この記事の概要は?
歯列矯正に興味があるけれど、どの方法が最適なのか悩んでいませんか?特に、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いが気になるという方も多いでしょう。
一般的には、マウスピース矯正は目立たず、取り外しができるメリットがありますが、効果や費用については誤解が多いようです。
この記事では、マウスピース矯正の安全性、費用対効果、メリット・デメリット、治療手順など、あなたが知りたい情報がきっと見つかるでしょう。
矯正治療を始める前に知っておくべき、でも多くの矯正専門医が患者に伝えにくいと感じている情報をストレートにお伝えします。記事を読むことで、最適な矯正方法を選ぶための明確な指針が手に入ります。
受け口(しゃくれ)や出っ歯など不正歯列の種類と原因について以下でまとめています。
こちらにインビザラインでできること・できないことを把握したい方に必要な情報をまとめています。
マウスピース矯正とは?
マウスピース矯正は、従来のワイヤーやブラケットではなく、透明のマウスピース型装置を装着して歯を矯正する矯正方法です。
マウスピース矯正では、まず3Dスキャンを用いて患者さんの歯の状態を詳細に把握します。3Dスキャンデータを基に、矯正歯科医師が矯正計画を立て、それに基づいて透明なポリウレタン製(ブランドによってはプラスチック製)のマウスピースが複数作成されます。
マウスピースは、歯の表面にぴったりとフィットし、現状より少し理想の歯列に近い形状で設計されています。患者さんは、指示された期間(通常は1~2週間ごと)に新しいマウスピースに交換することで、歯が徐々に所定の位置に移動していく仕組みです。
マウスピース矯正は、痛みが少なく、また取り外しが可能なため、食事や歯磨きがしやすいメリットがあります。
マウスピース矯正の安全性
マウスピース矯正の安全性については、歯や歯茎、顎の骨に対する影響が主に研究されています。多くの研究によって、適切な診断と計画、そして専門の矯正歯科医によるケアが行われれば、マウスピース矯正は非常に安全であるとされています。
ただし、不適切な使用や管理が行われた場合、歯茎の問題や歯の移動が不均等になる可能性もあります。
マウスピース矯正の歴史
マウスピース矯正は、2000年代初頭に登場し、特に「インビザライン」の成功によって急速に普及しました。その後も技術の進化が続き、現在では多くのブランドが市場に出ています。
歴史が浅いとされるマウスピース矯正方法ですが、その短い期間での進化と多くの成功例が安全性と効果を証明しています。
代表的なマウスピースブランド
以下は、代表的なマウスピース矯正ブランドとその特徴をテーブルにまとめたものです。
ブランド名 |
特徴 |
---|---|
マウスピースの草分けで代表的ブランド |
|
日本国内ブランドで価格が比較的手頃 |
|
2020年にサービスが始まったサービス |
|
スマイルトゥルー(SmileTRU) |
アメリカ発のマウスピース矯正ブランド |
以下の記事で代表的なマウスピースブランドを詳しく比較しています。
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マウスピース矯正 vs ワイヤー矯正:どちらを選ぶ?
歯列矯正にはいくつかの方法がありますが、特に多くの人が迷うのがマウスピース矯正とワイヤー矯正の選択です。マウスピース矯正とワイヤー矯正の最も顕著な違いは、見た目と装着感です。
マウスピース矯正は透明なポリウレタン製、またはプラスチック製で、目立たず、取り外しが可能です。一方、ワイヤー矯正は金属のブラケットとワイヤーで構成され、取り外しはできません。
しかし、両者ともに矯正力は高く、しっかりとした計画とケアが必要です。
効果と期間の比較
効果と期間については、一般的にワイヤー矯正の方が短期間で高い矯正力を発揮します。一方、マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べると比較的緩やかに歯を動かす仕組みです。
マウスピース矯正の代表格であるインビザライン矯正で歯が動く仕組みを以下の記事で分かりやすく説明しています。
矯正効果については、マウスピース矯正も年々技術が進化して症例を蓄積しており、幅広い症例種類と症例程度で効果が確認されています。
期間については、ワイヤー矯正は平均して2,3年、マウスピース矯正は1.5年から3年とされています。
ケースバイケースでのおすすめ
どちらを選ぶべきかは、患者さんのライフスタイルや矯正の目的、そして歯の状態によります。例えば、社会生活で目立つことが問題となる場合や、食事制限を避けたい場合はマウスピース矯正がおすすめです。
一方で、超重度の歯並びや噛み合わせの問題がある場合は、ワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
マウスピース矯正の費用対効果は?
以下のテーブルでは、マウスピース矯正の費用の内訳とその相場を示しています。価格はブランドやクリニックによって大きく異なる場合があります。
また、治療期間や症状の重さによっても費用は変動します。例えば、前歯だけの部分矯正の場合、費用は比較的低く抑えられる可能性があります
項目名 |
内容説明 |
価格相場 |
---|---|---|
初診費用 |
最初の診察と診断 |
無料~10,000円 |
精密検査料 |
矯正治療の全体計画を作成 |
10,000円〜60,000円 |
マウスピース |
矯正に使用するマウスピース |
300,000円~1,200,000円 |
フォローアップ |
定期的な診察と調整 |
2,000円〜10,000円(回あたり) |
保定装置料 |
矯正後の歯並びを安定させるためのリテーナー |
20,000円〜50,000円 |
その他費用 |
抜歯代など追加の費用 |
症例によって異なる |
マウスピース矯正の費用は高いと感じるかもしれませんが、その効果は長期的に見ると非常に高いと言えます。特に、歯の寿命を延ばす可能性、美容面でのメリット、社会的な印象などを考慮すると、費用対効果は高いと評価されています。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正の主なメリットについて説明します。
見た目の自然さ
マウスピース矯正の最大のメリットの一つは、見た目の自然さにあります。従来のワイヤー矯正と比較して、マウスピースは透明であり、装着していることがほとんど分かりません。
特に社会人やビジネスシーンでの利用において、プロフェッショナルなイメージを維持する上で非常に有用です。また、美容や見た目が主な目的で矯正を考えている人にとっても、マウスピース矯正は非常に魅力的な選択肢と言えます。
違和感と痛みが少ない
マウスピース矯正は、違和感や痛みが少ないという点でも高く評価されています。ワイヤー矯正のように金属部分が口内に触れることがないため、口腔内の痛みや違和感が少ないのです。
これは、矯正治療を始める際の心理的な障壁を低くする要素ともなります。特に、矯正治療に対する不安や痛みに敏感な人にとって、マウスピース矯正は選択肢の一つであると考えられます。
ケアの容易性
マウスピース矯正のもう一つのメリットは、ケアの容易性です。マウスピースは取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際には外して行うことができます。
これにより、日常生活での制約が少なく、口腔ケアも従来の歯磨き方法で十分です。また、定期的な通院も少なく、忙しいライフスタイルを送っている人にとっても負担が少ないと言えます。
矯正スピードと効果
マウスピース矯正は、矯正スピードと効果においても評価されています。一般的に、軽度から中度の歯並びの問題に対しては、マウスピース矯正は比較的短期間で十分な効果を発揮することが多いです。なかでも多くの症例実績を持つインビザラインでは、かなり重度な不正歯列においても矯正可能です。
症状や治療計画によって異なるため、矯正歯科専門医としっかりと相談することが重要です。3Dシミュレーションを用いて、治療前後の歯並びを確認することが有用です。3Dシミュレーションにより、治療の進行度を定期的にチェックし、必要な調整を行うことができます。
多くの症例に適応できる
マウスピース矯正は、多くの症例に適応できるメリットもあります。軽度の歯並びの問題から、比較的複雑なケースまで、多くの症例で効果を発揮します。ただし、超重度の症状には、他の矯正方法が適している場合もありますので、専門医の診断が必要です。
多くの症例に適応できるとはいえ、重度の噛み合わせの問題や顎の位置に関する問題には、マウスピース矯正が必ずしも適しているわけではありません。こういったケースでは、従来のワイヤー矯正や外科手術が必要な場合もあります。初診でしっかりと診断を受け、治療方針を明確にしましょう。
前歯だけの部分矯正でも使用できます。
社会生活への影響が少ない
マウスピース矯正は社会生活への影響が少ないという点でも高く評価されています。透明なマウスピースは目立たず、話す際にも違和感が少ないため、ビジネスシーンや日常生活でのコミュニケーションにほとんど影響を与えません。
また、取り外しが可能なため、大切な場面での装着を避けることもできます。ただし、マウスピースの管理とケアがしっかりと行われている場合に限ります。
例えば、マウスピースは取り外しが可能ですが、一日の大部分(22時間程度)は装着している必要があります。マウスピースの装着時間を厳守し、定期的なクリーニングを行うことです。
マウスピース矯正のデメリット
知っておくべき、マウスピース矯正の主なデメリットについて説明します。
デメリット | 内容 |
---|---|
長期的なメンテナンス |
矯正が完了した後も、リテーナーと呼ばれる保定装置を定期的に装着する必要 |
矯正中の食事制限 |
食事の際には注意が必要です。 特に硬い食べ物や粘り気のある食べ物は、マウスピースに負担をかける可能性 |
軽度の不正歯並びしか適応できないブランドがある |
一部の低価格ブランドは、軽度から中度の症状や部分矯正に特化 一方で、インビザラインのような高度な技術と症例実績を持つブランドは、より広範な症状に対応可能 |
長い装着時間が必要 |
毎日少なくとも約20時間の着用(理想は22時間)が必要 |
定期的な通院が必要 |
治療の進行状況を確認し、必要に応じて調整を行う 一般的には数週間から数ヶ月ごとに歯科医師によるチェックが必要 |
クリニックによる治療の質のばらつき | 矯正治療の経験や専門知識、使用するマウスピースの種類(例えばインビザラインなど)により、治療の成果に差が出る可能性 |
その他のデメリットについては以下の記事で解説しています。
マウスピース矯正の治療手順
一般的なマウスピース矯正の治療手順について説明します。
矯正計画の作成
矯正計画の作成は、治療の全体像を把握する基盤となるステップです。この段階で、歯科医師は患者の口腔内を詳細に診察し、X線や3Dスキャンなどの最新の診断技術を用いて矯正が必要な範囲と目標を明確にします。
なかでもインビザラインでは、3Dシミュレーションを用いて治療前後の歯並びをリアルタイムで確認可能です。このような先進的な技術を用いることで、患者は治療の進行をより具体的にイメージできます。
この計画段階でしっかりと質問と確認をすることが大切です。これが後の治療の成功を大いに左右します。
進行中の調整とケア
治療が始まってからも、矯正装置の状態や歯の動きを定期的にチェックする必要があります。進行中の調整とケアが重要なのは、矯正の進行に合わせて装置の調整が必要な場合が多いからです。
例えば、装置が適切にフィットしていないと、矯正の効果が半減してしまう可能性があります。インビザラインのようなブランドでは、途中での微調整が容易に行えるため、より効率的な治療が可能です。
アフターケアと保定
矯正治療が完了した後も、その効果を維持するためにはアフターケアが必須です。具体的には、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着することが一般的です。
保定が重要なのは、矯正した歯が元の位置に戻ってしまう「リバウンド」を防ぐためです。特にインビザラインでは、矯正後の歯の位置をしっかりと保つための専用のリテーナーが提供されています。
マウスピース矯正はどんな人におすすめ?
マウスピース矯正は以下のタイプの患者さんに特におすすめしています。
超重度の症状ではない
もしも不正歯列が極端に重い症状ではないなら、マウスピース矯正が最適な選択肢でしょう。極端に重度の症状にはワイヤー矯正など他の治療法が必要かもしれません。例えば、顎の骨格に問題がある場合などは、外科手術が必要なケースもあります。
軽度から中度の症状であれば、マウスピース矯正で効果的に改善できますし、インビザラインであれば、重度の症例でも適応可能です。他のマウスピースブランドでは矯正が難しいケースも、インビザラインなら可能なことも多いです。
まずは診断を受け、自分の症状がどのブランドに適しているかを確認することです。
忙しいライフスタイルの人
マウスピース矯正は、装置を自分で取り外すことができるため、食事や歯磨きが非常に便利です。また、忙しい毎日を送っている方にとって通院回数の多い治療法は避けたいでしょう。
マウスピース矯正なら、定期的な通院も少なく、装置も自分で簡単に取り外せます。定期的な通院も少なく、忙しいビジネスパーソンや学生にも適しています。食事や歯磨きの際のストレスもありません。
特定のブランドでは通院が全く不要な場合もあります。ただし、そのようなブランドはごく軽度の部分補正にしか向いていないことには気をつけましょう。
美容や見た目を気にする方
マウスピース矯正は、透明な装置を使用するため見た目が自然です。社交的なシーンでの印象、ビジネスでのプレゼンスが重要な方にマウスピース矯正はおすすめできます。
マウスピース矯正であれば矯正中でも自然な美しさを保てます。
マウスピース矯正はどんな人にはおすすめでない?
マウスピース矯正以外の矯正方法を検討すべきタイプの患者さんについて説明します。
マウスピース矯正でのありがちな失敗例と対応策について以下の記事で解説しています。
重度の歯並びや噛み合わせの問題を持つ
マウスピース矯正は非常に便利で効果的な治療法ですが、重度の歯並びや噛み合わせの問題には対応できない場合があります。
特に、顎の位置が大きくずれているようなケースでは、より専門的な治療が必要とされます。極端に重度の症状に対しては、まずは矯正歯科専門医による詳細な診断が必要です。
矯正手法としてマウスピース矯正が抱える苦手分野について、以下の記事で解説しています。
継続的な自己管理が難しい人
マウスピース矯正は、矯正装置を定期的に交換するなど、一定の自己管理が求められます。継続的な自己管理が難しいと感じる方には、この治療法はおすすめできません。
矯正治療は長期戦ですので、自分自身でのケアがしっかりとできるかどうかを事前に考慮することが重要です。
超短期で矯正を急いでいる人
マウスピース矯正も一定の期間と手順が必要です。超短期で矯正を完了させたいと考えている方には、この方法は向いていません。
矯正治療には時間がかかることを理解し、その上で治療を始めるべきでしょう。
まとめ
マウスピース矯正の全てを網羅的に解説しました。ワイヤー矯正との違いから、費用対効果、メリット・デメリットまで、歯列矯正に興味がある方は必見の情報だったでしょう。
特に、マウスピース矯正に興味を持っている方にとって、この記事の情報は選択肢を広げ、より明確な判断を下すための貴重な指針となったのではないでしょうか。
もし、さらなる疑問点や懸念点、自分の症例に何が向いているか知りたい場合は、お気軽に矯正歯科専門医に相談してください。その際は、特定の矯正方法に特化した歯科医院ではなく、どんな矯正方法にも柔軟に対応できる大型総合医院への受診をおすすめします。
費用と効果をしっかり比較し、自分に最適なブランドを見つけることで、あなたの人生をより良い方向へと大きく変えてください!
よくある質問
マウスピース矯正はどんな人におすすめですか?
- 軽度から中度の症状の人
- 忙しいライフスタイルの人
- 見た目を重視する人
マウスピース矯正のデメリットは?
- 長期的なメンテナンス
- 矯正中の食事制限
- 軽度から中度の不正歯並びしか適応できないブランドがある
- ブランドによって価格差、効果が大きい
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