この記事の概要は?
歯並びの悩みは、健康や社会生活に影響を与えるだけでなく、自信や笑顔の美しさにも影響を与えます。
悩みとなる歯並びの種類は、出っ歯、ガタガタ歯、受け口、開咬や噛み合わせの問題など様々ですが、どのような不正咬合の悩みにも対応できる矯正方法があります。
本記事では、不正歯列の放置がもたらす健康リスクや、歯並びを改善するための矯正方法の種類やそれぞれのメリット・デメリットについて解説しています。
歯並びに悩んでいる方は、ぜひ一読して自身に最適な矯正方法を見つけてください。
悪い歯並び13種類と原因
悪い歯並びの原因は様々ですが、それぞれの歯並びには特徴があります。
ここでは、以下の歯並びの種類とそれぞれの原因について説明します。
- 叢生(乱杭歯・八重歯)
- 出っ歯
- 開咬(オープンバイト)
- 受け口(しゃくれ)
- すきっ歯
- 口ゴボ
- ガミースマイル
- 逆ガミースマイル
- 過蓋咬合
- クロスバイト
- 左右非対称の咬み合わせ
- ギザ歯
それぞれの不正歯列タイプについて説明します。
叢生(乱杭歯・八重歯)
叢生は、歯がきれいに並ばずにデコボコに歯が重なり合って生えてくる状態で、一般的には乱杭歯とも呼ばれます。
3番目の犬歯(けんし)で起きている場合には、八重歯と呼ばれることもあります。
八重歯について、犬歯との違いや矯正費用については以下の記事で詳しく説明しています。
原因は永久歯が生えるスペースが十分でなかったり、遺伝や顎の大きさが関係していることが多いです。
例えば、顎の大きさが遺伝的に小さい場合、歯が生えるスペースが狭くなり、叢生が起こりやすくなります。
叢生は歯磨きが難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が下の前歯よりも前に突き出ている状態です。
歯科学では上顎前突とも呼ばれます。
原因は遺伝や顔の骨格の問題、おしゃぶりや指しゃぶりの習慣などが考えられます。
例えば、子どものころにおしゃぶりや指しゃぶりの習慣があった場合、上顎が前に突き出て出っ歯になる方が多いようです。
出っ歯は顔のバランスが悪くなり、見た目にも悪い印象を与えることがあるため、矯正治療を受けることで改善される場合があります。
出っ歯になる原因、対策方法、似た症状の他の症例がわかる記事を以下でまとめています。
開咬(オープンバイト)
開咬は、上下の前歯が咬み合わせる際に正常な位置よりも離れてしまう状態です。
オープンバイトとも呼ばれます。
この状態の原因としては、長期的な口呼吸や指しゃぶり、舌の悪い癖が挙げられます。
開咬は、発音が悪くなることや、歯周病のリスクが高まることが知られています。
治療方法としては、矯正歯科でのワイヤー矯正やマウスピース矯正が選択されることが多いです。
開咬(オープンバイト)の矯正治療・手術方法については以下の記事で詳しく説明しています。
受け口(しゃくれ)
受け口は、上顎が下顎よりも後ろに位置している状態で、咬み合わせが悪くなります。
しゃくれと言われることもあります。
歯科学では「下顎前突(かがくぜんとつ)」「反対咬合(はんたいこうごう)」と呼ばれる症状を指す場合が多いです。
原因は遺伝や骨格の問題が主で、成長期に矯正を行うことで改善される可能性があります。
受け口(しゃくれ)の原因や治療法については以下の記事で詳しく説明しています。
すきっ歯
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間がある状態です。
歯科学では空隙歯列(くうげきしれつ)、正中離開(せいちゅうりかい)と言います。
厳密に言うと、空隙歯列は歯と歯の間にすき間が開いている状態、正中離開は中心の前歯のすき間が開いている状態です。
原因は遺伝や顎の大きさ、歯の形状、舌の癖などが考えられます。
すきっ歯は、発音や咬み合わせに影響を与えることがあります。
すきっ歯の原因、矯正治療をする際の費用や期間については以下の記事で詳しく説明しています。
口ゴボ
口ゴボとは、上あごと下あごの骨格や歯の向きなどが関係して、口元が突き出ている状態を指します。
出っ歯と似ていますが、出っ歯は上あごが出ている状態であるのに対し、口ゴボは上下両方のあごが出ます。
上下の顎が前に出ていることや、歯の軸が前方に倒れていることが主な原因となります。
口ゴボは、正面から見た歯並びは良くても、歯の傾きや骨格によって症状が現れることがあります。
口ゴボと似た症状に、下あごが上あごより引っ込んでいて口元が出るアデノイド顔貌があります。
これは、成長過程で鼻呼吸が上手くできず、口呼吸が続くことで顎が下がることが主な原因です。
ガミースマイル
ガミースマイルとは、口を開けて笑ったときに上の歯茎が大きく見えてしまう口元の状態を指します。
一般的に歯茎が1〜2mm見えるのは正常ですが、3mm以上見える場合はガミースマイルと診断されることが多いです。
ガミースマイルは、歯槽骨の発育が過剰であったり、上唇の筋肉の働きが強いことが原因で発生することが多いです。
ガミースマイルには、見た目以外にもデメリットがあります。
例えば、歯茎の色が変わる可能性がありますし、口内が乾きやすく、口臭が出やすくなります。
また、虫歯や歯周病などの口内トラブルに繋がることがありますので早期の治療が重要でしょう。
ガミースマイルとはどんな症状か、原因や治療方法については以下の記事で詳しく説明しています。
逆ガミースマイル
逆ガミースマイルは、上の歯や歯茎があまり見えない状態を指します。
理想的な笑顔では、下唇で下の歯が隠れ、上の歯茎が1mmほど見える状態や上の歯が見える状態です。
しかし、逆ガミースマイルでは、上の歯が少ししか見えない、もしくは上唇に完全に覆われている状態になります。
このような状態が生じる原因は、歯の噛み合わせの問題や筋肉のバランスの問題があります。
例えば、上顎が小さい場合や舌の筋肉が弱い場合などです。
逆ガミースマイルによって、口角が下がっているように見えることから、笑顔にコンプレックスを持ってしまう方が多いです。
逆ガミースマイルについて、原因や見分け方、治療方法については以下の記事で詳しく説明しています。
過蓋咬合(ディープバイト)
過蓋咬合は、上の前歯が下の前歯を覆いすぎてしまう状態です。
かみ合わせが深すぎて、下の歯がほとんど見えない歯並びになります。
過蓋咬合により、咀嚼や発音に支障をきたすことがあります。
また、下の前歯が上顎の歯肉に当たることがあり、歯肉のトラブルや顎関節症の原因になる症例も見られます。
原因としては、遺伝や歯の成長過程での問題が考えられます。
矯正方法としては、ワイヤー矯正や裏側矯正が適用されることが一般的です。
クロスバイト
クロスバイトは、上下の歯が正常に咬み合わせられず、歯列が内側や外側にずれてしまう状態です。
交叉咬合とも呼ばれます。
通常の歯並びは、上の歯が下の歯に少しかぶさっています。
しかし、クロスバイトは前歯もしくは奥歯の何本かがすれ違って交差しているかみ合わせを指します。
原因としては、遺伝や成長過程での習慣、顎の骨格の問題などが挙げられます。
クロスバイトは顎をずらして噛むため、咀嚼や発音の問題だけでなく、顔のアシンメトリーや歯周病、顎関節症のリスクが高まることが知られています。
二重歯列
二重歯列とは、歯が重複して生えている状態を指す専門用語です。「八重歯」も二重歯列の一形態として知られています。
最も一般的なのは、永久歯が生えてくる際に、乳歯が抜けずに残ってしまうケースです。これにより、同じ位置に二列の歯が並んでしまうのです。
症状の特徴としては、見た目の問題だけでなく、機能面でも様々な影響が出ます。例えば、発音が不明瞭になったり、食べ物を噛むときに違和感を覚えたりすることがあります。また、歯並びが乱れることで、歯磨きが困難になり、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性もあります。
二重歯列の症状は個人差が大きいため、軽度なものから重度なものまで様々です。重度になると咬み合わせの異常(不正咬合)を引き起こし、顎関節症などの深刻な問題につながる可能性があります。
左右非対称の咬み合わせ
咬み合わせの左右非対称とは、顎や歯が左右で均一でない状態を指します。
これは、顎の骨格や歯の位置の問題、遺伝や成長過程での習慣などが原因となります。
咬み合わせの左右非対称が放置されると、顔の見た目や歯の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
適切な矯正治療によって、咬み合わせの左右非対称を改善することが可能です。
ギザ歯
ギザ歯は、前歯の先端がギザギザした形状をしている状態を指します。永久歯が生えたばかりの子供の前歯にはよく見られる現象で、これは「切縁結節」と呼ばれます。
切縁結節は通常、2〜3年程度で自然にすり減って平らになっていきます。しかし、大人になっても前歯がギザギザしている場合は、何らかの問題がある可能性があります。
原因としては、歯並びや噛み合わせの問題、歯ぎしりや食いしばり、酸蝕症などが考えられます。特に、上下の前歯が正しく噛み合っていない場合、切縁結節が残りやすくなります。
ギザ歯は審美的な問題だけでなく、唇を傷つけたり、自信を失わせたりする原因にもなります。
治療法としては、マウスピースの装着、ラミネートベニアの貼付、セラミック治療などがあります。
ただし、歯を削る治療は知覚過敏のリスクがあるため、歯科医師と十分に相談して決めることが重要です。
「安いだけ」「思った仕上がりには程遠い」格安矯正で失敗した方はこちらをご覧ください。
不正歯列を放置したら健康や日常生活にどんな影響?
不正歯列を放置したら健康や日常生活にどんな影響があるのかを説明します。
健康面
不正歯列を放置すると、さまざまな健康面の問題が生じることがあります。
まず、噛み合わせの悪さが原因で顎関節症や顎関節の痛みが発生することが考えられます。
また、舌や口腔周囲の筋肉の負担が増えるため、筋肉痛や頭痛が引き起こされるかもしれません。
さらに、咬み合わせが悪いことで食べ物の咀嚼が不十分になり、消化器系の問題や栄養不足に繋がることもあります。
社会生活やコミュニケーション
不正歯列は、社会生活やコミュニケーションにも悪影響を及ぼすことがあります。
歯並びが悪いことで、発音が不明瞭になることがあり、コミュニケーションが円滑に進まないリスクもあるでしょう。
また、見た目に対する自信喪失や自己意識の過剰さが、人間関係や職場での人間関係に影響を与えることもあるかもしれません。
歯周病や虫歯のリスク
不正歯列の状態では、歯ブラシが届かない箇所ができるため、歯周病や虫歯のリスクが高まります。
特に叢生やすき間の広い歯並びでは、プラークが溜まりやすく、歯周病や虫歯の発症率が高くなることが知られています。
これらの問題が進行すると、歯を失うリスクが高まり、さらに顎の骨の喪失や全身の健康への影響が懸念されるでしょう。
不正歯列の早期治療は、歯や口腔の健康を維持する上で重要です。
歯並び矯正方法の種類とメリット・デメリット
歯並びを補正するための代表的な矯正方法について説明します。
矯正を検討する際に、自分の状態が矯正必要なレベルかわからない場合は以下の記事を参考にしてください。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、上記画像のようにブラケットと呼ばれる金属の小さな器具を歯に固定し、ワイヤーで繋いで歯を動かす矯正方法です。
【メリット】
- 矯正力が強い
- 多くの種類の不正歯列に対応できる
- 安定した治療結果が期待できる
【デメリット】
- 見た目が目立つ
- 矯正装置が口内で違和感を与え、痛みや不快感が生じることがある
- 歯磨きが難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まる
インビザラインとワイヤー矯正の違いについては以下の記事で詳しく説明しています。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、上記画像のような透明なマウスピースを用いて歯を徐々に動かしていく矯正方法です。
【メリット】
- 見た目が目立たず、装置がほとんど分からないため審美性が高い
- マウスピースは取り外しが可能で食事や歯磨きが容易
- 痛みや違和感が比較的少ない
【デメリット】
- 矯正力がワイヤー矯正に比べて穏やかなため、矯正が難しいケースもある
マウスピース矯正のメリット、デメリット、費用については以下の記事で詳しく説明しています。
代表的なマウスピース矯正のブランドはインビザラインです。インビザラインの詳しい内容やメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく説明しています。
リンガル矯正(裏側矯正)
リンガル矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付けて矯正を行う方法です。
【メリット】
- 歯の表側に装置がないため、見た目が自然で審美性が高い
- 強い矯正力がある
【デメリット】
- 装置の調整が難しい
- 痛みや違和感が強く出る場合がある
- 歯磨きがしにくく、歯周病や虫歯のリスクが高まる
まとめ
矯正歯科には多様な治療法があり、患者のニーズに合わせた最適な矯正方法を選択することができます。
歯並びが悪いまま放置すると、健康面や社会生活に悪影響を及ぼすリスクがあることを覚えておきましょう。
ワイヤー矯正、インビザライン矯正などの矯正方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
矯正歯科に受診して、自分に合った矯正方法を選択しましょう。
正しいケアをすることで、美しい歯並びと健康な口内環境を手に入れることができます。
気軽に矯正歯科医に相談しましょう。
よくある質問
悪い歯並びの種類は?
悪い歯並びの原因は様々ですが、以下の歯並びの種類とそれぞれの原因について説明します。
- 叢生(乱杭歯・八重歯)
- 出っ歯
- 開咬(オープンバイト)
- 受け口(しゃくれ)
- すきっ歯
- 口ゴボ
- ガミースマイル
- 逆ガミースマイル
- 過蓋咬合
- クロスバイト
- 左右非対称の咬み合わせ
それぞれの不正歯列タイプについてこちらで詳しく説明します。
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