インビザライン矯正ガイド

インビザラインで知覚過敏になるのはなぜ?歯がしみる原因の見分け方と対処法を歯科医が解説!

インビザラインで知覚過敏になるのはなぜ?歯がしみる原因の見分け方と対処法を歯科医が解説!
芦屋M&S歯科・矯正クリニックのインビザライン

インビザライン(ライト)120回払いの場合

この記事のポイントは?

  • インビザライン中に歯がしみる症状の多くは、アライナー交換直後に強く出て1週間程度で落ち着く
  • 症状の経過を数日記録し、刺激時のみしみるか持続するかを確認できます
  • 自己判断で装着時間を減らすと治療が長引く可能性があるため、症状が続く場合は歯科医院に相談することが有効

インビザラインでの矯正を始めてから、冷たい飲み物を口に含んだ瞬間に歯がしみるようになった、という相談を受けることがあります。

歯を動かしている以上、多少の違和感が出るのは想定していても、しみるという症状は聞いていなかった方が多く、不安になるのも当然です。

この記事では、症状の見分け方、インビザライン特有の6つの原因、自宅でできる対処法、歯科医院で受けられる処置までを、矯正治療に日々携わる歯科医師の立場から解説します。

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長 松岡伸輔

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長の松岡です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックは2003年に兵庫県芦屋市で開院しました。医師全員がインビザライン治療(マウスピース治療)・小児矯正・咬合誘導で秀でています

インビザライン治療では1年間の症例数実績によって表彰される「プラチナエリートステータス」に公式認定されています。

このブログで、インビザラインを始めとするマウスピース矯正、ワイヤー矯正など歯並びに関するさまざまな疑問にお答えします。もし、このブログで分かりにくい点がありましたら、お気軽にお問合せください。

インビザラインで歯がしみるのは知覚過敏?

インビザラインで歯がしみるのは知覚過敏?

インビザライン中に歯がしみる原因の多くは、象牙質知覚過敏症と呼ばれる一過性の症状です。

まずは以下について順番に見ていきましょう。

  • インビザライン中に起こる知覚過敏の症状と続く日数の目安
  • 歯の移動による痛みと知覚過敏はどう見分ける?
  • 自然に落ち着くケースと受診を急ぐべきサインの違い

インビザライン中に知覚過敏が続く日数の目安

インビザライン中の知覚過敏は、アライナーを交換した直後の2〜3日でもっとも強く出て、1週間程度で落ち着くケースが目安です。

冷たい水や風が触れた瞬間にしみて、刺激が去るとすぐに痛みが引くのが特徴です。

歯並びや装着状況によって経過には個人差があるため、この期間はあくまで一つの目安として捉えてください。

象牙質知覚過敏症は、エナメル質の下にある象牙質が露出し、冷たさや風などの刺激が歯の神経に伝わることで起こります。

むし歯のように刺激がなくても痛みが続くものではなく、刺激を受けたときだけ生じる一過性の痛みである点が矯正の痛みとの大きな違いです。

2週間以上続く場合や、何もしていないときにもズキズキするときは、後述する受診サインに当てはまらないか確認してください。

歯の移動による痛みと知覚過敏の違い

歯の移動による痛みと知覚過敏は、刺激の有無と痛みの範囲で見分けられます。

矯正の痛みは何もしていなくても持続し、噛んだときに歯全体が重だるく感じるのに対し、知覚過敏は冷たいものや風が触れた瞬間だけ、特定の一本がしみます。

比較 歯の移動による痛み 知覚過敏
きっかけ 刺激がなくても生じる 冷たいもの・風などの刺激で生じる
持続時間 数時間から数日続く 刺激が去ると数秒で治まる
範囲 歯列全体が重だるい 特定の一本がしみる

次のいずれかに当てはまる場合は、次回の通院予定を待たずに歯科医院へ連絡することをおすすめします。

  • 刺激がなくても痛みが続く
  • 夜間に自然にズキズキする
  • 温かいものでもしみる
  • 症状が2週間以上改善しない

痛みの持続時間が比較的長く、何もしていないときにもズキズキする場合には、歯の神経に炎症などの変化が起きている可能性があります。

インビザラインで知覚過敏が起こる6つの原因とは?

インビザラインで知覚過敏が起こる6つの原因とは?

インビザラインによる知覚過敏は、いくつかの原因が重なって現れます。

ここでは代表的な6つの原因を分けて解説します。

  • 歯の移動そのものによる歯根膜と歯髄への刺激
  • IPRで歯と歯の間を削った直後にしみる理由
  • アタッチメントの装着と撤去にともなう刺激
  • アライナーを装着したまま飲食したときの脱灰と酸蝕
  • ホワイトニングを矯正と並行したときに起こる一時的な知覚過敏
  • もともとの歯肉退縮や歯ぎしりが矯正中に表面化するケース

それぞれについて以下で解説します。

歯の移動そのものによる歯根膜と歯髄への刺激

歯を支える歯根膜には、アライナーの矯正力によって圧迫される部分と引っ張られる部分が生まれ、その周囲の血流や神経に一時的な変化が起こります。

この変化が歯髄に伝わることで、交換直後にしみやすくなる仕組みです。

アライナーは通常7日から10日ごとに新しいものへ交換するため、そのたびに歯根膜へ新しい力が加わり、しみやすい期間が繰り返し訪れます。

交換のたびに毎回同じ程度の症状が出るとは限らず、治療が進むにつれて軽くなっていく方が多く見られます。

IPRで歯と歯の間を削った直後

IPRは、歯と歯の間のエナメル質をごくわずかに削り、歯を並べるスペースをつくる処置です。

削った直後は象牙質に近い部分の感覚が一時的に敏感になり、冷たいものがしみやすくなります。

この症状を、歯を大きく傷つけているサインだと誤解されるケースを多く見かけますが、削合量は精密な計画のもとであらかじめ決められた範囲にとどめられています。

ですから、削った部分は唾液中のミネラルによる再石灰化で徐々に落ち着いていきます。

しみが数日以上続く場合は、再石灰化を早める意味でもフッ化物配合の歯みがき剤を取り入れてみてください。

アタッチメントの装着と撤去にともなう刺激

アタッチメントは、アライナーが歯にしっかりフィットするよう歯の表面に付けるレジン製の突起物です。

接着のために歯の表面を薬剤で処理する工程や、治療終盤に撤去する際の研磨が一時的な刺激として歯に伝わることがあります。

装着直後と撤去直後の数日にしみを感じやすいのは、このためです。

アタッチメントの周囲は汚れがたまりやすく、みがき残しが続くと歯肉が炎症を起こし、しみやすさがさらに増すこともあります。

違和感が強いときは、矯正用のワックスで表面を保護しながら慣れるのを待つ方法もあります。

痛みに変わってきた場合は自己判断で我慢を続けず、歯科医師に相談してください。

アライナーを装着したまま飲食したときの脱灰と酸蝕

エナメル質は、口の中がpH5.5以下の酸性に長時間触れると溶け出す性質があります。

通常であれば唾液が酸を洗い流し中和してくれますが、アライナーを装着したまま炭酸飲料やスポーツドリンクを口にすると、酸が歯とアライナーの間に閉じ込められ、唾液が行き渡りにくくなります。

飲食の際は必ずアライナーを外すことをおすすめします。

エナメル質が溶けて象牙質が露出すると、知覚過敏が起こりやすい状態になります。

ホワイトニングを矯正と並行したときに起こる一時的な知覚過敏

ホワイトニングの薬剤による刺激も、知覚過敏の原因の一つとして知られています。

インビザラインとホワイトニングを並行している場合、どちらが原因かの切り分けが難しくなります。

ワイトニングを一時中断すると症状が軽くなるようであれば、薬剤による影響が大きいと考えられます。

もともとの歯肉退縮や歯ぎしりが矯正中に表面化するケース

加齢や不適切なブラッシングによる歯肉退縮、就寝中の歯ぎしりによる歯の表面のすり減りは、矯正を始める前からすでに進行していることがあります。

矯正が原因で新たに生じたのではなく、もともとあった要因が装着中の刺激や生活の変化をきっかけに表面化しただけ、というケースも少なくありません。

歯ぎしりがある方は、日中は意識していなくても就寝中に強い力が歯にかかり続けており、アライナーを装着した状態で歯ぎしりをすると歯や歯肉への負担がさらに増すこともあります。

心当たりがある方は、矯正開始前の検査で歯ぎしりの有無や歯肉の状態を確認しておくと、治療中のしみやすさをある程度予測できます。

インビザラインで歯がしみるとき自宅でできる対処法は?

インビザラインで歯がしみるとき自宅でできる対処法は?

症状が軽いうちは、自宅でのケアを見直すことでやわらぐ場合があります。ただし歯科医院での処置のほうが効果は高く、即効性もあります。

今日から試せる方法を5つ紹介します。それぞれについて以下で解説します。

  • 硝酸カリウム配合の歯みがき剤で神経の興奮を抑える
  • フッ化物配合の歯みがき剤で再石灰化を促す
  • 強すぎるブラッシングを見直して象牙質の露出を防ぐ
  • しみる刺激そのものを一時的に避ける
  • 歯がしみるからとアライナーを外すとどうなる?

硝酸カリウム配合の歯みがき剤で神経の興奮を抑える

硝酸カリウムには、歯の神経の周囲にカリウムイオンを行き渡らせ、神経が興奮しにくい状態をつくる働きがあります。

ただし、効果の度合いは人によります。また、1回で効果が出るものではないため、毎日のブラッシングで継続して使うことが前提になります。

歯みがき剤はアライナーの中に入れず、通常のブラッシングで使用してください。

フッ化物配合の歯みがき剤で再石灰化を促す

フッ化物(フッ素)には、露出した象牙質の表面で再石灰化を促し、刺激が伝わる細い管をふさぐ働きがあります。

硝酸カリウム配合のものと合わせて選べる製品もあるため、成分表示を確認して選ぶとよいでしょう。
ただし、こちらも効き目には個人差があります。

効果を安定させるには、ブラッシング後にすぐ口をゆすがず、薬用成分を歯の表面にとどめる時間を意識することが大切です。

研磨剤の粒子が粗いタイプは象牙質の表面をさらに傷つけ、知覚過敏を悪化させることがあるため、知覚過敏用として販売されている製品を選んでください。

強すぎるブラッシングを見直して象牙質の露出を防ぐ

力を入れすぎたブラッシングは、歯肉を傷つけて退縮を進め、象牙質の露出を早める原因になります。

歯ブラシは毛先がしなる程度の弱い力で、小刻みに動かすことを意識してください。

毛先が広がりやすい方は、やわらかめの歯ブラシに変えるのも一つの方法です。

歯と歯肉の境目には毛先を軽く当て、1本ずつなぞるように動かすことで、力を入れなくても汚れは十分に落とせます。

すでにしみている部分がある場合は、その周辺だけ意識してやさしくみがき、痛みが強い日は無理に強くこすらないようにしてください。

しみる刺激そのものを一時的に避ける

症状が強い時期は、冷たい水でのうがいをぬるま湯に変える、極端に冷たい・熱い飲食物を控えるなど刺激そのものを避けることで日常生活の負担を減らせます。

アイスやかき氷、熱い汁物のように温度差の大きい飲食物は特にしみやすいため、常温に近いものを選ぶだけでも負担が変わります。

冷たい風が直接口元に当たる状況を避けたい場合は、外出時にマスクを着用するのも一つの方法です。

ここで挙げた工夫は、あくまで症状が落ち着くまでの一時的なしのぎ方として取り入れてください。

歯がしみるからとアライナーを外すとどうなる?

歯がしみるたびにアライナーを外す時間を増やすと、1日に必要な装着時間が不足し、計画どおりに歯が動かなくなります。

装着時間が不足した状態が続くと、アライナーが歯にフィットしなくなり、追加のアライナー作製や治療期間の延長につながることがあります。

しみることを理由に自己判断で装着時間を減らすことはおすすめしません。

食事とブラッシングのとき以外は装着を続け、症状がつらい場合は歯科医院での処置を検討してください。

インビザライン中の知覚過敏に歯科医院ではどんな処置ができる?

インビザライン中の知覚過敏に歯科医院ではどんな処置ができる?

自宅でのケアで改善が乏しい場合や、症状が強い場合には、歯科医院でより効果の高い処置を受けられます。

  • 露出した象牙質をコーティング材で封鎖する処置
  • 高濃度のフッ化物塗布で歯質を強化する処置
  • 矯正計画そのものを調整する対応

それぞれについて以下で解説します。

露出した象牙質をコーティング材で封鎖

露出した象牙質の表面にある細い管を、専用のコーティング材で封鎖する処置です。

歯みがき剤による方法よりも効果が高く、即効性がある点が特徴です。

処置自体は数分で終わり、その場でしみにくさを実感できることも少なくありません。

象牙質の表面がすり減っている場合には、樹脂による薄い被膜で表面を覆う処置が選ばれることもあります。

凹みがある場合は、その部分の形を回復させるように被覆するため、見た目の違和感もほとんど残りません。

高濃度のフッ化物塗布で歯質を強化する処置

歯科医院で扱う高濃度のフッ化物は、市販の歯みがき剤よりも濃度が高く、再石灰化を効率よく促せます。

象牙質の露出が軽度な場合や、自宅ケアの効果を高める目的で併用されることが多い処置です。

塗布そのものは数分で終わり、痛みをともなわないため、通院のついでに受けやすい処置といえます。

効果を持続させるには一度で終わらせず、数か月おきに繰り返し塗布することが望ましいとされているため、通院のタイミングに合わせて相談してみてください。

矯正の定期通院と合わせて塗布を受ければ、通院回数を増やさずにケアを続けられる点もメリットです。

矯正計画そのものを調整する対応

症状があまりに強く続く場合には、アライナーの交換ペースを緩めたり、IPRの量やアタッチメントの形状を見直したりと、矯正計画そのものを調整する対応がまれにとられることもあります。

もともと知覚過敏がある人はインビザラインを始めても大丈夫?

もともと知覚過敏がある人はインビザラインを始めても大丈夫?

すでに知覚過敏の自覚がある方でも、事前の検査と処置を組み合わせることで、インビザライン治療を進められる場合が多くあります。

治療を始める前に済ませておきたい検査と処置

治療を始める前には、虫歯や歯周病の有無、歯肉退縮や歯ぎしりの程度を確認し、必要な処置を先に済ませておくことが望ましいとされています。

すでに知覚過敏がある場合は、精密検査の段階でその旨を歯科医師に伝えてください。

虫歯や歯周病の治療が必要な場合は、矯正を始める前に済ませておくことで、治療途中で予定外の中断が発生するのを防げます。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、相談やiTeroによる口腔内スキャンを無料で行っており、歯科用CTも備えているため、矯正前の状態確認から一般歯科の処置まで同じ場所で相談できます。

知覚過敏が強い人がインビザラインを選ぶかどうかの判断基準

判断基準は、以下の2点が中心になります。

  • 1日20時間以上の装着時間を確保できるか
  • 既存の歯肉退縮やブラキシズムの程度がどのくらいか

装着時間を守れる見込みが立てば、インビザラインを選ぶ大きな妨げにはなりません。

一方でワイヤー矯正には、装置が固定されているため装着時間を意識する必要がなく、症例によっては歯の移動をより緻密にコントロールしやすいという利点もあります。

見た目の目立ちにくさや食事の自由度を優先するか、装着管理の手間を減らすことを優先するかによって選び方は変わってきます。

まとめ

インビザライン中に歯がしみる症状の多くは、アライナー交換直後に強く出て1週間程度で落ち着く一過性の知覚過敏です。

刺激が去ってもすぐに痛みが引かない場合や、何もしていないときにもズキズキする場合は、自己判断で様子を見続けず歯科医院に連絡してください。

しみることを理由にアライナーの装着時間を減らすと、かえって治療期間が延びる可能性があるため、まずは自宅ケアと歯科医院での処置を組み合わせることが近道です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、無料相談とシミュレーションを通じて、矯正と一般歯科の両方の視点から症状を確認できます。

気になる症状があれば、次回の通院日を待たずに一度相談してみてください。

よくある質問

インビザライン中に歯がしみるのは、悪いことが起きているサインですか

多くの場合は象牙質知覚過敏症と呼ばれる一過性の症状で、アライナー交換直後に強く出て1週間ほどで落ち着く傾向があります。

ただし刺激がなくても痛みが続く、夜間にズキズキするなどの症状がある場合は、虫歯や歯髄の炎症の可能性もあるため、早めに歯科医師に確認してもらうことをおすすめします。

知覚過敏と虫歯は自分で見分けられますか

刺激の有無と持続時間が目安になります。

冷たいものに触れた瞬間だけしみて数秒で治まるなら知覚過敏の可能性が高く、何もしていなくても痛みが続くなら虫歯や歯髄の炎症の可能性があります。

  • 刺激時のみ数秒しみる→知覚過敏の可能性
  • 刺激がなくても続く→虫歯や歯髄の炎症の可能性

とはいえ自己判断には限界があるため、最終的な診断は歯科医院で受けてください。

アライナーを装着したまま歯みがき剤を使ってもいいですか

歯みがき剤はアライナーの中に入れず、通常のブラッシングの際に使用してください。

硝酸カリウムやフッ化物配合の歯みがき剤は、継続して使うことで少しずつ効果が現れます。

歯科医院に相談すると追加費用がかかりますか

費用体系は歯科医院によって異なります。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは調整料が0円のトータルフィー制を採用しており、通院のたびに追加費用が発生しにくい仕組みになっています。

相談を検討する際は、事前に費用体系を確認しておくと安心です。

矯正専門ではない総合歯科に相談しても大丈夫ですか

知覚過敏の原因には、矯正によるものだけでなく虫歯や歯周病が関わっていることもあります。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックのように矯正と一般歯科の両方を扱う医院であれば、原因の切り分けから治療まで同じ場所で相談できます。