マウスピース矯正は、目立たず、取り外しも可能な歯列矯正として注目を集めています。矯正期間中のQOL(生活の質)も、従来のワイヤー矯正と比べれば段違いのすばらしさですが、それでも装置の装着に伴う痛みや違和感に悩まされる方も少なくありません。
「マウスピース矯正が痛いのは当たり前?」「痛みが続くのは自分だけ?」と不安を感じている方も多いでしょう。
この記事では、マウスピース矯正の痛みの原因と対処法、そして快適な矯正生活を送るためのコツを詳しく解説します。マウスピース矯正の痛みには明確な原因があり、適切な対処法を知ることで、不安や苦痛を和らげることができるのです。
歯の移動に伴う一時的な痛みは避けられませんが、過度な痛みや長期間続く痛みは、何らかの問題のサインかもしれません。我慢せずに歯科医に相談してください。
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マウスピース矯正中の痛みの原因
マウスピース矯正装着中の痛みは、矯正治療に伴う自然な反応ですが、時には強い不快感を伴うこともあるでしょう。痛みの原因は様々です
歯が正常に動いている
マウスピース矯正で歯が動く過程では、歯根膜の血管が圧迫され、充血や腫れが生じます。これにより、歯の周りの神経が刺激され、痛みを感じるのです。また、歯槽骨も歯の移動に合わせてリモデリング(再構築)されますが、このプロセスでも痛みを伴うことがあります。
痛みの程度は、歯の移動量や移動速度、個人の痛みへの感受性などによって異なります。多くの場合、痛みは一時的で、数日から数週間で自然に和らいでいきます。しかし、痛みが長期間続く場合は、歯科医に相談することをおすすめします。
虫歯・歯周病
虫歯や歯周病がある状態でマウスピースを装着すると、痛みがより強くなったり、治療効果が低下したりする可能性があります。
虫歯は、歯の表面のエナメル質が溶けて歯の内部に細菌が侵入することで発生します。マウスピースを装着すると、虫歯の部分に圧力がかかり痛みを引き起こすことがあります。
歯周病は、歯肉の炎症が進行し、歯を支える骨や組織が損傷を受ける状態です。歯周病が進行すると、歯がグラグラして痛みを感じることがあります。マウスピースを装着すると、歯周病の症状が悪化し、痛みが増すことがあります。
矯正治療を始める前に、歯科医による口腔内の健康チェックを受け、必要な治療を済ませておくことが大切です。
マウスピースの不具合
マウスピースの不具合も、装着中の痛みの原因になることがあります。マウスピースが適切にフィットしていない場合、特定の歯に過剰な圧力がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
例えば、以下のような不具合は痛みの原因となります。
- マウスピースの端が歯茎に当たっている
- マウスピースにとがった部分がある
- マウスピースが歯に均等に接触していない
- マウスピースが歯の咬合面に干渉している
上記不具合があると、歯茎に痛みや違和感が出ることがあります。また、一部の歯に集中的な力がかかり、痛みの原因となります。
マウスピースの不具合は、製作時のエラーや、装着中の取り扱いによって生じることがあります。定期的な歯科医の診察を受け、マウスピースのフィット状態を確認することが重要です
アタッチメントをつけた
マウスピース矯正では、歯の特定の部分に小さなアタッチメントを取り付けることがあります。アタッチメントは、マウスピースの保持力を高め、歯の移動をより効果的に行うために使用されます。
アタッチメントを新しく取り付けた直後は、違和感や痛みが出ることがよくあります。アタッチメントは歯の表面から突出しているため、マウスピースを装着すると、アタッチメントの部分に集中的な力がかかります。この力が、歯や歯茎に痛みや不快感を引き起こすのです。
また、以下のような場合も痛みの原因となり得ます。
- アタッチメントの接着面が歯の表面からはみ出している
- アタッチメントにとがった部分がある
- アタッチメントの高さや形状が不適切
アタッチメントによる痛みは、装着直後に最も強く感じられますが、通常は数日から数週間で徐々に和らいでいきます。強い痛みが長期間続く場合や、アタッチメントの接着面に問題がある場合は、歯科医に相談することをおすすめします。
顎間ゴムをつけた
顎間ゴムを初めて使用した際や、ゴムの強度を上げた直後は、痛みや違和感が生じることがあります。顎間ゴムは、上下の歯列のマウスピースに取り付けられる小さなゴムバンドです。
顎間ゴムを使用することで、上下の歯列の位置関係を調整し、かみ合わせを改善することができます。顎間ゴムは、上下の歯に持続的な力を加えるため、歯や顎の筋肉に負担がかかります。この負担が、痛みや疲労感の原因となるのです。
顎間ゴムの使用に伴う痛みは、個人差が大きいですが、多くの場合、数日から数週間で徐々に和らいでいきます。ただし、強い痛みが続いたり、顎の動きに制限を感じたりする場合は、歯科医に相談することが大切です。
歯が後戻り
歯が後戻りすることも、マウスピース矯正中の痛みの原因になり得ます。後戻りとは、矯正によって移動した歯が、元の位置に戻ろうとする現象を指します。
後戻りによる痛みは、マウスピースの装着時間が不足している場合に生じやすくなります。そして、後戻りの動きに抵抗するためにマウスピースを再び装着すると、歯に強い力がかかり痛みを感じることがあります。
また、矯正治療の後期に入ると、歯の移動量が減少するため、後戻りが生じやすくなります。この段階では、リテーナーと呼ばれる保定装置を使用して、歯の位置を維持することが重要です。
後戻りを防ぐためには、歯科医の指示に従ってマウスピースを適切な時間装着することが大切です。
かたいものを食べた
マウスピース矯正中は、かたいナッツやキャンディ、かたい肉などかたい食べ物を噛むことで痛みを感じることがあります。歯を動かすときは、歯の周りの歯根膜や歯槽骨が柔らかくなっているので、かたい食べ物を噛むと、歯に強い力がかかり、痛みを感じやすくなるのです。
特に、歯の移動方向と反対の力がかかると、痛みがより強くなることがあります。
ただし、かたい食べ物を食べただけで強い痛みが生じる場合は、歯の移動が適切に行われていない可能性があります。痛みが続く場合は、歯科医に相談し、マウスピースの調整や交換を検討する必要があります。
マウスピースを交換したばかり
マウスピース矯正では、一定期間ごとにマウスピースを交換します。新しいマウスピースに交換した直後は、歯や歯茎に痛みや違和感が出ることが多いです。
マウスピースを交換すると、歯の移動方向や移動量が変化するため、歯の周りの組織に負担がかかります。交換直後の痛みは、数日から数週間続くことがありますが、徐々に和らいでいきます。
痛みが強く、長期間続く場合は、歯科医に相談することが大切です。マウスピースの調整や、歯の移動計画の見直しが必要になることがあります。
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マウスピース矯正の痛みを和らげる対処法
マウスピース矯正治療中の痛みは、いくつかの対処法を実践することで、痛みを和らげ、快適に矯正治療を続けることができます。
マウスピースを短時間外す
マウスピースによる歯への圧力が痛みの原因となっている場合、一時的にマウスピースを外すことで痛みを和らげることができます。ただし、矯正の効果を維持するためには、1日20時間以上のマウスピース装着が必要です。
痛みが強い場合は、食事の際にマウスピースを外す時間を延長したり、就寝前に30分ほど外したりすることで、歯や顎の負担を軽減できます。ただし、長時間のマウスピース非装着は避けるようにしましょう。
歯科医に相談する
以下のような場合は、できるだけ早く歯科医に相談しましょう。
- 痛みが1週間以上続き、改善が見られない場合
- 痛みが徐々に悪化している場合
- 痛みが歯の特定の部分に集中している場合
- 痛みによって食事や睡眠に支障をきたしている場合
- マウスピースに明らかな破損や変形がある場合
矯正専門医は、マウスピースの調整や交換、痛み止めの処方、アタッチメントの調整など、適切な対処法を提案できます。我慢せずに相談することで、痛みを和らげ、矯正治療を円滑に進めることができます。
痛み止めを飲む
市販の鎮痛剤を服用することで、マウスピース矯正に伴う痛みを和らげることができます。就寝前やマウスピースを交換した直後に服用することで、痛みによる不眠や不快感を軽減できます。
ただし、痛み止めは一時的な対処法であり、長期的な使用は避けるべきです。服用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
マウスピースの端を削ってもらう
マウスピースの端が歯茎に当たって痛みを感じる場合は、歯科医に相談し、マウスピースの端を削ってもらうことで痛みを和らげることができます。
歯科医は、マウスピースの端を適切な長さに調整し、滑らかに仕上げることで、歯茎への刺激を最小限に抑えることができます。また、マウスピースの端を内側に丸めることで、唇や頬への干渉を防ぐこともできます。
ただし、マウスピースの形状を大きく変えると、矯正の効果が損なわれる可能性があります。痛みが続く場合は、歯科医と相談し、適切な対処法を検討しましょう。
ひとつ前のマウスピースに戻す
新しいマウスピースに交換した直後の痛みが強い場合、一時的に前のマウスピースに戻すことで痛みを和らげることができます。
新しいマウスピースは、歯の移動に合わせて設計されているため、装着直後は歯に強い力がかかります。一方、前のマウスピースは、すでに歯の形状に適合しているため、歯への負担が少なくなります。
ただし、前のマウスピースへの移行は、あくまでも一時的な対処法です。長期的に前のマウスピースを使用すると、矯正の進行が遅れる可能性があります。痛みが和らいだら、速やかに新しいマウスピースに切り替えることが大切です。
やわらかい食べ物に切り替える
マウスピース矯正治療中は、かたい食べ物を避け、やわらかい食べ物を選ぶことで、歯や顎の負担を軽減し、痛みを和らげることができます。
かたい食べ物を噛むと、歯に強い力がかかり、痛みを引き起こすことがあります。特に、ナッツ類、かたい肉、かたいキャンディなどは、歯への負担が大きくなります。
一方、やわらかい食べ物は、歯への圧力が少なく、痛みを和らげることができます。例えば、以下のような食べ物がおすすめです。
- やわらかく煮た野菜や果物
- 豆腐やスクランブルエッグなどのやわらかいタンパク質源
- ヨーグルトやプリンなどの乳製品
- お粥やパスタなどのやわらかい炭水化物
また、大きな食べ物は小さく切って食べるようにしましょう。大きな食べ物を噛むと、歯に不均等な力がかかり、痛みを引き起こすことがあります。
治療中は、一時的に食事の内容を変更することが必要になるかもしれません。しかし、バランスの取れた食事を心がけ、必要な栄養素を摂取することが大切です。痛みが和らいだら、徐々に普通の食事に戻していきましょう。
マウスピース矯正治療中に避けるべき行動
マウスピース矯正治療を順調に進め、良好な結果を得るために避けるべき行動にも注意が必要です。これらの行動を続けると、矯正の効果が損なわれたり、歯や口腔内の健康を害したりする可能性があります。
マウスピース着用を勝手にやめる
マウスピース矯正治療の効果を最大限に発揮するには、1日20〜22時間のマウスピース装着が不可欠です。しかし、痛みや不快感から、勝手にマウスピースの着用をやめてしまう人がいます。
マウスピースの装着時間が不足すると、歯の移動が遅れたり、せっかく移動した歯が元の位置に戻ってしまったりすることがあります。また、不規則な装着は、歯の移動を不均一にし、かみ合わせに悪影響を及ぼす可能性があります。
治療を成功させるためには、歯科医の指示に従って、毎日決められた時間マウスピースを装着することが大切です。
刺激でごまかす
マウスピース装着による痛みや不快感を紛らわせるために、ガムを噛んだり、歯ぎしりをしたりする人がいます。しかし、これらの行動は、かえって痛みを悪化させたり、歯や顎に負担をかけたりする可能性があります。
ガムを噛むと、歯に不必要な力がかかり、痛みや歯の損傷を引き起こすことがあります。ガムは噛めないわけではありませんが、マウスピースを装着したままでは噛みにくく食感も良くありません。
また、歯ぎしりは、歯や顎の筋肉に過度の負担をかけ、頭痛や顎の痛み、歯の損傷などを引き起こす可能性があります。痛みや不快感を刺激でごまかすのではなく、痛みの原因を特定し、根本的な解決を図ることが重要です。
我慢しすぎる
マウスピース矯正治療中は、ある程度の痛みや不快感が伴うことが一般的です。しかし、強い痛みが長期間続く場合は、我慢せずに歯科医に相談することが大切です。痛みを我慢しすぎると、問題が悪化し、治療の中断や延長を余儀なくされる可能性があります。
歯科医は、痛みの原因を特定し、適切な対処法を提案してくれます。マウスピースの調整や交換、痛み止めの処方など、様々な方法で痛みを和らげることができます。
マウスピース矯正の痛みはいつまで続くのか
マウスピース矯正治療による痛みは、装置の種類や個人の感受性によって異なりますが、以下のような経過をたどることが多いです。
装着開始からの期間 | 代表的な痛みの経過 |
---|---|
数日間 | 歯や顎に強い圧力がかかるため、痛みや違和感が最も強く感じられる 数日から1週間程度続くことが一般的 |
1週間から1カ月程度 | 強い痛みが和らいだ後も、歯の移動に伴う痛みや違和感が続くことがある 徐々に軽減していきます |
1カ月以降 | ほとんどの場合、1カ月以内に痛み解消 歯の移動が大きい部位や、顎の関節に負担がかかる場合は、痛みが長引くこともある |
装置の交換時 | 新しいものに交換する際は、再び痛みや違和感が生じることがある ただし、装着に慣れるにつれ、数日から1週間程度で痛みは和らぐ |
上記の目安はあくまでも一般的なものであり、個人差が大きいことに注意が必要です。痛みの程度や持続期間が通常と異なる場合は、歯科医に相談することをおすすめします。
痛みに負けない快適な矯正生活を送る心構え
長期間のマウスピース矯正を快適に過ごすためのアドバイスをご紹介します。
痛みや不快感は一時的なもの
マウスピース矯正治療では、歯の移動に伴う痛みや違和感は避けられません。しかし、これらの症状は一時的なものであり、時間とともに和らいでいくことを理解しておくことが大切です。痛みを恐れずに、前向きな気持ちで治療に臨みましょう。
自分に合ったペースで大丈夫!
矯正治療は、個人差が大きく、治療期間や進行速度は人それぞれです。自分に合ったペースで治療を進め、無理のない範囲で装置の装着を続けることが重要です。治療の進み具合を気にしすぎず、自分のペースを大切にしましょう。
歯科医とのコミュニケーションを大切にする
治療中は、疑問や不安を抱え込まずに、歯科医に相談することが大切です。定期検診の際は、症状や生活上の不便さについて、遠慮なく伝えましょう。歯科医は、あなたの状況に合わせて、適切なアドバイスや処置を提供してくれます。
まとめ
マウスピース矯正治療は、歯列矯正の効果的な方法ですが、痛みや不快感を伴うことがあります。しかし、その原因を理解し、適切な対処法を実践することで、不安や苦痛を和らげることができます。
矯正治療中は、歯科医とのコミュニケーションを大切にし、痛みや違和感があれば我慢せずに相談しましょう。また、マウスピースの装着時間を守り、口腔内のケアを怠らないことも重要です。治療の過程では、一時的な不便さもあるかもしれませんが、美しい歯並びと健康的な口腔機能を獲得するという目標を忘れずに、前向きな気持ちで取り組むことが大切です。
適切な対処法と心構えを持つことで、快適なマウスピース矯正生活を送ることができるでしょう。
よくある質問
マウスピース矯正の痛みはいつまで続くのでしょうか?
マウスピース矯正の痛みは、装置の種類や個人差によって異なりますが、一般的には以下のような経過をたどります。
- 装着直後から数日間:痛みや違和感が最も強く感じられる時期で、数日から1週間程度続くことが一般的です。
- 1週間から1カ月程度:装着直後の強い痛みが和らいだ後も、歯の移動に伴う痛みや違和感が続くことがありますが、徐々に軽減していきます。
- 1カ月以降:ほとんどの場合、痛みや違和感は1カ月以内に解消します。ただし、顎の関節に負担がかかる場合などは、痛みが長引くこともあります。
痛みの期間は個人差がありますが、適切な対処法を行うことで、不快感を和らげることができます。
マウスピース矯正中の痛みを和らげる方法は?
マウスピース矯正中の痛みを和らげるためには、以下のような方法があります。
- 痛み止めの服用:医師や歯科医の指示に従って、市販の鎮痛剤を服用することで痛みを和らげることができます。
- 冷却:アイスパックなどで痛みのある部分を冷やすことで、痛みや腫れを軽減できます。
- やわらかい食事:痛みが強い時期は、やわらかい食べ物を中心に食事を摂ると、歯や顎への負担を減らすことができます。
- マウスピースの調整:マウスピースの端が歯茎に当たって痛みを感じる場合は、歯科医に相談して調整してもらいましょう。
- 一時的なマウスピースの取り外し:我慢できないほどの痛みがある場合は、歯科医に相談の上、一時的にマウスピースを外すことで痛みを和らげることができます。ただし、マウスピースの装着時間が不足すると矯正の効果が減少するため、できるだけ指示された時間は装着するようにしましょう。
マウスピース矯正中の痛みはいつ歯科医に相談するべき?
マウスピース矯正中に痛みを感じることはよくありますが、以下のような場合は歯科医に相談することをおすすめします。
- 痛みが非常に強く、日常生活に支障をきたす場合
- 痛みが1週間以上続き、改善が見られない場合
- 痛みが徐々に悪化している場合
- 痛みが特定の歯に集中している場合
- マウスピースに明らかな破損や変形がある場合
痛みの原因は様々ですが、歯科医は詳しく診察し、適切な対処法を提案してくれます。我慢せずに相談することで、痛みを和らげ、快適に矯正治療を続けることができるでしょう。
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