歯並び症状別

アデノイド顔貌とは?顎がないのを自力で治せる?見分け方、矯正方法を歯科医が徹底解説!

アデノイド顔貌とは?見分け方や原因、治し方を徹底解説!
この記事のポイントは?
1、アデノイド顔貌かどうか見分けるには
鼻先と顎先を結んだEラインより口が前に出ている、太っていないのに二重顎が目立つ、口が開いてしまい口呼吸になる方は要注意。
2、アデノイド顔貌の原因
アデノイド肥大、指しゃぶり、舌の癖などが原因で幼少期から口呼吸の癖が原因と言われています。小さいときからの口呼吸の癖の見直しが大切です。
3、顎がないように見えるアデノイド顔貌の治し方
インビザラインなどのマウスピース矯正やワイヤー矯正による下顎の前方移動で治療します。重度であれば外科手術も視野に入れます。

アデノイド顔貌についてどんな顔なのか、顎がない人とはどういうことなのか、原因や治るのかなどが気になっている方もいるのではないでしょうか。

アデノイド顔貌について、顔つきの見分け方、放置した場合のリスク、口ゴボや出っ歯との違いなどを紹介します。

歯列矯正で治せるのかについても紹介していますので、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックは、アデノイド顔貌に長く悩んできた多くの患者様の症例を解決してきた実績があります。

患者様の理想の歯並びや予算をじっくりヒアリングして、ベストの矯正方法を提案させていただきます。記事を読まれた後に、お気軽に問い合わせフォームからお問合せください。

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長 松岡伸輔

芦屋M&S歯科・矯正クリニック理事長の松岡です。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックは2003年に兵庫県芦屋市で開院しました。医師全員がインビザライン治療(マウスピース治療)・小児矯正・咬合誘導で秀でています

インビザライン治療では1年間の症例数実績によって表彰される「プラチナステータス」に公式認定されています。

このブログで、インビザラインを始めとするマウスピース矯正、ワイヤー矯正など歯並びに関するさまざまな疑問にお答えします。もし、このブログで分かりにくい点がありましたら、お気軽にお問合せください。

アデノイド顔貌とは?

アデノイド顔貌とは、鼻の奥、喉の上に位置するアデノイド(咽頭扁桃)が大きくなっている方にみられる特有の顔つきです。

上記画像のように下あごが上あごより引っ込み、あごと首の境があいまいになり、口元が出ている顔つきになります。

アデノイド顔貌かもと悩んだときのセルフチェック方法

なんとなく「自分は顎がないのでは?」と感じたときに使えるセルフチェックの方法です。以下のポイントを参考に、鏡やスマートフォンの写真でご自身の顔つきを観察して、当てはまる項目がないか確認しましょう。

  1. 横顔を見てみる(鏡より写真が便利)
    • 鼻先と顎先を結んだライン(Eライン)よりも口元が大きく前に出ている
    • 下顎が上顎より引っ込んで見える
    • 顎と首の境目がはっきりしない
  2. 正面から顔を見てみる
    • 太っていないのに二重あごができる
    • 顔の下半分が長い、面長である
  3. 口元や呼吸の様子
    • 口を閉じているつもりでも、無意識に口が開いてしまうことが多い
    • 普段から口呼吸になっている、鼻づまりが続いている
  4. 歯並びや噛み合わせ
    • 上下の前歯が閉じない(開咬がある)
    • 前歯でしっかりものが噛めない
    • 歯のアーチがV字型になっている

もし、これらの項目に複数当てはまる場合は、アデノイド顔貌の傾向があるかもしれません。セルフチェックはあくまで目安ですので、気になる場合は歯科医院や専門医で詳しい診断を受けることをおすすめします。

アデノイドの顔つきの見分け方は横顔

アデノイド顔貌かどうかを見分ける方法は「横顔」が一番わかりやすいです。

アデノイド顔貌の型の横顔は、以下の特徴があります。

  • 上あごより下あごが引っ込んでいる
  • あごと首の境がわからない
  • 口元だけが出ている

横から見たときに、鼻の先と顎の先端を線で結んだEラインよりも口元が突き出ており、顎と首の境がはっきりしないという方はアデノイド顔貌かもしれません。

太っていないのに二重あご

また、太っているわけではないのに二重あごになる という方もアデノイド顔貌の可能性が高いです。

遺伝的な要因でアデノイド顔貌「のように」なっている方もいるため、上記のような横顔の全ての方がアデノイド顔貌というわけではありません。

気になる方は一度、歯科医院で相談をしたりチェックをしたりするのがおすすめです。

関西随一の実力派プラチナ認定医芦屋M&S歯科・矯正クリニックに歯並び矯正をお気軽にご相談ください。

アデノイドが大きくなる原因

アデノイドが大きくなる原因

アデノイド顔貌の原因の多くは、幼少時のアデノイド肥大している時期に口呼吸になり、この時の口呼吸の癖が残っていることです。

一般的にアデノイドは2歳〜6歳の頃に大きくなり、10歳前後から徐々に小さくなっていくことが多いです。このアデノイドが、大人になっても小さくならず大きいままの方もおられます。

大人になってアデノイドが肥大する方もおられ、原因として細菌やウイルスへの感染や急性中耳炎が考えられます。

アデノイド肥大=アデノイド顔貌ではない

アデノイドが腫れても、ほとんどの場合は何の症状も引き起こしません。ただし、アデノイドが肥大すると空気の通り口が狭くなり、口呼吸になりやすくなります。

もちろん、アデノイドが一時的に肥大しただけで、すぐアデノイド顔貌になるわけではありません。

口呼吸が癖になると、アデノイドが縮小しても口呼吸が続いてアデノイド顔貌の原因になってしまいます。口呼吸以外にも、指しゃぶりや舌の癖などでアデノイド顔貌になることもあります。

口ゴボや出っ歯はアデノイド顔貌?

口ゴボや出っ歯はアデノイド顔貌?

アデノイド顔貌は、口ゴボや出っ歯と口元の出っ張りでは似ています。一般的に口元が出ている状態を口ゴボと言いますが、アデノイド顔貌も口元が出ているため口ゴボの1つの原因とは言えるでしょう。

口ゴボの原因・治せない歯並び・治療方法についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

出っ歯は、主に前歯が斜めに生えている状態を指しますが、アデノイド顔貌が原因で歯並びが悪くなり出っ歯となることもあります。

出っ歯は自力で治せるのか、出っ歯になる原因についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

アデノイド顔貌が口ゴボや出っ歯の原因になることはあります。

しかし、口ゴボや出っ歯のすべての原因がアデノイドの肥大ではありませんし、アデノイド顔貌になっているわけでもありません。

アデノイド顔貌は放置していいの?

アデノイド顔貌は放置していいの?

アデノイド顔貌の方は以下のような口周りのトラブルを抱えることが多いです。

  • 口呼吸に偏る
  • 歯のアーチがV字になる
  • いびき・睡眠時無呼吸症候群になりやすい

それでは、1つずつみていきましょう。

口呼吸に偏る

アデノイド顔貌の方は、口呼吸となっていることが多いです。

鼻の奥にあるアデノイドが大きくなると、空気の通り道が狭くなったり塞がれたりするため、口呼吸が中心となります。

口呼吸は口周りの筋肉が使われないため、筋肉が衰えていきます。

その結果、アデノイド顔貌がますます悪化していく場合も少なくありません。

歯のアーチがV字になる

アデノイド顔貌の方は歯のアーチがV字になっている方が多いです。

歯のアーチは、すべての歯がきれいに並ぶためのスペースを確保できるU字が理想の形とされています。

しかし、アデノイド顔貌の方は口呼吸がきっかけでアーチがV字になることがあります。

V字になると、どうしてもスペースに入りきれない歯が八重歯になったり、斜めに生えてしまうことが少なくありません。

また、前歯が前の方に出っ張るため、出っ歯になりやすい状態です。

いびき・睡眠時無呼吸症候群になりやすい

アデノイド顔貌の方は、鼻の空気の通り道が狭くなったり塞がれたりするため、いびきをかきやすいです。

睡眠時無呼吸症候群になる可能性もあるため、いびきを指摘されたことがある方は早めに医師に相談をしましょう。

アデノイド顔貌は自力で治すことはできる?

アデノイド顔貌は自力で治すことはできる?

アデノイド顔貌は、骨格ができ上がった後に自力で治すことは難しいです。

一般的に、中学生くらいで骨格ができ上がるといわれています。

骨格が成長段階の時期であれば、口呼吸や癖を直すことで改善できる可能性もあります。

中学生以降は自力で治すことは難しいため、医療機関を受診する必要があります。

繰り返しになりますが、アデノイドの肥大=アデノイド顔貌ではありません。

ウイルス感染や急性中耳炎によってアデノイドが肥大している場合は、耳鼻科医院を受診してください。

アデノイド顔貌で横から見ると顎がない場合の直し方

アデノイド顔貌は歯列矯正で治せる?

アデノイド顔貌の方の中には、横から見ると顎がないように見える場合があります。この原因は、下顎が後方に下がってしまっているためです。

アデノイド顔貌の治療には、豊富な症例数と経験が必要となります。もし横から見て顎がないように感じる場合は、まずは実績のある矯正歯科医に相談することをおすすめします。

顎がないように見える場合の直し方としては、以下の2つの方法があります。

歯列矯正による下顎の前方移動

インビザラインなどのマウスピース矯正もしくはワイヤー矯正を使用して、徐々に下顎を前方に移動させる方法です。治療期間は装置の種類によって異なりますが、おおよそ1〜2年ほどかかります。

インビザライン・ワイヤー矯正の比較については以下の記事で詳しく説明しています。

歯を収めるスペースが足りない場合には、前から4本目の歯を抜歯して、歯を収めるスペースを作ることもあります。抜歯が必要かどうかは一人ひとり異なるため、矯正歯科でチェックを受けるようにしましょう。

アデノイド顔貌によって引き起こされる歯並びの不具合は歯列矯正で治すことができます。重度の場合には外科手術が必要となります。

外科手術による下顎の移動

重度の場合は、歯列矯正だけでは改善が難しいことがあります。そのような場合は、外科手術を併用して下顎を前方に移動させる必要があります。手術は全身麻酔下で行われ、術後は数日間の入院が必要となります。

アデノイド顔貌は、放置すると睡眠時無呼吸症候群などの健康被害につながる恐れがあります。そのため、顎がないように見える、といった症状がある場合は、早期発見・早期治療が重要です。

子どものうちからできるアデノイド顔貌の予防と早期対策

アデノイド顔貌は、成長期の子どもにも多く見られる顔つきです。気になる場合、リスクを低下させるために、早いうちから予防を意識した対応をすることもできます。小児期は骨格や筋肉にまだ柔軟性があるため、生活習慣の見直しや簡単なトレーニングが効果的にはたらきます。家庭や専門機関で取り組める具体的な予防策や早期対策について解説します。

これらの対策は、子ども自身の意識だけでなく、家族や周囲のサポートも不可欠です。日常生活の中で無理なく取り入れ、早期からの習慣化を目指しましょう。

口呼吸から鼻呼吸への切り替え

子どものアデノイド顔貌で意識したいポイントの一つが口呼吸の習慣です。意識的に口を閉じて鼻呼吸を促します。

アレルギー性鼻炎等による鼻詰まりがある場合は、耳鼻咽喉科を受診して原因を解消するのが第一です。口呼吸となる原因は様々ですので、かかりつけの小児科や歯科で相談するのもよいでしょう。

あいうべ体操などの口腔筋トレーニング

口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」や、MFT(口腔機能療法)は子どもの口呼吸改善や顎の発達に役立ちます。まずは一日数セットから生活に取り入れることで、舌の正しい位置や口周りの筋力アップが期待できます。

食生活と咀嚼習慣の見直し

柔らかい食事に偏らないよう、適度にかみごたえのある食品を取り入れることは顎の発達を促します。しっかり噛むことを意識させることで、口腔周囲筋の発達や歯並びの安定にもつながります。

かみごたえのある食品を避けてしまう場合や、うまく噛めない場合は、歯科分野で問題を抱えていることもあります。気になる場合は無理せず歯科医師に相談しましょう。

正しい姿勢の習慣化

猫背や前かがみの姿勢は顎の発達に悪影響を及ぼすと言われています。スマホ、ゲーム、勉強など前傾姿勢になりがちな活動をしている子どもたちは、姿勢が悪くなっていることも多く要注意です。座るときに頭が前に出すぎないように意識し続けるのは難しいため、自然と姿勢が良くなる椅子やグッズを利用するのがおすすめです。

定期的な専門チェックと早期相談

顎の発達や歯並びに不安がある場合は、早めに矯正歯科や耳鼻咽喉科に相談することが大切です。相談した後も、気になったときにだけ通うのではなく、定期的に診察してもらうようにしましょう。専門家のもとで、成長段階に合わせた適切な指導や治療を受けることで、将来的なアデノイド顔貌の対策がとれます。

まとめ

アデノイド顔貌は大きくなったアデノイドがきっかけとなり、口呼吸によって引き起こされる顔つきです。大きくなったアデノイドは、自然に小さくなることが多いですが、中には小さくならず大きいままの方もいます。

また、アデノイド顔貌は遺伝でも似ることがあるため、自身で判断をするのは避けるのがおすすめです。そのため、アデノイド顔貌かどうか気になる方や、アデノイド顔貌の可能性が高い方は一度、歯科医院を受診してみてください。

その場合には、経験が豊富で症例数が多い歯科医院を選ぶのがおすすめとなります。

芦屋M&S歯科・矯正クリニックは、歯列矯正によるアデノイド顔貌の矯正経験が多く、長くアデノイド顔貌に悩んでこられた多くの患者様のお悩みを解決してきた実績があります。

患者様のなりたい歯並びをゆっくりヒアリングして、ベストの矯正方法を提案させていただきます。

まずは、お気軽に問い合わせフォームからお問合せください。3診療日以内にご連絡をさせていただきます。

よくある質問

アデノイド顔貌とは?

アデノイド顔貌とは、鼻の奥、喉の上に位置するアデノイド(咽頭扁桃)が大きくなっている方にみられる特有の顔つきです。

下あごが上あごより引っ込み、あごと首の境があいまいになり、口元が出ている顔つきになります。

アデノイド顔貌は自力で治すことはできる?

アデノイド顔貌は、骨格ができ上がった後に自力で治すことは難しいです。一般的に、中学生くらいで骨格ができ上がるといわれています。骨格が成長段階の時期であれば、口呼吸や癖を直すことで改善できる可能性もあります。中学生以降は自力で治すことは難しいため、医療機関を受診する必要があります。

アデノイド顔貌で顎がない場合の治し方は?

アデノイド顔貌で顎がない場合の治し方は、主に以下の2つです。

  1. 歯列矯正による下顎の前方移動 マウスピース型やワイヤー型の矯正装置を使用して、徐々に下顎を前方に移動させる方法です。治療期間は装置の種類によって異なりますが、おおよそ1〜2年ほどかかります。
  2. 外科手術による下顎の移動 重度の場合は、歯列矯正だけでは改善が難しいことがあります。そのような場合は、外科手術を併用して下顎を前方に移動させる必要があります。手術は全身麻酔下で行われ、術後は数日間の入院が必要となります。

顎がない状態を放置すると、咀嚼機能の低下や睡眠時無呼吸症候群などの健康被害につながる恐れがあります。早期発見・早期治療が重要ですので、顎がないと感じる場合は、経験豊富な矯正歯科医に相談することをおすすめします。

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