インビザラインのリテーナーとは?
マウスピースが終わったら矯正終わりじゃないの?
リテーナーはいつまで着ける?夜だけ?
インビザライン矯正が終わると、リテーナーを着ける保定期間があります。「せっかくマウスピースが外れたのに」と感じる方もおられるかもしれません。
治療後のリテーナーを着ける期間の過ごし方が、きれいな歯並びを完成させるかどうかの分かれ目となります。
今回の記事では以下のことをご説明します。
- リテーナーとは?
- 矯正が終わったのに必要な理由は?
- どれくらいの期間?夜だけ着ければいいのか?
- リテーナーに関するQ&A
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リテーナーとは?
リテーナーとは、矯正治療が終わった後、歯並びを安定させるために口内に着ける上記画像のような装置です。
矯正直後の歯は安定しておらず、そのままだと元の位置に戻っていこうとします。そのため、歯列矯正の終了後にリテーナーで歯の位置を固定することで、後戻りを防がなければなりません。
ワイヤー矯正やインビザライン矯正など矯正法に関わらず、リテーナーを着けるようお勧めしています。インビザライン矯正では、ビベラリテーナーという専用のリテーナーが使われることが多いです。
マウスピースとの違いは?
リテーナーとマウスピース(アライナー)は見た目はほとんど変わりません。しかし、素材や目的が大きく異なります。
マウスピースと同じく自分で取り外し可能なタイプと固定式の2タイプがあります。
- 可撤式(かてつしき)リテーナー:自分で取り外し可能なタイプ
- 固定式リテーナー:自分では取り外しできないタイプ。フィックスタイプとも呼ばれる。
治療の場所や治療前の症状、患者さんの希望により歯科医が選択します。
関西随一の実力派プラチナ認定医芦屋M&S歯科・矯正クリニックに歯並び矯正をお気軽にご相談ください。
リテーナーはいつまで装着?
個人差はありますがリテーナー装着は1〜3年ほどの期間と考えてください。とりわけ矯正が終わってから1年半は、歯が後戻りをするリスクが高くなる期間です。
矯正治療が終わってから保定期間に入り、歯科医からリテーナーの着用を指示されるでしょう。
リテーナーの装着期間や時間帯は決して自己判断せずに、矯正歯科医の指示を守りましょう。
装着は夜だけでいいの?
歯のかみ合わせ具合が安定したと歯科医が判断する場合、就寝する夜間のみの着用で良いと指示されます。
それまでは一日中の装着を心がけ、可撤式リテーナーの場合は歯磨きと飲食をする時以外は必ず装着しましょう。
インビザライン矯正期間の平均について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
インビザライン矯正の後にリテーナーが必要なのはなぜ?
リテーナーを着けるのは、矯正で移動させた歯を固定し後戻りしないようにするためです。マウスピース矯正では、歯に一定の力を加えて以下のように歯が動いていきます。
- 歯槽骨(歯の周りの骨)が溶ける
- 骨が溶けてできた隙間に歯が移動する
- 歯が移動してできた隙間に新しい骨が再生する
ただ、歯が移動した位置でしっかりと固定されるには時間がかかります。矯正治療の終了後すぐはまだ固定されていません。
放っておくと、歯を前の位置に戻そうとする力が働きます。リテーナーを使うことで歯の周りの骨を安定させ、動かないようガードしてくれます。
リテーナーの種類とそれぞれの違い
リテーナーには、患者自身で取り外せる可撤式リテーナーと、取り外せない固定式リテーナーがあります。
代表的なのは以下のリテーナーです。
可撤式・固定式 | 種類 | 備考 |
---|---|---|
可撤式リテーナー | ビベラリテーナー |
インビザライン専用 芦屋M&S歯科・矯正クリニックで使用 |
スプリングリテーナー | 芦屋M&S歯科・矯正クリニックで使用 | |
QCMリテーナー | 芦屋M&S歯科・矯正クリニックで使用 | |
ベッグタイプリテーナー | ||
ホーレータイプリテーナー | ||
トゥースポジショナー | ||
固定式リテーナー | ボンデッドワイヤー | |
リンガルアーチ |
それぞれの種類について説明します。
ビベラリテーナー(可撤式)
ビベラリテーナーは、インビザラインでの矯正をしたあとに使われる専用のリテーナーです。以下のどちらかの方法で、自分の歯並びに合うよう作製されます。
- 矯正終了後の歯並びから型取りして作製する
- クリンチェックのデータから作製する
クリンチェックとは、インビザラインの会社独自の3Dシミュレーションソフトのことです。治療前に、インビザライン矯正の最終的な仕上がりをシュミレーションできます。
上の画像のように、インビザラインと同じく透明なマウスピースのため目立たず、自分で手入れができるもメリットです。不必要な力が加わると破損するので、装着の際は手指で優しく左右均等に力がかかるように着けてください。
歯ぎしりや食いしばり癖のある方は、破損する恐れがあるので歯科医にご相談ください。芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、基本的にビベラリテーナーを使用します。
スプリングリテーナー(可撤式)
スプリングリテーナーは、上の画像のように主に下顎の前歯に着ける保定装置です。犬歯と犬歯にクラスプ(入れ歯と同じようなツメ)をかけ、その間にある前歯4本をワイヤー入りのレジンで表と裏から押さえます。
ホーレータイプリテーナー、ベッグタイプリテーナーとの併用により上下の歯並びを同時に保定することも可能です。この装置には単に固定するだけでなく復元力もあるので、矯正治療中の軽度の後戻り症例に対応できます。
QCMリテーナー(可撤式)
QCMリテーナーは、上の画像のように透明なファイバーにより歯列の表側全体を包み、レジンで歯列の裏側を固定します。
レジンとは、インビザラインのアタッチメントと同じ歯科用プラスチック樹脂のことです。
インビザラインのアタッチメントについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
目立ちにくく審美性に優れていることは大きなメリットでしょう。しかしながら、長期間の使用では劣化するデメリットがあります。
芦屋M&S歯科・矯正クリニックでも、目立ちにくQCMリテーナーを良く使用します。
ベッグタイプリテーナー(可撤式)
ベッグタイプリテーナーは、ワイヤーにより歯列の表側全体を包み、レジンで歯列の裏側を固定します。QCMリテーナーとほぼ同じ構造の装置です。
前歯を取り囲む部分がファイバーではなくワイヤーでできています。ファイバーと比べると前歯唇側部分の保定力に優れています。
ベッグタイプは装置自体の耐久性が高いので、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方も安心して使えます。
歯の表側にワイヤーが出て装着時に目立つので、見た目を気にする方にとってはデメリットでしょう。また、歯の裏側に来る装置の厚みと幅により、慣れるまでは入れ歯のような違和感があるかもしれません。
ホーレータイプリテーナー(可撤式)
ホーレータイプリテーナーも、ベッグタイプと同様、歯列の表側をワイヤーで抑え、裏側をプラスチックのプレートで固定します。
歯列全体ではなく主に前歯(犬歯から犬歯の6本のみ)を保定する点で、ベッグタイプとは異なります。ベッグタイプリテーナーと同じく、装置自体の耐久性が高いので、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方も安心して使えます。
しかし、ワイヤーが装着時に目立つのはデメリットです。また、歯の裏側に来る装置の厚みと幅により、慣れるまでは違和感があるかもしれません。
トゥースポジショナー(可撤式)
トゥースポジショナーは、ボクシングのマウスピースのような形状をした上下一体型の保定装置です。嚥下時(食べ物を噛んで飲み込む時)に舌を歯列に押しつけるなどの癖がある場合に、ブロックして歯の後戻りを防いでくれます。
薄型のマウスピースリテーナーとは違い、装置自体が大きいので口内で違和感も強くなるかもしれません。上下一体型なので人前では着けにくく、装着シーンが限られるのもデメリットでしょう。
ボンデッドワイヤー(固定式)
ボンデッドワイヤーは、犬歯から犬歯の裏側に歯科専用のボンドでワイヤーを接着し固定する方法です。ワイヤーボンドとも呼ばれています。
上顎、下顎どちらでも使用できます。
歯の裏側に着けるため、見た目を気にすることなく過ごすことができます。ただ、歯と歯を強固に留めるので歯磨きはしづらいでしょう。
芦屋M&S歯科・矯正クリニックでは、ビベラリテーナーを使わない人や奥歯をより噛み合わせたい人にはボンデッドワイヤーを使用します。
リンガルアーチ(固定式)
リンガルアーチは、上顎の保定に使われる固定式リテーナーです。通常、矯正治療で奥歯の移動を抑えるために用いる装置です。
治療が終わった後も、口内に残して保定装置として利用することもあります。上顎の左右の第一大臼歯に接着した金属製のバンドにワイヤーを装着し、左右の第一大臼歯を繋ぎます。
固定されている金属のバンドやワイヤー周りは歯磨きをしづらい場所なので、虫歯が発生しないよう注意が必要でしょう。
リテーナーの清掃と日常ケア
リテーナーは適切なケアを怠るとリテーナー自体が汚れ、口腔内の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、リテーナーの清掃方法や日常のケアについて詳しく説明いたします。
リテーナーの清掃方法
リテーナーの清掃は毎日の習慣として取り入れることが重要です。まず、毎日のリテーナーの清掃には専用の洗浄液を使用することをお勧めします。市販のリテーナー洗浄剤は、リテーナーに付着した細菌や食べかすを効果的に除去します。
リテーナーを外した後、すぐに流水で洗い流し、次に洗浄液に浸けるとよいでしょう。
さらに、定期的に柔らかい歯ブラシを使用してリテーナーを優しく磨くことも重要です。硬い歯ブラシを使用するとリテーナーに傷がつくことがあるため注意が必要です。
また、歯磨き粉は研磨剤が含まれていることが多く、リテーナーの表面を傷つける可能性があるため、使用しないようにしてください。
口腔洗浄液では不十分
リテーナーのケアに関してよくある誤解は、「リテーナーを洗うのに口腔洗浄液を使用すれば十分である」というものです。口腔洗浄液は口内の殺菌には効果的ですが、リテーナーの清掃には専用の洗浄液を使用する方が効果的です。
リテーナーの保管方法
リテーナーを使用しないときは、乾燥を防ぐために専用のケースに保管することが大切です。リテーナーを水につけたまま保管することもありますが、その場合は水を毎日交換し、清潔な状態を保つよう心がけてください。
専用ケースに保管することで、リテーナーの変形や破損を防ぎます。
日常のケア方法
リテーナーの寿命を延ばすためには、日常のケアも欠かせません。リテーナーを取り扱う際は、常に清潔な手で扱うようにしましょう。また、食事の際にはリテーナーを外し、食べ物のカスがリテーナーに付着しないようにすることが重要です。
食事後は必ず歯を磨き、口腔内を清潔に保つことで、リテーナーも清潔に保てます。これを怠るとリテーナーに細菌が繁殖し、口腔内の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
リテーナーを装着したまま飲食できる?
リテーナーを装着したままの飲食は基本的に避けることが推奨されます。食べ物や飲み物がリテーナーに付着すると、リテーナー自体が汚れやすくなり、細菌が繁殖しやすくなります。また、硬い食べ物や熱い飲み物はリテーナーを変形させる恐れがあります。
もしどうしてもリテーナーを装着したまま飲食する場合は、水や無糖のお茶などの透明で着色しない飲み物を選ぶと良いでしょう。これにより、リテーナーが着色するのを防ぎます。しかし、食べ物は必ずリテーナーを外してから摂取するようにしましょう。特に、粘り気のある食べ物や糖分の多い飲み物はリテーナーに悪影響を及ぼしますので避けるべきです。
リテーナー装着時に発生する問題の対処法
リテーナーの使用中にはいくつかの問題が発生する可能性があります。代表的な問題としては、痛み、破損、紛失が挙げられます。ここでは、それぞれの問題についての対処法を詳しく説明いたします。
装着時の痛み
リテーナーを装着した際に痛みを感じることがあります。これはリテーナーが歯列を矯正しているためであり、通常は数日で痛みが和らぎます。
しかし、痛みが長期間続く場合や強い痛みを感じる場合は、リテーナーが正しく装着されていない可能性があります。歯科医に相談し、リテーナーの調整を受けることをお勧めします。
破損
リテーナーは繊細な装置であり、誤った取り扱いや硬い食べ物などによって破損することがあります。破損したリテーナーはすぐに使用を中止し、速やかに歯科医に相談してください。
破損を防ぐためには、リテーナーを取り扱う際には両手を使い、無理に引っ張らないようにすることが重要です。また、リテーナーを洗浄する際には冷水を使用し、熱い水は避けてください。
紛失
リテーナーは小さく、取り外した際に紛失することがしばしばあります。リテーナーを外した際には必ず専用のケースに保管する習慣をつけましょう。特に食事中や外出先でリテーナーを外す場合は、ケースを忘れずに持ち歩くことが大切です。
万が一リテーナーを紛失した場合は、速やかに歯科医に連絡し、新しいリテーナーを作成してもらう必要があります。
まとめ
インビザラインで歯並び矯正が終わると、それですべて終わりという訳ではありません。インビザライン歯の根元をしっかり固めてきれいな歯並び保つためにリテーナーの使用が必要です。
インビザライン矯正期間中だけではなく、矯正をしたあとの対応や虫歯になってしまった時も的確な対応が必要です。
歯並び矯正をする際には、様々な分野に精通している歯科医がそろっている大型矯正歯科を選ぶと安心です。
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よくある質問
リテーナーとは?
リテーナーとは、矯正治療が終わった後、歯並びを安定させるために口内に着ける装置です。
ワイヤー矯正やインビザライン矯正など矯正法に関わらず、リテーナーを着けるようお勧めしています。
リテーナーにはいくつかの種類があります。
リテーナーはいつまで装着する?
個人差はありますがリテーナー装着は1〜3年ほどの期間と考えてください。
とりわけ矯正が終わってから1年半は、歯が後戻りをするリスクが高くなる期間です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
リテーナーの清掃方法は?
リテーナーの清掃は毎日の習慣として取り入れることが重要です。専用の洗浄液を使用し、リテーナーを外した後すぐに流水で洗い流し、次に洗浄液に浸けると良いでしょう。定期的に柔らかい歯ブラシで優しく磨きましょう。歯磨き粉は研磨剤が含まれているため使用しないでください。
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