この記事の概要は?
マウスピース矯正を検討している方の多くが、矯正に必要な期間やコストに不安を感じておられるようです。確かに、その疑問に正面から向き合わない限り、最適な治療決断にはたどり着けません。
本記事では、マウスピース矯正に実際にいくらの期間と費用がかかるのかをデータに基づいて詳細に解説します。併せて個人差が大きい理由や期間短縮のコツ、他治療との違いなどについても、歯科医の目線で丁寧に解き明かします。
正しい情報を得た上で専門医と相談することで、マウスピース矯正の可能性を最大限に引き出すことができるはずです。疑問や不安を払拭して最適な治療選択の一助としてください。
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こちらの記事でインビザライン矯正のメリット・デメリット、向いている症例・向いていない症例について詳しく説明しています。
マウスピース矯正に必要な期間は?
マウスピース矯正には大きく分けて「本治療期間」と「保定期間」の2つの段階があります。
本治療期間については、部分矯正で平均12-18カ月(1~1.5年)程度、全体矯正で平均18~36カ月(1.5年~3年)程度を要することが一般的です。
その後、歯並びを固定しリバウンドを防ぐための保定期間が別途必要になります。保定期間は少なくとも6カ月以上が推奨されており、場合によっては12カ月以上かかることもあるでしょう。
したがってマウスピース矯正の全治療期間は、部分矯正でも最低18カ月は必要と考えるべきです。全体矯正の場合には4年程度も視野に入れる必要があるでしょう。
インビザラインが他ブランドより矯正期間が長いと言われる理由
インビザラインではより確実な歯の移動と保定を目的として、緩やかな力でゆっくりと歯を移動させる治療方針を採用しています。そのため、他ブランドと比較して矯正期間が長くなりがちです。
また、インビザラインが、他マウスピースブランドでは対応できない中重度矯正への本格的対応を可能にしているために、取り扱う症例範囲が非常に広い特徴があります。通常、中重度ほど治療期間が長期化しますから、全体の平均期間は結果として長くなりがちです。
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マウスピース矯正期間の長さに影響を与える4つの要因
マウスピース矯正の治療期間は一概に決められたものではなく、個人差が大きく影響します。特に以下の要因が期間の長短に深く関係していると考えられます。
歯並びと顎の状態
個人の歯並びと顎の骨格の状態は、マウスピース矯正の期間に大きな影響を与えます。
歯並びの乱れ方には前突、開咬、深咬、上下の不正咬合といった様々なパターンがあります。また、骨格の発育状態も人それぞれです。
歯並びの乱れが大きいほど矯正が難しく、期間も長くなりやすいです。重度の噛み合わせの乱れでは、30カ月以上の比較的長期の治療が必要になることがあります。
また、骨格にも問題がある症例、特に下顎の成長不全によって過剰に上顎が発達しているような症例は、併せて外科的な治療を要するケースも少なくありません。
この個人差が矯正の難易度を大きく左右し、必要とされる力のかけ方やアプローチも千差万別です。適切な治療計画を立てる上で、事前の評価が不可欠なのです。
着用時間
マウスピースによる矯正力を効率的かつ安全に歯に伝えるためには、より長時間の装着が求められます。
マウスピース矯正の標準的な1日の装着時間は最低20時間以上が推奨されています。可能であれば22時間程度の装着を心がけることが望ましく、この時間を確保するためにも、食事と歯みがき以外はできるだけマウスピースを外さないようにする必要があります。
長時間の確実な装着が、効率的な矯正力の伝達と期間の短縮につながるのです。
アライナー管理状態
マウスピース(アライナー)の適切な管理と定期的な調整は、治療期間を左右する重要な要素です。
マウスピースは口の中で常に薄い水膜で覆われている状態にあり、唾液の影響で細菌の増殖しやすい環境に置かれています。そのため衛生管理が行き届いていないと、マウスピース表面にプラークや食べかすが付着してしまいます。
汚れを放置すると歯肉に炎症を起こしてしまう可能性があり、歯を移動させる上で障害となります。そして、治療期間の大幅な延長を招くことにもなりかねません。
したがって、マウスピースの定期的な清掃・消毒、保管時のケース利用等の日常的管理は必須です。
歯科診察
マウスピース矯正を受けている患者さんにとって、定期的な歯科診察は欠かせません。お口の中で起きている変化を歯科医が定期的にチェックすることで、問題の早期発見・対策だけでなく治療期間の短縮にもつながるからです。
特にマウスピース装着に伴う歯ぐきの変化には注意が必要です。歯と歯ぐきの境目に炎症が生じることがあり、放置すると歯周病を発症する可能性があります。
歯ぐきの状態を定期的に確認し、必要に応じて歯科衛生士によるクリーニングを行うことで、このリスクを回避できます。
また、定期検診時にマウスピースの適合状態を評価し、必要な修正を施してもらうことも期間短縮に有効です。手入れを怠って変形したり、汚れてしまったマウスピースが放置されていると、歯の移動が思うように進まなくなります。
マウスピース矯正の期間を短くする4つの方法
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて矯正期間中の快適度が高いのが大きなメリットです。それでも、矯正期間は短いに越したことはありません。
矯正期間を短くする方法を説明します。
1日22時間マウスピース装着
マウスピース矯正の期間を短縮するためには、正しいマウスピースの装着と日常的な管理が最も重要です。
マウスピースを1日22時間装着することが目安です。装着中はできる限り外さずに過ごすよう心がけましょう。
食事や歯磨きの時間を除いては、マウスピースを体から離さない生活を送ることが理想的です。
口腔の衛生を保つ
マウスピース矯正の期間を短縮するには、効果的な口腔衛生習慣の維持が欠かせません。
歯と歯ぐきの健康状態が悪いと、マウスピースから加えられる力が歯の移動にうまく作用しない場合があります。歯ぐきに炎症や腫れが生じている状態では、歯をスムーズに動かすことが難しくなります。
歯みがきの励行や歯間ブラシの使用等により、常に清潔な口腔環境を保つよう心掛ける必要があります。垢や歯石が付着した状態が続くと、歯周病を引き起こしやすくなるので、セルフケアは欠かせません。
マウスピースを外した後は必ず水洗いし、起床時と就寝前の計3回は歯を磨く習慣をつけましょう。マウスピース本体の清掃にも努め、寝る前には洗浄液で洗っておきます。
定期的な歯科診察
マウスピース矯正の治療期間を短縮するうえで、定期的な歯科診察とそこで得られるフィードバックは非常に有効です。
マウスピース装着による歯の移動状況を、最低1~2カ月に1回は確認する必要があります。移動の方向やバランスがうまくいっているかを診断し、必要に応じてマウスピースの形状を微修正することで、より効率的な矯正力の伝達が可能になります。
歯科医からのアドバイスも大切です。例えば「この部位の歯ぐきに軽度の炎症が見られるので、歯間ブラシをこまめに使うこと」等のフィードバックをもとに、その後のマウスピースの使い方やケアを改善していけば、止まっている治療を前に進めることができるのです。
健康的な生活習慣とバランスの取れた食事
マウスピース矯正の治療期間短縮には、健康的な生活習慣とバランスの取れた食事も欠かせません。 不規則な生活習慣やストレスが多い状況下では、口の中の環境が悪化しがちです。疲労からくる免疫力の低下により歯ぐきの炎症が引き起こされやすくなるからです。
また、偏った食事を続けていると、歯や歯ぐき、そして全身状態にも悪影響が出やすくなります。歯の移動が思うように進まなくなったり、場合によっては体調を崩す可能性すらあります。
こうしたリスクを減らすうえで、規則正しい生活リズムを心がけることや、栄養バランスの取れた食事を心掛けることが大切です。適度な運動や睡眠で体調を整えることも効果的でしょう。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の期間比較
マウスピース矯正とブラケット矯正(ワイヤー矯正)は、歯列矯正のための代表的な2つの治療法です。
治療期間については、対象となる不正の程度や範囲によって大きな幅があるため、一概には比較できません。それでも、一般的にはワイヤー矯正の方が短期間で高い矯正力を発揮します。一方、マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べると比較的緩やかに歯を動かす仕組みです。
矯正期間のQOL(生活の質)も重要
マウスピースの大きなメリットは、装着感や外観の自然さです。ワイヤー矯正のブラケットに比べて目立たず、発音等の機能障害も少ないです。食事制限もブラケットより緩やかで、日常生活への影響は小さいといえます。
一方でブラケットは定期的な調整が必要不可欠で、頻繁な通院が欠かせません。また食事制限も厳しく、口腔内管理にも手間と労力が求められます。こうした治療生活はQOLを下げる要因になりかねません。
したがって、日常的な負担感や生活の質に配慮したい場合、マウスピース矯正が向いていると言えるでしょう。装着感のストレスが少ない分、長期的なコンプライアンスの維持にも有利だからです。
マウスピース矯正に向いている人、ワイヤー矯正に向いている人
マウスピース矯正に向いている人の特徴としては、以下があります。
- 重度で複雑な歯列不正がないケース
- 外観上の変化に敏感な仕事をしている人
- 発音や食事への影響をできるだけ避けたい人
- 頻繁な通院が難しい人や治療生活への負担を避けたい人
一方、ワイヤー矯正に向いている特徴は次のようなものです。
- 高度な歯列不正で大規模な歯の移動が必要な症例
- 頻繁な通院や口腔管理が負担にならない人
まとめ
マウスピース矯正への関心が高まっている一方、治療期間やコストの不安から踏み出せない人も多いでしょう。本記事では、平均的な矯正期間から影響要因、期間短縮法、他治療との比較などを通じ、マウスピース矯正に必要な期間とコストの実態を詳細に解説しました。
正しい情報を得た上で、専門医と相談しながら最適な治療選択をしていただければ幸いです。
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よくある質問
マウスピース矯正の平均的な期間は?
部分矯正の場合は平均12-18カ月(1~1.5年)
全体矯正の場合は平均18~36カ月(1.5年~3年)
さらに歯並びを固定するための保定期間が最低6カ月は必要です。したがって、部分矯正で最低1.5年、全体矯正では2年程度の期間が必要
マウスピース矯正に向いている人は?
マウスピース矯正に向いている人の特徴としては、以下が考えられます。
- 重度で複雑な歯列不正がないケース
- 外観上の変化に過敏で装置をあまり露出したくない人
- 発音や食事への影響をできるだけ避けたい人
- 頻繁な通院が難しい人や治療生活への負担を避けたい人
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