的には、前歯の挺出(過萌出)や上顎前突、過蓋咬合が原因のケースです。
ただし、骨格性の問題や上唇の過可動が原因の場合はインビザライン単独での改善は困難です。正確な診断のためには、セファロ分析を含む精密検査が必要です。
矯正でガミースマイルが悪化することはありますか?
はい、あり得ます。主な原因は、歯の移動中に起こる意図しない挺出、前歯の唇側傾斜、不適切なゴムかけによるA点の下方移動です。ただし、TADs(アンカースクリュー)の使用やセファロ分析に基づく精密な治療計画により、悪化リスクを大幅に低減できます。ガミースマイル治療の実績がある矯正専門医を選ぶことが重要です。
ボトックスとインビザライン、どちらがいいですか?
両者は適応となる原因タイプがまったく異なります。ボトックスは上唇の筋肉の過活動が原因の「軟組織性」ガミースマイルに有効で、インビザラインは歯の位置が原因の「歯性」ガミースマイルに有効です。原因によっては併用が効果的な場合もあります。どちらが適しているかは、原因の正確な診断によって決まります。

















