歯列矯正の費用

インビザラインもやり方次第で医療費控除の対象に?いくらお得?徹底的に解説

インビザラインもやり方次第で医療費控除の対象に?いくらお得?歯科医師が解説
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大人の歯並び矯正は医療費控除の対象になる?
診断書のもらい方で控除額が変わるって本当?

部分矯正でも数十万円、全体矯正となると100万円近い費用がかかることもある歯並び矯正。

実際の負担額を少しでも減らしたいと思うのは当然です。

所得税には、高額の医療費を支払った場合に自己負担の一部が税控除として戻ってくるうれしい制度があります。

「医療費控除」と呼ばれるその制度を使って、インビザライン矯正でかかった費用を取り戻す方法、診断書のもらい方について説明します。

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長 松岡伸輔

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長の松岡です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックは2003年に兵庫県芦屋市で開院しました。医師全員がインビザライン治療(マウスピース治療)・小児矯正・咬合誘導で秀でています

インビザライン治療では1年間の症例数実績によって表彰される「プラチナステータス」に公式認定されています。

このブログで、インビザラインを始めとするマウスピース矯正、ワイヤー矯正など歯並びに関するさまざまな疑問にお答えします。もし、このブログで分かりにくい点がありましたら、お気軽にお問合せください。

医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間に原則10万円以上医療費を支払った場合に申告によって税金が安くなる制度です。

以下の2種類の税金で、医療費控除を受けられます。

  • 所得税
  • 住民税

所得合計が200万円以下の人は、10万円ではなく所得額の5%を超えれば申告できる特例があります。

対象となる医療費とは?

控除の対象となる医療費は、1~12月の1年間に病院や診療所でかかった以下の費用が含まれます。

  • 治療費(検査費、矯正治療費、装置代)
  • 入院の際の部屋代や食事代
  • 処方された医薬品
  • 通院に必要なバス電車タクシーなどの交通費(必要な付添人の交通費も含む)

薬局で購入した風邪薬などの、セルフメディケーション税制の対象となる一定の市販薬も医療費控除の対象となります。

確定申告する本人だけでなく、扶養している家族の医療費も合算できます。

家族全員の医療費支出を合算すると、年間10万円を超えることは意外にあるものです・

病院のレシートは大切に保管しましょう。

控除の対象にならない費用は?

  • 歯科ローンに係る金利および手数料相当分
  • 自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代
  • 歯のホワイトニング費用
  • 歯ブラシ、歯磨き粉などの一般的な清掃器具

対象となるのはあくまで実質の自己負担額です。

ですから、以下を既に受給している場合は、その分を差し引いた分が対象の医療費となります。

  • 医療保険の給付金
  • 健康保険で支払われる高額療養費
  • 生命保険契約などで支給される給付金

歯科ローンを使用した場合はいつ控除を受けられる?

歯科ローン (デンタルローン)を使って矯正費用を支払った場合、ローン契約が成立した年の医療費控除の対象になります。

手もとに領収書がない場合は、ローンの契約書や領収書の金額を申告し、書類を保存しておけば大丈夫です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでもデンタルローンを取り扱っておりますので、ご不明点はお気軽にお問合せください。

関西随一の実力派プラチナ認定医芦屋M&S歯科・矯正クリニックに歯並び矯正をお気軽にご相談ください。

歯列矯正は医療費控除の対象となる?

ワイヤー矯正であろうと、インビザラインなどのマウスピース矯正であろうと、「歯の機能に問題がある」場合の矯正治療は医療費控除の対象になります。

歯の機能に問題があるとは以下のようなケースです。

  • 発育途中の子供の成長を阻害するような噛み合わせの問題がある
  • 噛み合わせが悪くて日常生活、及び体調に支障が出る

国税庁の公式指針でも以下のように認められています。

発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。

国税庁No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、機能的な問題による歯列矯正の取り扱い実績が豊富にございます。

審美目的の歯列矯正は控除対象?

残念ながら、審美目的の矯正歯科治療は国税庁の指針により医療費控除の対象になりません。

同じ歯列矯正でも容ぼうを美化するための費用の場合は、医療費控除の対象にならないのです。

国税庁No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例

基本的に、保険治療の対象となるか判断する規準と同じと考えて間違いありません。

歯列矯正で公的保険が使える条件について、詳しくはこちらをご覧ください。

出っ歯が機能的問題の治療に切り替わるケース

患者様ご本人が「見た目の問題」きっかけで歯科を訪れた場合でも、検査や診察の結果「機能的な問題」が見つかることはあります。

たとえば、出っ歯による見た目の悩みで来院したにもかかわらず、検査をしてみると「口唇閉鎖不全(こうしんへいさふぜん)」と診断されて治療を必要とするケースがあります。

いわゆる出っ歯(歯科医学的には上顎前突)により、口を閉じても上下の唇の間にすき間ができているのが口唇閉鎖不全です。

口唇閉鎖不全は、さまざまな弊害をもたらします。

例えば、常に口呼吸の状態になり口中が乾燥してしまうので、虫歯や歯周病、または睡眠時無呼吸症候群を招いてしまうこともあります。

また、空気が歯の隙間から抜けるので、日常の発声においても著しい支障を招きかねません。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでも、同様の症状による問題を抱えて来院された患者さまがおられます。

このように、患者にとっては「見た目」の問題であっても、実は歯科医師が診断すると機能的な問題を抱えていることも少なくありません。

安易に自己判断することなく、専門の歯科医師の診断を必ず受けましょう。

インビザラインで出っ歯は治るのかについて、詳しくはこちらをご覧ください。

実際に医療費がいくら安くなる?

医療費控除によって、所得税と住民税がどれほど安くなるかケーススタディしてみましょう。

以下は一例でしかありませんが、患者さまの負担が所得税約8万円、住民税15万円で合計約23万円補填(ほてん)されるのは大きいのではないでしょうか?

所得税

所得税の税額は、お給料や売上などの収入から諸経費を差し引いた「課税所得」に「税率」を掛けて算出されます。

医療費控除は、課税所得から控除され(差し引かれ)ます。

計算例

2021年中にインビザラインや他の医療で、自己負担の医療費が合計110万円あったとします。

また、所得は仮に250万円と設定します。(会社員の方であれば年末に会社からもらう源泉徴収票を見ればわかります)

上記の場合、医療費控除の金額は、自己負担額110万円のうち10万円を超える部分です。

  • 医療費控除の金額=110万円-10万円=100万円

課税所得から医療費控除を引いた150万円が、実際に課税される所得金額となります。

  • 課税所得金額=250万円-100万円=150万円

税率は所得金額によって異なり、以下のように国税庁で定められています。

課税所得金額

税率

控除額

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

0円

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

97,500円

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

427,500円

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

636,000円

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

1,536,000円

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

2,796,000円

40,000,000円 以上

45%

4,796,000円

課税所得150万円の場合は、税率5%で税額は75,000円になります。

  • 税額=150万円x5%=75,000円

仮に医療費控除がなかった場合は、250万円がそのまま課税所得となり税額は152,500円でした。

  • 250万円x10%-97,500=152,500円

医療費控除を使わなかった場合と比べて、所得税が77,500円安くなったことになります。

  • 152,500-75,000=77,500円

住民税

住民税(所得割部分)は、課税所得金額に税率一律10%を掛けて算出されます。

医療控除額x10%の住民税が安くなります。

計算例

上記と同じ設定を使うと、医療費控除で住民税が15万円安くなります。

  • 150万円x10%=15万円

医療費控除申請のやり方と必要書類

医療費控除の申請は、例年2月15日に始まる確定申告をする際に行います。

医療費控除だけの申告であれば、医療費を支払った翌年1月1日から5年間申告可能です。

所得税・住民税両方の申告をまとめてできますので二度手間はありません。

普段は確定申告を行わない会社員であっても、申告しなければ控除は受けられません。

会社や税務署から、申告するように連絡は来ないのでご注意ください。

税金の種類、及び支払方法によって控除の受け方は以下のように異なります。

 

一般の会社員

自営業

申告方法

医療費控除のためだけに申告(通常は年末調整のみ)

確定申告の中で医療費控除も申告

所得税

還付される

申告時に確定する税額が下がる

住民税

支払った翌年の税額が下がる

申告方法と必要書類

以下の書類を持参して、地域の所轄税務署に行き、確定申告用紙に記入します。

  • 確定申告書AもしくはB(税務署にあります)
  • 通常は会社員の方が簡易なA、自営業の方は汎用のBです。
    ご自身がどちらを使用するべきか税務署へ確認してください
  • 支払った医療費レシートや領収書など
  • 源泉徴収票(給与収入がある場合)
  • 身分確認証
  • 印鑑
  • 銀行口座情報(還付を受ける場合に必要)

平成29年から領収書の提出は不要となりました。

それでも5年間の保管義務はあるので、レシートや領収書は申告後もきちんと保管しましょう。

診断書がなくても医療費控除は受けられるの?

医師の診断書は、医療費控除の申請に必ず必要なわけではありません。

ただし、高額控除の場合、診断書の提出を税務署から求められるケースがときおりあるようです。

ほとんどの病院で、診断書の発行は治療の開始後でも対応してくれます。

診断書の発行にかかる料金は病院によって異なりますが、一般的に数千円です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、治療開始後でも診断書(1通3,300円)を発行しております。

e-Taxでも申告可能?

医療費控除はe-Taxでも申告可能です。

ただし、e-Taxを利用する場合は事前に「利用者識別番号」の取得が必要になります。

まとめ

医療費控除を賢く使えば、高額の歯列矯正であっても金銭的負担を軽くできます。

歯並びの矯正を行った場合は、保険治療であってもほとんどの場合で10万円を超えますので必ず医療費控除の申告を行いましょう。

今回紹介した税額計算はあくまでもケーススタディであり、税制も記事執筆時点の最新情報です。

また、歯列矯正にかかった費用が医療費控除の対象となるか、最終的な判断は各管轄税務署が行います。

個別のケースについては、矯正治療実績の豊富な矯正歯科医、及びお住まいの地域の税務署に確認することをおすすめします。

 

「安いだけ」「思った仕上がりには程遠い」格安矯正で失敗した方はこちらをご覧ください。

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